ヤシマキザイ 不適切な会計処理で決算発表を延期

少し前になりますが、株式会社ヤシマキザイは2/14、「2023 年3月期第3四半期決算発表の延期に関するお知らせ」を公表しました。原価の付け替え取引や在庫計上処理漏れ、売上の先行計上の疑義などが次々と発覚し、2/13付けで調査委員会を立ち上げ、調査を開始したためということです。

ヤシマキザイ

ヤシマキザイは鉄道事業者などに対する車体用品、電気用品の販売、一般産業向け電子部品の販売を手掛ける専門商社です。電機メーカーなどから製品を調達し、販売しており、全国を網羅するサービス網を持ち、海外にも拠点を展開している東証スタンダード市場上場企業です。取引先にはJR東日本、JR西日本、JR東海などが並んでますね。

不正の概要

まず最初に浜松営業所にて1,500千円の原価の付け替えが判明、続いて東京支店電機システム部における原価の付け替えや在庫計上処理漏れが判明したとのこと。さらに、大阪支店交通営業部にて2件の原価付替えが見つかり、大阪支店広島営業所では売上の先行計上の疑義のある取引が発見されたとのこと。

次から次へと出てくる会計不正を受けて、「複数の拠点において不適切な会計処理が生じているため、類似事案が存在する場合、不正による重要な虚偽表示の疑義を否定できない状況にある」との判断で、決算を延期し、本格的に調査を開始したようです。

合計5つの会計不正が見つかってるようですが、これらはいずれも2023年3月期のお話。同社の開示にもあるように、これらの原因が「個別案件における受発注収支の損失回避や、行うべき在庫計上処理を正しく理解していなかったこと」であるとすれば、過去を遡れば膨大な数の不正が出てくるはずです。ここからの調査、結構大変なモノになりそうです。

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