バリュークリエーション株式会社 KDDI子会社による架空取引に関与か

バリュークリエーション株式会社(東証グロース上場)は2/20、「当社の主要取引先(ジー・プラン)との取引の状況について」ほかにもう1本を開示しました。どうやら、KDDI子会社における2460億円にのぼる架空循環取引に関与していたようです。

「A広告代理店→ジー・プラン→ビッグローブ→B広告代理店」という商流で行われていた架空取引。そのうちのA社かB社がバリュークリエーションのようです。そして残るもう1社が「株式会社LLL(非上場会社)」という会社なのかな?バリュークリエーションは否定的に説明しているけど。

A社からジー・プランへの支払いが滞ったことからこの架空取引が発覚したようで、現時点ではビッグローブに兼務出向するジー・プランの社員2人が主導していたとみられています。直近ではこの商流で月に数百億円の資金が流れていたとか。

この規模だと、現時点で把握されている2460億円の架空取引(売上高2460億円、営業益500億円、外部流出330億円)について、この商流の取引だけで説明できそうです。しかしまぁ、8年にわたっているとはいえ、この金額の不正取引が把握・認識できなかったとは・・・。

KDDI 連結子会社(ビッグローブ、ジー・プラン)で2460億円の架空取引

KDDIは2/6、傘下企業の広告代理事業で不適切な取引の疑いがあった問題で、2026年3月期までに、連結営業利益のうち330億円が架空循環取引により外部流出した(取引金額は2460億円)と発表しました。同日予定していた決算発表は、調査を終える26年3月末まで延期となっています。

ネット広告の代理事業を手掛け、それぞれ通常の業務では、代理店をつなぐ広告枠の仲介ビジネスで収益を得ているビッグローブ、ジー・プラン。ここまでの調査で判明したのは、「A広告代理店→ジー・プラン→ビッグローブ→B広告代理店」の経路で行われる架空循環取引。

取引が上記の通り循環したように見せかけて、実際には実体がなく、A社・B社のところで金だけが抜かれています。なんとこの手口で流出したのが現時点で330億円。まだ調査委員会が調査を継続しており、被害額はあくまで現時点での認識。こうした不正が行われた期間についてもまだ開示されていません。

当ブログでは、数年前にネットワンシステムズで起きた架空取循環引を取り上げました。かなり複雑な商流をでっち上げてましたが、KDDIのケースはかなりシンプル。いや、まだこれからいろいろ出てくるのかもしれないけど。

サカタインクス 子会社阪田産業でやはり架空循環取引

2/14付けで、「当社連結子会社の不適切な取引に伴う特別損失(貸倒引当金繰入額)の計上に関するお知らせ」を公表していたサカタインクス。あれで終わらせてしまうのかと思っていましたが、3/10、「当社連結子会社における不適切な取引について」を公表しました。

事案の概要

やはり架空循環取引でした。阪田産業の機材関係の特定の取引先に対して、仕入も売上も実体のない、数社(と思われる)を相手とする架空循環取引が行われており、同取引に元社員Aが深く関与していたということです。深く関与というよりはこの元社員Aが主犯ですね。

なお、社内調査の結果、この架空循環取引と類似の不適切な取引が行われた事実は認められなかったとのこと。また、元社員A以外の阪田産業の他の役職員による組織的な関与も認められなかったとしています。ん~、ホントかね。

坂田産業においては、この元社員Aを懲戒解雇に、取締役社長が辞任。直属の上司(営業部長)は減給処分としたとのこと。親会社のサカタインクスにおいては、代表取締役 社長執行役員について、月額報酬の20%を減額(1ヵ月)という処分になっています。

なんとも雑だなぁ

調査結果の概要も別紙として公表しているんですが、3ページという代物。詳細はよく分かりませんが、元社員Aと子会社社長を切って、とにかく早く終わらせたいって感じに見えてしまうんですよね。

10年にわたって行われてきた架空循環取引の額、結構な金額ですよ。直近3期はいずれも15億円前後の架空の売上がたっています。再発防止策とかも書かれてるには書かれてるんですが、全体的にどうにも対応が雑過ぎるような・・・。

サカタインクス 子会社阪田産業で架空売上

サカタインクスは2/14、「当社連結子会社の不適切な取引に伴う特別損失(貸倒引当金繰入額)の計上に関するお知らせ」を公表しました。不適切な取引判明時の開示はなく、いきなり当該不適切な取引に伴う損失の会計処理に関するお知らせです。

サカタインクス

サカタインクスは大手総合インキメーカー。新聞・オフセット・フレキソ・グラビア・メタルインキなど各種印刷インキを核に、印刷製版用材料や印刷製版関連機器、機能性材料(インクジェットインキ、トナー、カラーフィルター用顔料分散液など)にも展開しています。国内では東洋インキSCホールディングス、DICに次ぐ第3位の企業みたいですね。

不適切取引の概要

開示では、「2021年12月期において当社連結子会社の一部の取引に関し、その実在性を確認できない不適切な取引」が判明したとしています。この件が判明した時期は明示されていないんですが、少なくとも昨年12/28には外部専門家を含む調査委員会を設置して、調査を開始したということです。この時点では一切開示せず、、、です。

舞台となったのは連結子会社の坂田産業。「阪田産業が過去において行っていた販売先及び当該販売先と関係のある別会社との一連の取引の一部については、その実在性を確認できないため、対象商品が存在しない取引であった可能性が極めて高い」と判断したようです。

持って回った言い方ですが、要は「架空売上」や「架空取引」の類ですね。未回収債権5億6千5百万円の全額に対して貸倒引当金繰入額を特別損失に計上したとのこと。かなりデカい金額ですね。

この事件、今回のこの開示だけで済ませてしまうんでしょうか。

株式会社ヤギ(7460) 決算発表を延期

同社福井支店における原料販売ビジネスの一部に、不適切な取引が2014年頃から行われていた疑義が判明し、外部専門家を含む社内調査委員会を設置していた株式会社ヤギ。約1か月経過後の5/10、「2021年3月期決算発表の延期に関するお知らせ」を公表しました。

不適切な取引の概要

第一報ではまったくもって不適切な取引の内容が分かりませんでしたが、今回の開示では少しだけ同取引の概要に触れています。以下、開示文書からの引用です。

「当社が加工に関わらない仕入販売取引において、原糸であるにもかかわらず加工糸に偽装された商品の取引(加工糸偽装取引)」及び「仕入品に対し当社が加工を委託するが、加工実態がないにもかかわらず加工完了として偽装されたため、加工糸として販売した取引(架空加工取引)」があったということらしいです。

ん~。業界の基礎知識がないのでよく分かりません。付加価値を乗せた加工糸として販売した先はなぜ(原紙よりも)高い価格で買い取るんでしょうね。販売マージンだとか取りき奨励金みたいなおまけを付けるんでしょうかね。

「架空加工取引」と表現されているので、架空取引という商流に、一応原糸というブツが流通する取引なんでしょうか。すみません、kuniには全く分かりません。やはり調査結果を待つしかなさそうです。

決算発表延期

同社では引き続き本件調査を実施し、全容の解明、連結財務諸表(ならびに同社財務諸表)への影響の検討、原因分析を進めていくとしています。延期後の決算発表日についてはまだ公表していません。

ちなみに、ヤギが決算発表の延期を公表したこの日、他にも片倉コープアグリ、日本アビオニクス、ダントーホールディングスの3社が決算発表の延期を公表しています。いずれも新型コロナの影響によるものです。