朝日ラバー(5162) 調査委員会の調査報告書を公表

朝日ラバーは3/15、調査委員会の調査報告書を受領し、公表しました。連結子会社である東莞朝日精密橡膠製品有限公司における、棚卸資産の過大計上の疑義についての調査です。この日、延期していた四半期報告書も提出しています。

結果の概要

どうやら意思のある不正等はなかったようです。金蝶ERPシステム(統合基幹業務システム)に関する理解不足や入力操作の漏れ。これが最大の発生原因だそうです。2021年3月期第2四半期の連結決算への影響額は営業利益で53百万円とのこと。

過失によるものとはいえ、ここまで話が大きくなってしまったわけで、子会社における不明確な責任体制や部門間の連携不足なども指摘されています。さらに、朝日ラバーによる子会社管理についても不十分としています。

東証で売買停止措置

3/15、14:37、東証は同社株を売買停止しました。理由を「過年度決算訂正に関する発表が行われたため」としています。TDnetでは15:00に開示されているのに???と思ったて調べてみたら、EDINETの方に訂正四半期報告書等が14:30に提出されています。このせいでしょうか。

TDnetは東証が運営している適時開示システムで、EDINETは金融庁が運営する金融商品取引法に基づく法定開示書類が公衆の縦覧に供されているシステムのことです。

開示の意味を

そういえば、この調査委員会設置を公表した昨年12/21も、TDnetに10:30に開示してザラ場中の市場を混乱させましたっけ。この会社、基本的に開示の意味を理解していないようですね。昔は取引所が開いている時間帯に開示なんて考えられませんでしたけどね。

西華産業 従業員の不正行為 (その3)ー調査委員会立上げ

西華産業の開示、見落としていました。2/1に「当社連結子会社での不祥事に関わる調査委員会立上げ等のお知らせ」が公表されていました。同社もしくは子会社の日本ダイヤバルブのどなたか、当ブログの記事を読んでいただいたのでは?と思われる節もあり、、、。

調査委員会立上げ

このお知らせによると、今年1/15には既に調査委員会を立上げていたとのこと(その時に開示すればいいのに)。当ブログで委員会設置による調査や再発防止策の策定をするべきという記事を公開したのが、1/25でした。

当ブログで記事を公開した時点で、既に設置されていたということなんですが。いや、どうしても1/15にそれを開示しなかったことが腑に落ちない、、、。委員の名前も公表されていませんし、委員会の設置ではなく「立上げ」という言葉が使われているのも気になります。

委員会の「設置」のお知らせはこれからということでしょうか。まぁ、とにかく同委員会で6月上旬をめどに調査結果をまとめるとしています。

元社員という呼称

もう一つ当ブログを読んでいただいたのではと思わせるのが、金銭騙取した被疑者のことを今後は「元社員」と呼ぶ理由について、細かく説明されているところ。kuniがよく「元社員」とか「元従業員」という呼び方にケチを付けているからか?などと、勝手に思っています。

期待すること

前回掲載した読者から頂いたコメント、「日本ダイヤバルブにおけるパワハラや杜撰な勤怠管理の実態」が書かれていました。調査委員会の調査の結果として社会に公表していただきたいですね。従業員を壊して会社が成長する時代はもうとっくに終わってますよ。

もちろん、現在の惨状を公開することが目的ではありません。経営陣にそういう実態を的確に認識していただき、襟を正してもらう。改善に向けた経営の強い意志を表していただきたい。そう願っております。

Nuts(7612) 期末現金残高 8億円が消えた

何とも不思議なことを起こす会社ですね。2020年3月期末の決算において、帳簿上8億900万円あるはずの現金が、実際には50万円しかない、と監査法人から指摘されたようです。で、、、また外部調査委員会に調査を追加してお願いするんだとか。

外部調査委員会

もともとこの外部調査委員会は、証券取引等監視委員会が同社の公表した文書が金商法第158条に定める「偽計」にあたるとして、強制捜査を受けたことから設置されたものです。あれからちょうど一カ月が経過しましたが、今度は現金がなくなった件も調査委員会の調査事項に加えるんだそうです。

ただよく読んでみると、同社が調査委員会に対して、「調査事項に加えるように折衝中です」、と書かれてます。普通こういう目的で開示するんだったら、調査委員会が承諾してからでしょうに。まだ折衝中なのに、今後の見通しやらなんやらきれいごとは並べてあります。何だか上場会社ごっこやってるみたいな会社ですね。

消えた現金

第三四半期(10月~12月)の四半期報告。BSを覗いてみると、ありますね。現金815,415,000円となっています。同社が主要事業にしようとしている「医療施設の入会申込金」でしょうか。11月の開示によると、入会数3件で売上2,100万円とありますので、一口700万円。

1月までで78口、新規入会があったそうですから、5億4,600万円までは計算できますが、残りは不明。っていうか、こんなもの計算したってしょうがないってもんですね。架空の売上なんだか、入会金持ってドロンしたか。まともに取り合わない方が良さそうです。

たかだか十数名の社員で運営している会社。時間を稼いでいるかのような外部調査委員会の設置。経営者はまだ日本に居ますかね。

ベルテクスコーポレーション キックバック ?

ベルテクスコーポレーションは、同社連結子会社の役職員による不正行為が発生したことを公表しました。外部の専門家を含め調査委員会を設置して調査した結果、不正行為が発覚したということですが、詳細の情報はありません。おそらくキックバックかと思われます。

ベルテクスコーポレーション

東証2部上場会社らしいのですが、初めて聞く会社です。2018年10月1日に、ゼニス羽田ホールディングスとホクコンが、共同株式移転の方法により、両社の完全親会社となる「株式会社ベルテクスコーポレーション」を設立したということです。

ゼニス羽田ホールディングスの沿革を調べてみると、株式会社ハネックスと日本ゼニスパイプ株式会社、羽田コンクリート工業株式会社の3社が合併してできた会社ですね。日本ゼニスパイプが東京店頭市場に公開していたことから、その流れでジャスダック、東証2部へと生き残ってるようです。

不正の概要

話を戻しましょう。不正の舞台となったのは、持ち株会社のベルテクスコーポレーションから見ると孫会社にあたる、ホクコンマテリアル株式会社です。当ブログが最近ご縁のある福井県福井市にある会社のようです。

開示情報によると、複数年にわたり下請け工事業者と共謀し、同社に対し架空もしくは水増し請求をさせた資金の一部を自らに還流させ、不正に領得していたとのこと。

元役員、元従業員2名による不正行為としていて、過年度分を含めて総額1億3800万円を不正に得ていたということです。行為者の責任追及、不正に関与した工事業者への損害賠償請求を進めているといいます。

トカゲのしっぽ、それもかなり先の方だけ切ってるんじゃないの?なんていう疑念を持たれないためにも、、、せっかく調査委員会も設置したわけですし、調査結果も公表するべきでは?

五洋インテックス 調査報告書を受領

調査委員会設置の1月に一度取り上げましたジャスダック上場の五洋インテックス、3/4に調査報告書を受領したようです。まぁ、グダグダな調査報告書です。というか、事実関係を報告する場面での同社と監査法人とのやりとりが要領を得ない、グダグダなんですけどね。

社長交代してたんですね

この会社2月に社長交代してたんですね。宮原社長から梅野社長に。宮原氏も梅野氏(元専務)も昨年株主総会で決議し、乗っ取り側が送り込んだ取締役です(乗っ取りだとすればですが)。一応、昨年11月の四半期報告書の訂正報告の件の責任を取っての退任のようです。

乗っ取り側から送り込まれたのは3人。残りの一人が社外監査役なんですが、なぜかこの社外監査役が今回の調査委員会の委員に名を連ねていたり、委員会のヒアリング対象者からは新社長(当時は専務取締役)は外れていたりします。新経営陣に配慮した格好には見えますね。

発生の原因

監査法人側にも落ち度はあったようです。45日ルール(期末から45日目までに四半期報告しなければならない)が迫っているのに、同社に対して急がせるとか、守れなかった場合にどうなるのかといった適切な助言が行われていなかったようです。プロといえる対応ではありません。

とはいうものの、最後まで監査法人からバックデートでレビュー報告書がもらえると思っていたようで、五洋インテックスの経営陣にコンプライアンスの意識が薄すぎたわけです。IR関係の業務に通じた管理部長が退職し、実質的に開示に関する知識のある人間がいなかったのも原因の一つとされてました。ガバナンスも効いてません。

2017年には子会社株の株価操作、2018年には不適切な会計処理、2019年には乗っ取り騒ぎに開示違反、、、こうやってハコ企業が出来上がっていくんでしょうね。

最後に、社長交代を開示した際の「代表取締役の異動に関するお知らせ」、、、今年の2月13日なんですが、右肩に書かれている日付は2019年2月13日になってます。こんなところもテキトーです。