住友ゴム工業 調査委員会の調査結果

住友ゴム工業は11/9、「品質管理に係る不適切事案に関する調査委員会の調査結果と今後の対応について」を公表しました。加古川工場での防舷材検査と、南アフリカ子会社でのタイヤ生産における検査の不正に関する調査です。調査期間は約3ヶ月でした。

加古川工場 防舷材検査

別件の不適切事案を機に、全社一斉に不適切事案の点検を行ったところ、ハイブリッド事業部の担当者から、「以前から防舷材の検査データを改ざんして出荷してきた」という申告があったことで発覚したようです。この検査不正は30数年以上前から連綿と行われ続けてきていたといいます。

合格基準に達しなかった製品の一部について、検査データを改ざんした上で出荷。定められた試験方法を拡大解釈し、独自の試験方法によって合格させた製品を出荷。といったことが行われていたとのこと。

南アフリカ子会社 乗用車用タイヤ

検査規格について、顧客の承認を得ず、住友ゴム工業の承認を得ることもなく、現場の判断で変更(緩和)していた。製品のスペックの一部について、正規の変更手続(住友ゴム工業の承認)を経ず、顧客に対する事前説明も行わないまま、現場の判断で変更していた。

不正の概要は以上のような感じです。南アフリカ子会社での不正なんですが、この不正、日本人の首席駐在員の指示により行われていたようです。この方、住友ゴム工業本体の役員も務められた優秀な方なんだけど、中国駐在時に不祥事報告義務違反及び従業員へのハラスメントで降格処分を受けてます。

住友ゴムとしては、この方を生産技術の面では卓越した能力を有すると評価し、再起させるべく南アフリカ子会社に派遣したということです。見事に裏切られた格好ですね。不祥事やハラスメント、従業員はともかく、役員は復活させるべきではありません。