株式会社ワイエスフーズ(上場しているワイエスフードとは別の会社)の代表取締役が、2023年に行ったヨシムラ・フード・ホールディングス株式の買い付けに対して、証券取引等監視委員会はインサイダー取引であるとして、札幌地方検察庁に告発しました。
インサイダー取引の概要
ワイエスフーズは北海道でホタテの加工を行う非上場企業でした。2023年にこの会社を上場企業のヨシムラ・フード・ホールディングスが買収(株式を譲り受ける)するという事実を知りながら、当該事実が公表される前にヨシムラ・フード・ホールディングス株式を買い付けたというもの。
つまり、自身が経営する会社を買収しようとする上場企業の株で儲けたって話ですね。普通は買収される側の株式でインサイダーが起きるものですが、このケースは反対です。ヨシムラ・フード・ホールディングス株式は800円くらいの株価が事実公表後に1500円近くまで上昇しています。
いわゆるホタテ長者が、中国が日本からの輸入の全面停止に踏み切る直前に身売りし、ついでにインサイダー取引でも儲けていたという事案。そしてさらに、この代表取締役、知人3名にもこの情報を伝えて儲けさせています。
地検への告発
通常のインサイダー取引では、金融庁長官等に対して課徴金納付命令を発出するよう勧告しますが、当事案は金融商品取引等の公正を害する悪質な行為であるとして、地検への告発となっています。