東証 市場区分見直し(その2)

金融、証券

3/10 日本経済新聞の記事に、東証の市場区分見直しに関するニュースがありました。現在の東証の問題をいくつか指摘していますが、おそらくこの指摘は東証内部で検討されている改善に向けた議論の中で出てきている課題とも一致してるんでしょう。

東証市場区分の課題

① 1部上場企業数が多すぎる
② 1部上場企業に時価総額や売買代金が小さい企業が多い
③ 2部やマザーズ経由の内部昇格の方が1部直接上場よりハードルが低い

記事ではこれらの点を指摘しています。③が原因となって、①②のような状況が生まれているということです。③の内部昇格ルートに関するレギュレーションは2012年に変更されているそうで、それまでは500億円の時価総額が必要だったのが、40億円に引き下げられています。

最高位市場の創設

2012年のルール変更がこのバランスの悪い市場を作った原因である、という批判を受けながら、現在の1部上場銘柄から時価総額基準で2部降格銘柄を大量に出すとは思えないんですよね。東証の責任問題を軸にして新しい市場区分を考えていくのが正解のような気がします。

東証自身が、最も批判を浴びることなく、最高位市場の上場銘柄数を減らす方法はというと、1部市場の上位に最上位市場を新設することでしょう。「特定市場」とかね。英国ではプレミアムと呼ばれるそうですが。

プレミアムには約500社が上場しているそうですから、日本の特定市場も日経平均採用225社に300社程度を加えて厳選500銘柄程度に。時価総額基準とESGにおいて世界に通用する銘柄群としましょう。当然、ガバナンスに関しては東証が唱えるコーポレートガバナンス・コードを十分に満たしている企業です。

過去5年間に不正・不祥事を起こしている企業は特定市場から除外するという基準もあっていいかもしれません。しかしこれやると日経平均採用銘柄で特定市場から漏れる銘柄も出てきそうですね。いずれにしても、まず最高位市場の創設が行われると思います。

特定市場 1部市場 2部市場

これで、最高位市場には500銘柄程度。これに1部市場1600銘柄、2部・ジャスダック・マザーズが1500銘柄。2部市場とジャスダック、マザーズは統合して2部市場でいいんじゃないでしょうか。それでもまだ1部市場はやや多すぎますか。

1部から2部への降格は、2012年以前の昇格時の時価総額基準500憶円で見直しというのはどうでしょう。500億円未満で何社くらいが降格になるんでしょうね。ただし、これをやると東証が責任を問われかねないので、3年程度の経過措置付きということで。

以上、kuniの勝手な新市場区分予想でした。日経によると、東証から今月中にも改善案が公表されるらしいです。

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