日立金属 特別調査委員会 調査報告書

日立金属は1/28、品質不正に関し、特別調査委員会の調査報告書を公表しました。不正製品を納入した先は、計1747社にのぼっています。このうち事業撤退などの理由で連絡が取れない44社を除き、すべての顧客に納入実績があることについて連絡済みだそうです。

ここまでを振り返って

いやぁ、長かったですね。委員会の設置は昨年の4/27。そこから今年の1/25までですから、調査期間なんと9か月間です。お疲れ様です。

2020年1月に安来工場において製造する特殊鋼について、品質に係る不適切行為が行われている旨の情報提供を受けたというのがとっかかりでしたが、これってやはり内部通報ということのようです。今回は「情報提供」ではなく、「投書」と表現されています。

2015年に始まり、世を騒がせた上場企業による検査不正事案の嵐。そんな中でも不正をしっかり握りつぶしてきた日立金属。報告書では経営幹部や本社部門などが不正を認識していて続けさせている状況では、現場が不正を問題視することが困難だったと分析しています。

全編ヤラセに見えてきた

じゃぁ、なぜこの時期に「投書」が登場するんでしょう。なんかもうこの辺りからヤラセみたいな感じがしてきました。何度も不正行為に関して気付きがあり、何度も不正行為の公表のチャンスがあったにも関わらず、、、日立が日立金属を売却することを決めると途端に表沙汰に。。。

再発防止策の中に「内部通報制度の強化」というのがあるんですが、これが日立製作所コンプライアンス部に通報する仕組みというのも、、意味ありげ。良い値で売れるまでは日立が監視するのか。

売却を決定したから不正を精査、膿を出し切り、身綺麗になってから売却。このこと自体に別に異を唱えるものではありません。問題はそれまでの間、社会や顧客を裏切り続けていることです。これが日立製作所のやり方なんでしょうか。ここから売却手続きを加速するんでしたね。