JAL 飲酒不祥事の改善報告書を提出

JALは国土交通省から2度目の事業改善命令を受け、10/23に報告書を提出しました。2018年11月に続き、飲酒不祥事に関する改善報告となります。事業改善命令については、半月前に取り上げました「JAL 元副操縦士に不利益処分 飲酒で資格取り消し」のでこちらをご参照ください。

報告書で気になったこと

今回の報告書は運航乗務員の飲酒についてです。上海国際空港、鹿児島空港、成田空港を飛び立つ前のそれぞれの検査で、基準値を超えるアルコールが検知されたということです。「アルコールに関する知識教育」やら「役員と運航乗務員との対話」、「検知器を用いた自己管理の徹底」、「飲酒好きな乗務員への監視」みたいなことまで、改善策がてんこ盛りです。

最も違和感を感じるのは、「飛行勤務開始前12時間以内の飲酒禁止」というルール(運航規程)に違反している者と、遵守していたが結果的にお酒が残ってしまった者がチャンポンに扱われているところです。たしかに運航規程には「飛行勤務に支障を及ぼす飲酒の禁止」という、飲酒時間に関係なく、結果で判断というルールがあって、これには引っ掛かるということですが。

上海の件、成田の件は、いずれも前日の過度な飲酒が原因でアルコールが検知されていますが、鹿児島空港の副操縦士は、飛行勤務開始時刻の1時間前に飲酒しています。これらが同様に扱われるのはちょっとどんなもんかと。

態勢整備が重要

飛行勤務開始前にアルコール検査を実施し、基準値を超えるアルコールを検知したため、乗務員を交代し、運航規程に則り、控えの機長が飛行勤務を遂行した。これって、本来そんなに問題あることなんでしょうか。ロンドンヒースロー空港で基準値の9倍のアルコールを検知されて起訴された機長や、1時間前に飲酒した副操縦士などはもちろん論外です。

しかし、12時間以上前に飲んだ酒が残っていて検知されてしまったケース。かつ、代替要員で運航に支障をきたさなかったケースまで大騒ぎする必要があるんでしょうか。という疑問を持ち始めました。飛行勤務開始前のチェックにおいて、アルコール検査やその他のヘルスチェックで問題となるケースを想定し、代替要員が常に確保されているという態勢整備の方が重要ではないかと。

新型熱電発電素子 三桜工業

以前、「再生エネルギー 地熱発電 増感型熱利用発電 」という記事を書きました。その中で紹介したのが、三桜工業が開発に成功した「新型熱電発電素子」。熱源に埋め込むだけで素子を通じて電流が取り出せるというもので、排熱発電や地熱発電等に革命をもたらしそうな技術です。

三桜工業

以前の記事では、三桜工業の株価は開発成功のプレスリリースを出した7/18から3日間で、450円から598円まで、30%以上上昇したものの、元の株価水準に戻ってしまいました。と紹介していたんですが、再度上昇をはじめ、昨日時点で993円まで付けています。年初来高値を更新し、株価はほぼ2倍になったことになりますね。

最近では、予想に反して足元の決算が良かったことも材料視しているようですが、前述の新技術の実用化を材料にしていることも確かです。あるんですねぇ、今でもこんなふうに一本釣りされる銘柄が。信用買残が1.43倍。サイズは小さいですが、ちょっとした仕手株テイストです。

いまどきこういう人気が付くのも、やはり環境関連の課題を解決するという、時代に合った材料だからこそでしょう。まだまだ実用化に向けてそれなりの時間が必要でしょうし、そもそも実用化できるかどうかも分からないという段階です。だからこそカラ売りも飲み込み、相場になるという面もありますが。

AGC 三菱ケミカルなども

暴騰している三桜工業の時価総額は2カ月で倍になったといっても350億円ほどです。AGCや三菱ケミカルといったESGの観点から画期的な開発をしている企業はあるんですが、これらの時価総額はそれぞれ8千億円、1兆2千億円なんですね。少しくらいの材料では動きません。

というのがこれまでの常識。しかし、今後は分かりませんよ。ESGや特に気候変動関連の材料で、いわゆる大型株が大きく値を切り上げていく相場が来るかもしれません。売られる場面ではコツコツ拾っておく価値はありそうです。

大きな揺り戻しが来る のか?

10/22付け日本経済新聞、大機小機に「非常識な時代」という記事がありました。従来の常識が通用しないあれやこれやを提示し、非常識な時代としてまとめています。読んでいて、なるほどごもっとも、、、なお話ばかりなんですが、少し変化の兆しというか、そろそろ揺り戻しが来るのでは、という感じがしました。

非常識の数々

「お金を借りたら利子を払う」、「物価は経済の状態を映す体温計」、「資本市場は企業が資金を調達する場」、という常識がそれぞれ、「マイナス金利」、「完全雇用でも物価は上がらず体温計は動かない」、「資本市場は企業が自社株買いを通じ、投資家に資金を返す場に変質した」、と変わってしまったと指摘しています。

まさにおっしゃる通りなんですが、問題はこれが恒久的に続く現象なのかという点です。ここでは、そうではないという観点で書きましょう。ここまで米国を除き主要国経済においては、中国の一人勝ちが続いてきました。彼らの理屈で動く経済に対して、従来の常識が壊れてきたと考えられないでしょうか。

中国が必要とするものについては価格は上昇したが、中国が生産し輸出するものについては価格破壊が続いた。民主主義が必要とするあらゆるコストを要しない中国に対抗するため、先進国の金利は低下を続けた。中国との競争に勝てる自信のない企業は、投資に踏み切れず、自社株買いに甘んじた。こんな整理もできるかもしれませんね。

揺り戻し 巻き返し

そんな中国の力にも陰りが見えてきました。トランプ氏の功績と言ってよさそうです。これまで中国の快進撃に端を発して起きてきた経済の非常識に揺り戻しや巻き返しが始まるのでは。そんな気がしています。日本株の復調が最も分かりやすい現象ではないかと。

また、スタートアップバブルが弾けたのも。株式市場が正常化する一因になりそうです。海のものとも山のものとも分からない企業に大金を投資して、上場を機に設けるという仕組み。上場手前でのバブルが弾ければ、投資家は再び市場に戻ってくるのではないかと。

台風19号 激甚災害と特定非常災害に指定

先週末にかけて、台風19号が特定非常災害に指定されたという報道がありました。また、激甚災害に指定というニュースも。何となく聞き流してきたこの「激甚災害」と「特定非常災害」という言葉。災害列島日本に暮らす者として知っておいた方が良さそうです。

激甚災害

「激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律」という長~い名前の法律があります。発生した災害のうち、その規模が特に甚大であり、国民生活に著しい影響を与えたものに対して、地方公共団体および被災者に対する復興支援のために、国が通常を超える特別の財政援助または助成を行うことを目的とした法律です。

「激甚災害に指定する」というのはこの法律を適用するという意味ですね。昭和37年公布の法律ですが、平成11年に改正され、指定するかどうかの判断基準が大幅に緩和されたため、これ以降はほぼ毎年のように劇甚災害の指定が行われています。

特定非常災害

こちらの法律はもっと長いです。「特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律」。先ほどの激甚災害については法律の名前でだいたい目的が理解できましたが、こちらは法律名を見てもよく分かりませんね。

ザックリ説明すると、行政上の権利利益の満了日(例えば運転免許証の有効期限日やお店の営業許可の有効期間)が到来しても、これを一定期間延長してくれる法律です。被災により更新等の手続きがとれない場合を配慮してくれるということですね。

今回の台風19号については、令和2年3月31日まで有効期限を延長できるとされています。他にも、事業報告書の提出など、期限内に履行されなかった行政上の義務の履行の免責や、法人の破産手続き開始の決定の特例、相続の承認または放棄すべき期間の特例、民事調停法による調停の申し立ての手数料の特例、といった措置が定められています。

SMS(ショートメール)でフィッシング詐欺 スミッシング

ワン切り詐欺に続いて今回はフィッシング詐欺です。偽物のサイトに誘導してIDやパスワードを入力させ、これを盗み取るわけですが、従来は誘導の手段がメールでした。ところが最近はSMSによる誘導が増えてきています。スミッシングというんだそうですが、、、これまた、kuniのところにも来ています。

佐川急便や日通でも

このスミッシング、佐川急便の偽サイトでかなり有名になりましたよね。SMSを確認すると、「お客様宛にお荷物のお届けにあがりましたが不在のため持ち帰りました。配送物は下記よりご確認ください。」という内容。下記には佐川急便の偽サイトのリンクが張ってあります。

最初にこのニュースを見た時には、正直、考えたやつ凄いなぁ、、、って思いました。このSMSだったら、偽サイトへのリンクポチっと押しちゃいますよね。そういう才能、もっと真っ当な世界で活かしてくれよって感じです。後に日通でも被害があったようですし、1500件以上の類似ドメインが取得されていたことも報道されてました。

なぜ、いまSMS?

では何で今SMSが利用されるのか、なんですね。パソコンのメールのようにアドレスを取得する手間がなく、電話番号だけで済むこと。スマホは常時電源が入っていて、相手にすぐ届くこと、などが考えられます。そして最も大きな理由が、一時被害者のスマホを乗っ取って、二次被害者に偽SMSを送り付けることができるようになったからだそうです。

一次被害者が偽サイトで不正なアプリをインストールさせられ、そのアプリがスマホの電話帳登録先(二次被害者)に偽SMSを送り付ける、、、なんてことまでしてしまうみたいです。かなり端折って書きましたが、SMS恐るべしです。よく知っている会社であっても、SMSのリンクからサービスは利用しないこと!!! 皆さんもお気を付けください。