福山通運、日曜の配達停止

9/21 日本経済新聞 「福山通運は10月から順次、日曜日の企業向け荷物の配達を取りやめる。トラック運転手が休みやすい環境をつくり、人手確保につなげる。総務省も郵便物の配達を平日のみとする検討に入るなど、働き方改革の動きが広がってきた。人手不足は業種を超えて深刻さを増しており、同様の動きが他の業界にも広がる可能性がある。」(記事より引用)

働かせ方改革、顧客第一主義の修正という文脈で

記事では働き方改革の動きとして捉えてますが、顧客第一主義の見直し(または従業員第一主義)という文脈で書いてほしかったですね。当ブログではこの視点で何度か問題を指摘してきました。

日本には本来必要なかった「顧客第一主義」の推進により、何より従業員が追い込まれ、悲惨な状況に陥ってきていること。もっと従業員を幸せにしてやらないと、顧客への高いサービス提供を維持することが困難なこと。それでも顧客第一を掲げたいなら、会社としてこれ以上は従業員に求めない、ということを顧客に対してしっかり伝えていくこと。

まさに福山通運のこの判断は、従業員を顧客から守る政策なんだと思います。

有効求人倍率は7月に2.86倍

厚生労働省によると、トラック運転手を含む「自動車運転の職業」の有効求人倍率は7月に2.86倍で、職種全体の1.47倍を大きく上回っているらしいです。この事実から何を読み取るべきか。

顧客対応をしてもらう従業員を採用する、もしくは配置する場合、その従業員に顧客対応させて大丈夫か、当社の信用を傷つけてしまうような不適切な応対をしないだろうか。企業は必ずそこを考えるはずです。求人倍率が全体の2倍になっているという現場では、採用や配置に際して、人の見極めが甘くなっていくのはやむをえません。この時点で既に、顧客へのサービスの品質は劣化し始めているのではないでしょうか。

そんなことになるくらいなら、企業としてサービスの範囲を限定することで、従業員に求める顧客第一の範囲を明確にしてあげる。これが第一歩だと思います。

今回の福山通運や郵便局のこうした動き、まだまだ影響範囲は限定的ですが、このような対応を見せる企業には、必ず質の高い労働力が向かうはずです。また、これをきっかけにして、業界としてさらに踏み込んだ対応に展開していけるのではないでしょうか。

企業経営に携わるみなさん、従業員をもっと大切にしてやってください。