シスメックス株式会社 公正取引委員会が独占禁止法違反の疑いで立ち入り検査

シスメックス株式会社は6/4、「公正取引委員会による当社への立ち入り検査について」を公表しました。日本市場における血液凝固測定装置および試薬(FDP を測定する試薬および D ダイマーを測定する試薬)の取引に関し、独占禁止法違反(抱き合わせ販売等)の疑いがあるとのこと。

シスメックス株式会社

シスメックスはヘマトロジー(血球計数検査)、免疫検査、血液凝固検査など検体検査に必要な機器・試薬・ソフトウエアの研究開発から製造、販売・サービス&サポートまでを一貫して行う総合メーカー。血液凝固測定装置は国内市場規模は約27億円で、シスメックスが半分ほどのシェア。もちろん東証プライム上場企業です。

試薬を抱き合わせ販売

同社の開示では詳細は語られていませんが、報道によると、同社は遅くとも2019年ごろから血液凝固測定装置を販売する際、病院などの取引先に自社の試薬の購入を強要し、公正な競争を阻害した疑いが持たれているとのこと。血液凝固測定装置は手術を控えた患者の血液が固まりやすいかどうかを調べる用途などに使われるんだそう。

第一報では、同社の営業担当者が取引先に対して「他社の試薬を使うのなら装置の販売をしない」などと説明していたということでしたが、その後、取引先に「他社の試薬は使えない」などと虚偽の説明をして販売していたという報道も。いずれにせよ、独禁法の禁じる「抱き合わせ販売等」にあたるわけですが。