損保ジャパンはなぜ ビッグモーターとの取引を再開したのか

日本経済新聞は10/10、「損保ジャパン、取引再開30分で決定 社外調査委が糾弾」と報じました。ビッグモーターがかなりヤバいことやってそうだぞ、っていう状況が伝わってくる中、社長の鶴の一声でそれまでの議論がひっくり返り、わずか30分で取引再開となったということです。

役員ミーティング

取引再開が決定されたのは7/6の役員ミーティングだそう。事前打ち合わせではビッグモーターに対する追加の調査が不可避との認識が共有されていたそうですが、役員ミーティングでは社長の一声で取引再開が決定したということです。その間わずか30分。ビッグモーターの悪質な水増し請求の手口についての情報は、役員ミーティングの出席者の多くに事前共有されていたらしいです。

この役員ミーティングには法務やコンプライアンスなどの部門からの出席者はいなかったとのこと。そもそも役員ミーティングってなに?ってことですよね。執行側の役員だけで会社にとって重要な決議を行えるという態勢がそもそもの問題です。

これぐらいのサイズの会社であれば、こうした決定は取締役会で行われてしかりです。取締役会であれば監査等委員(または監査役など)が必ず出席しますし、監査等委員が要請して監査部長やコンプライアンス部長などを同席させることもできます。もちろん、出席したとしても機能しなかった可能性はありますが。

ブレーキを踏む者を排除し、執行側の役員だけで「役員ミーティング」なる会議を開催し、重要な決定を行えてしまう。これメチャ危うい態勢です。

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