安倍首相 通算在職日数 最長を更新?

8/24 日本経済新聞に、「安倍首相の通算在職日数が2798日と、佐藤栄作氏に並んだ」との記事がありました。このままいくと11月には憲政史上最も長かった桂太郎氏を抜いて1位になるとも。また、連続在職日数でも1年後には歴代トップになるそうです。

通算在職日数TOP5

このまま安倍首相が通算在職日数1位になるとして、5位までの顔ぶれは、2位は桂太郎氏、3位が佐藤栄作氏、4位が伊藤博文氏、5位が吉田茂氏となります。ちなみにここまでが2600日以上です。6位には小泉純一郎氏が入るんですが、1980日と上位5人からは大きく引き離されます。

なんでkuniが珍しく政治のネタを書いているかというと、この5傑のうち吉田茂氏を除く4人がkuniと出身地が同じ山口県出身の政治家なんですね。スゴイでしょ、これ。別にkuniがスゴイわけではありませんが。それでもやっぱり同県人として、誇らしいものです。

山口県からは初代首相の伊藤博文をはじめ、8人の宰相が出ています。山形有朋、桂太郎、寺内正毅、田中義一、岸信介、佐藤栄作、安倍晋三の8人です。ちなみに歴代首相の出身地で最も多いのが山口県で、2位が岩手県、東京都でいずれも4人です。

連続在職日数

通算ではなく連続在職日数でも安倍さんが2432日、1位の佐藤栄作氏が2798日ということで、来年にはこれを抜くだろうというわけです。安倍氏が最初に首相に就任したのは2006年でしたが、体調の不良などで第一次安倍政権は1年で終わっています。その後2012年に復活していますので、連続在職という数字が別途あってややこしくなってます。

ちなみに安倍晋三首相が、自民党総裁としての任期(2021年9月末)まで首相を務めたとすると、通算在職日数は3567日になるそうです。4期目を求める声もあるようですが、どうでしょう。ここまできたら、狙うのは大叔父の佐藤栄作氏が受けたノーベル平和賞くらいですかね。対イラン、、、力が入ります。

日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)

8/24 日本経済新聞の記事「軍事協定破棄、利は中朝ロに 日米と韓の安保観ズレ」で、日韓の安全保障に関する立ち位置の変化について気になる書きぶりがありました。kuniの専門ではないので、読み落としてたかもしれませんが、初めて見た気がします。

中国、ロシアに取り込まれる朝鮮半島

この記事の中で、米国政府筋の情報として書かれていたのが次のお話。「米側が恐れるのは米軍のオペレーションへの具体的な影響よりも、韓国の外交戦略が日米から離れ続け、中朝側に傾いてしまうことだ。中朝ロがさらに強気な行動に出かねないうえ、長期的にみると、朝鮮半島が中国の勢力圏に染まってしまう危険がある」。

日本政府が韓国向けの輸出管理を厳しくすると公表したことや、ホワイト国からの除外を示唆した時点で、kuni的にはこれらが日本が独自に決定したこととはとても思えませんでした。この時点で相応の大きな変化(韓国が北朝鮮、中国に取り込まれる)に対応するための合理的な政策として、日米の間で合意ができているんじゃないかと感じたわけです。

38度線から日本海へ

中国・ロシア・北朝鮮と、日本・米国の両陣営にとっての軍事境界線みたいなものは、いわゆる38度線です。北朝鮮と韓国の国境ですね。これが「韓国が北側に取り込まれて、境界線というか防衛ラインが日本海になる」ことを前提とした政策決定、、、という気がしたわけです。

これまではあくまで日韓のもめ事のように見えていましたが、韓国による日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄は、南北融和や対中関係を優先し、米国に対して一定の距離を置くことを宣言したようなものです。

今後、南北融和が本当に進むのか、文在寅政権に対する支持率がどうなるのか、米国が在韓駐留軍を撤収するのか、などなど、目が離せないところです。kuni個人としては文在寅政権が倒れるのが先のような気がしますが。

統合政府論

昨日の記事では、最後に統合政府論を紹介しました。お勧めした本の著者も、この統合政府論を支持していると思われます。もっとも、本の中で「統合政府」という言葉は使用されてませんが。今日の記事ではこの統合政府論について書いてみます。

統合政府論とは、「日本銀行は政府の子会社とみなせるため、日本銀行が買い入れた国債は政府の負債と相殺されるのだから、日本の財政再建は着実に進んでいる」という考え方です。統合政府論については肯定派と否定派真っ二つで、今のところ決着がついていないという感じです。

いったん「」内の定義は否定派の一人、白井さゆり氏(元日銀審議委員)の表現を引用させてもらいました。また、この後紹介する、政府債務額と日銀国債保有額は白井氏が書いている本で使われているデータをそのまま使用しています。

現在、日本政府は約1000兆円の債務を抱えています。つまり長期国債が1000兆円発行されているということです。一方で日銀は金融緩和政策の一環で約400兆円の長期国債を買い入れてきました。つまり、約400兆円の国債が資産に計上されているということです。

ここで、日本政府のバランスシートと日銀のバランスシートを連結すると、政府債務の400兆円は日銀資産の400兆円と相殺されてしまい、政府の債務は差し引き600兆円になるという考え方です。しかも、今後国債を買い入れていくと、もっと政府の債務は減少していくことになります。

「日本の財政再建は日銀による異次元緩和の継続により、すでに完了していて、財務省だけがそれを隠して消費増税をしようとしている」とするのが、昨日紹介した「官僚と新聞・テレビが伝えないじつは完全復活している日本経済」の著者、上念氏の見解。これに対して統合政府論を元日銀審議委員として否定する白井氏。お互いの主張を読み比べるとなかなか面白いですよ。白井氏の著書は「東京五輪後の日本経済」です。

2018年10月の IMF 国際通貨基金 財政モニター

昨年10月に公表されたIMFの財政モニターでは、統合政府とほぼ同じ概念の公的部門のバランスシートが示されていて、国の財政についても企業のバランスシートと同じ見方をしています。これまで国のことになると債務にばかり目が行ってましたが、資産側もしっかり見ることを推奨しているように思えます。

企業のバランスシートを見るとき、その会社の資産の額を抜きに、ただ負債が大きいことを危険視することはあり得ません。国の財政についても同じ見方の方がしっくりします。IMFの立ち位置の変化も踏まえ、kuni個人としては統合政府論を支持したいと思います。

書き忘れていましたが、元祖統合政府論を唱えられたのは、高橋洋一氏だと思います。それから、最後に、上念氏も、白井氏も同じようにIMFの見立てを紹介し、自身の見解の正当性を訴えてらっしゃるんですよね。にもかかわらず、正反対の見解になってしまうというのも面白いです。

国家間の対立と移民問題

なんとも壮大なタイトルで書き始めてしまいました。このところの世の中見ていて、米中貿易戦争や北朝鮮、英国のEU離脱など、そこらじゅうで国家間の対立が目立ってきました。日本でも韓国との間でレーダー波照射事件やら国際捕鯨委員会からの脱退などありましたね。これらの動向を金融市場も無視できなくなってきました。

ポピュリズム→ナショナリズム

これらの背景には世界的なポピュリズムの拡大があると言われています。ポピュリズム(大衆迎合)がナショナリズムに変化していってるような気がします。20世紀の大戦へとつながっていった状況と似てきたなぁ、と心配しています。

北朝鮮や中国にはこうした流れとは違って、国家の運営思想の中にナショナリズムが元々組み込まれています。悪いのは全て他国であるという意識が国家の存立基盤であったわけですが、西側諸国も同じ発想、同じ意識になりつつあるように見えます。最初にこうした方向へ大きく踏み出したのがトランプ氏でしょうね。ビジネスマンとしては決して嫌いなタイプではないんですが。

他国を悪者にして国民からの信頼を得る。ポピュリズムをナショナリズムに結び付け、絶大な人気をもってしまったトランプ大統領。ドイツが世界征服を目指した時代のヒトラーとよく似てきました。

このまま突き進んでいく先には戦争が、、、と心配なるわけですが、現代にあのころのような兵士が殺しあう戦争はないんでしょうね。お互いに失うものが大きすぎます。今の時代は、貿易戦争や、バイオ兵器、サイバー攻撃といった方法で、他国の資産を手に入れようとします。これ、立派な戦争です。

移民問題との関係

トランプ大統領はメキシコとの国境に壁を作ろうとしています。アメリカ第一主義のもとで不法移民の流入阻止も彼の政策の柱となっています。そして、その壁建設の予算計上(50億ドルだそうです)をめぐり、政府機関の一部が閉鎖状態となってますよね。

移民問題はヨーロッパでも深刻です。こちらは難民問題と呼ばれることが多いような気がしますが、本質は同じです。トランプ氏が会見で「欧州は移民に乗っ取られようとしている。EUは気を付けなければならない」とか、「移民によって欧州は伝統的な文化を失いつつある」などと発言していました。

「伝統的な文化を失いつつある」、、、この言葉は重いです。英国のEU離脱の問題も、もとはと言えば移民問題から始まったことですし、伝統的な文化を維持するためには、移民は排除せざるを得ないんでしょうか。

国家間の対立、ナショナリズム、、、移民問題が根底にありそうです。というか、移民問題がトリガーになっているように見えます。そして日本もついに実質的な移民受け入れにかじを切りました。どうなるんでしょう。kuniとしては、労働人口の減少を移民に頼るのではなく、テクノロジーで解決していくべきだと思っています。