JAL 元副操縦士に不利益処分 飲酒で資格取り消し

昨年10月、英国ロンドン・ヒースロー空港で乗務前の大量飲酒が発覚し、JALの副操縦士(男性、42歳)が現地で逮捕され、禁錮10カ月の実刑判決を受けました。国土交通省は10/9、その元副操縦士に対して不利益処分を行っています。思い出せば、この事件以降、スカイマークやJAL、ANAと、数件の同様の飲酒不祥事が発覚しましたよね。

不利益処分

副操縦士に対する不利益処分とは。。。当ブログでもよくお伝えしているのは行政処分とか業務改善命令の内容ですが、これらはいずれも会社・企業に対する処分です。一方、この不利益処分というのは、行政手続法に定められた、特定の人を名宛人とした処分のことです。

営業許可の取り消し処分や、許認可の取り消し、外国人の退去強制処分といった、処分される者の権利権益に不利益な効果をもたらす処分であり、これらを法律上、不利益処分と呼んでいます。判断によっては違法・不当に権利利益を侵害する可能性があることから、その判断過程が公正である必要があり、こういう呼び方になったようです。

不利益処分の内容

国土交通省の書面にはその不利益処分の内容として、「航空従事者技能証明、航空英語能力証明及び計器飛行証明の取り消し」と書かれていました。報道等ではパイロットへの処分として最も重い技能証明取り消し処分、と略されてます。

他にも、2件で3名の処分がありました。今年4月に上海で同じく飲酒不祥事を起こした機長には、航空業務停止30日。副操縦士には文書注意。8月の鹿児島空港での件については、副操縦士に航空業務停止100日。という不利益処分等が行われています。

JAL スカイマーク 日本トランスオーシャン 中日本航空 朝日航洋

今回の処分は事業者に対しても行われていて、JAL以外にも4社が業務改善命令等を受けています。JALは業務改善命令と安全統括管理者の職務に関する警告。スカイマークに対しては業務改善勧告。日本トランスオーシャンと中日本航空、朝日航洋は厳重注意を受けています。なお、全社10/23までに再発防止策を報告することが求められています。