カンダホールディングス 子会社役員による横領

この事件に関する社内調査委員会の設置、実は8/21に開示されていたんですが、ノーマークでした。カンダホールディングス自体が東証2部上場で、その子会社での事件ということで、取り上げていなかったんですが、、、。9/29、調査結果報告書受領の開示が。

舞台は連結子会社レキスト

カンダホールディングスは総合物流企業です。その子会社のレキスト。一般貨物自動車運送事業の会社です。犯人はこのレキスト社設立以来、27年間にわたり、経理財務の職務を一人で担当してきた人物。

最終的には取締役管理本部長という肩書ですね。経理財務の担当責任者としての地位を利用して、毎月の人件費(給与)を水増しし、自己名義の複数の銀行口座に金銭を振り分けて振り込み、着服していたとのこと。

犯行の期間はなんと2000年4月~2020年3月までの20年間だそうです。さらにその間に不正に領得した金額の合計は719,212,273円。7億円ですよ、7億円。金の使い道は、定番の遊興費、投資資金およびその損失の穴埋めだそうで、被害額の回収可能性は極めて低そうです。

発生原因

これも分かりやすく、27年も同じ人物に重要業務を任せていたこと。会計データと銀行振り込みデータの照合(事後チェック)も同一人物。グループ各社に統一の給与システムを導入しようとしたが、この人物の反対で導入しなかった。などがあげられています。

統一給与システムの導入に際し、この人物が事務効率の低下を主張し、強硬に反対したため、給与システムのデータが他のシステムに連動せず、犯人によるデータの修正が可能な環境を残した格好になっています。

犯人が不正を働くための「機会」を提供、継続しただけでなく、この時点で親会社が子会社の不正を発見できる「機会」も失っているということですね。