住友重機械工業 子会社住友ナコフォークリフトで検査不正

住友重機械工業子会社の住友ナコフォークリフトは4/26、「フォークリフトの特定自主検査における不適切検査について」を公表しました。労働安全衛生法並びに労働安全衛生規則で定められているフォークリフトの特定自主検査において、定期自主検査指針に沿った検査を行わなかった事実が判明したということです。

住友ナコフォークリフト

検査の不正が判明したのは住友ナコフォークリフト販売株式会社。住友重機械工業と米国ハイスター・エール・グループの合弁会社だそう。トヨタ(豊田自動織機)、三菱ロジネクスト、コマツに次ぐ国内第4位のフォークリフトメーカーです。

不正の概要

制動装置の検査のうち、定期自主検査指針で示されているブレーキ内部の検査において、ブレーキドラムを外しての検査を作業員の判断で省略し、怠っていたというもの。2017年~2019年、2021年の2台の車両で延べ4件の不正が行われていたということです。なんかよく分からん表現です。他に同様の不適切な検査がないか、現在調査中とのこと。

ちなみに、豊田自動織機のフォークリフトでは、排ガス性能の認証不正ということで、国土交通省の所管でしたが、住友ナコのこの事案は労働安全衛生法に関するもので厚生労働省の所管なんだそうです。

住友重機械工業では数年前に、本社やグループ会社で大規模な検査不正などが発覚しています。この事案も今後の調査により不正の拡大が判明するかもしれません。

ファナック株式会社 規格不適合検査で特別調査委員会を設置

ファナック株式会社は4/24、「当社欧州向けロボカット製品における EMC 指令に基づく整合規格不準拠の試験実施の疑義及び特別調査委員会の設置に関するお知らせ」を公表しました。決算発表時期を迎え、またこうした検査関連の不正が出てき始めましたね。

ファナック

ファナックは、工作機械などに搭載されるCNC(コンピューター数値制御)装置で世界トップシェア。CNCやサーボモータなどのFA(ファクトリーオートメーション)部門を主軸に、その基本技術を応用してロボット事業、ロボマシン事業(小型マシニングセンタ、電動射出成形機など)なども手掛ける東証プライム上場企業です。

不正の概要

同社が製造・販売するロボカット製品(ワイヤ放電加工機)について、欧州の EMC 指令の整合規格である EN 規格への適合性を判断するために、同社が当該規格に基づいて実施したとされる試験が、当該規格に準拠しない条件の下で実施された可能性があるとのこと。

その結果、EMC 指令適合性の確認結果に疑義がある状態で欧州へロボカット製品を出荷している可能性があることが判明したといいます。同社の社内調査により 2024年3 月下旬に判明したということです。

対象製品に関して事故が発生した旨の報告は受けてないということですが、事実関係の調査を徹底的に行うため、特別調査委員会を設置することになりました。そういえば、先月、東京国税局がファナックに対し、およそ97億円の申告漏れを指摘したっていう話もありましたね。個人的には非常に良い会社というイメージでしたが、何かが変化してきてるんでしょうか。

IHI 連結子会社のIHI原動機 燃料消費率の測定データを改ざん

船舶用のエンジンなどを製造するIHI原動機が燃料消費率の測定データを改ざんしていたことが、報道されました。このデータは試運転の際に測定して取引先に報告するもので、国土交通省は会社側に事実関係の報告を求めるともに、詳しいいきさつを調査する方針とのこと。

IHI原動機

IHI原動機は東証プライム上場企業であるIHIの100%子会社で、資本金は30億円。内燃機関、ガスタービン機関、舶用機器の製造及び販売を行っている企業で、源流は上場廃止となった新潟鐵工所みたい。親会社のIHIは、航空エンジンで国内トップシェアを有し、橋梁など海外大型プロジェクトで実績を持つ総合重機大手の一角です。

データ改ざん

IHI原動機は船舶用のエンジンを組み立てた後に行われる試運転の成績書に、実際に測定された燃料消費率とは異なる数値を記載していたということです。

この成績書は試運転のあとに取引先に報告するもので、2003年以降に製造された国内向けの船舶用エンジンおよそ1900台のうち、1500台余りでデータの改ざんが行われていたとのこと。また、およそ800台で取引先との間で決められた値を満たしていなかったということです。

IHIもこの事案について開示を行っていますが、この中での子会社関係者に対するヒアリング調査に関する以下の記述は気になります。「燃費データを良く見せることや、データのばらつきを整えるために修正していた旨の証言があったほか、前任者から引き継いだとの証言があった」。

親会社のIHIは2004年、2007年に加え、2019年には航空機エンジン整備での検査不正が発覚し行政処分を受けています。これだけの機会がありながら、子会社にも不正がないか、チェックできなかったんですかね。

PHC ホールディングス株式会社 外部調査委員会を設置

PHC ホールディングスは12/25、「当社子会社(株)LSI メディエンスの不適切事案に係る外部調査委員会の設置に関するお知らせ」を公表しました。12/8には、第1報として「「当社子会社(株)LSI メディエンスの中央総合ラボラトリーにおける品質管理に係る不適切事案についてのお知らせとお詫び」を公表していました。

PHC ホールディングス

PHC ホールディングスは、1948年の大新鉱業設立をルーツとし、パナソニックから独立したヘルスケア機器メーカーの持株会社です。各種ヘルスケア機器・サービスの開発・製造販売。糖尿病ケアに強みをもつ東証プライム上場企業です。

不正の概要

同社の子会社である株式会社 LSI メディエンスの中央総合ラボラトリーで、免疫関係の検査 85 項目において、月次で測定機器の精度管理図を作成する際に、実測値と異なる数値を意図的に用い、不適切な精度管理図を作成していたことが判明したといいます。

「精度管理図」というのは注釈で説明されてるんですが、よく分かりません。臨床検査において、検査結果の品質を確保するためのツールのようなものみたいで、そのデータを意図的に書き換えていた。つまり、検査ツールの妥当性を意図的に都合の良いデータに置き換えていた、みたいなことだと思います。

いずれにせよ、まぁ、結果的に検査不正なわけです。12/8時点で検査データについて問題があったことは確認されておらず、また、本件に起因した健康被害の報告もないとのことですが、調査委員会でしっかり事実をあぶり出してください。

ダイハツ工業 品質不正問題がさらに拡大 全車種を生産停止に

ダイハツ工業が新車の安全性を確認する試験で、これまで6車種において不正をしていた問題。第三者委員会の調査で対象が大幅に拡大することが判明したようで、全車種の出荷を停止することが分かったと日本経済新聞が伝えました。

不正の概要

ダイハツ工業は軽自動車市場では3割のシェアを持ち、スズキと首位を争っている企業です。今年4月に最初の不正が内部通報で発覚。当初4車種としていたものの、その後5月には計6車種での不正が明らかになっていました。

当初発覚していたのは、側面衝突時の安全性を確認する試験の認証手続きにおける不正でしたが、どうやら排ガスなど環境面に関するデータの改ざんもあることが分かったもよう。ダイハツが生産する多くの車種に不正があったため、全車種の生産・出荷を停止することになりました。

海外で生産している4車種で始まったこの事案、その後国内にも飛び火し、とうとう全車種で、、、みたいな話になってきました。調査委員会の調査に対して、アンケートや通報窓口に対して従業員からいろいろと問題意識が寄せられたんでしょうね。

トヨタが開示した

2016年にトヨタの完全子会社になっていますから、その後従業員には相応のストレスがかかっていたんじゃないかと推測します。これを書いている最中に珍しくトヨタが開示しました。新たに25の試験項目において、174個の不正行為があったことが判明。64車種・3エンジンだそうです。

しかしまぁ、これだけの車種に拡大するというのはさすがに致命傷か。日野自動車のようになってきました。