元社員が投資詐欺を働き、現社員に顧客を紹介させていた事件があったばかりの野村證券。ほぼ同じような構図で今度は法人顧客275社の情報を漏洩させました。野村證券から日本インスティテューショナル証券に転職した社員が、元部下だった現野村社員に働きかけ不正に情報を入手していたということです。
両社の開示
野村のプレスリリースによると、漏洩した情報はETF等の取引内容や、同社とのやり取りに関する情報の一部など、金融機関を中心とした275社の法人のお客様の情報、、、だそうです。
日本インスティテューショナル証券のプレスリリースによると、昨年10月に同社に入社した営業部長が、前勤務先である野村證券の社員に働きかけ、今年1月から7月までの間に複数回にわたり、野村証券の顧客情報を入手した、、、としています。
また、この顧客情報については、当該営業部長が同社営業部の部下2名に開示したことが判明しているが、この3名を除く第三者に顧客情報が流出した事実はないとしています。ホント?
日本インスティテューショナル証券
この会社、日興アセットマネジメントの子会社として2018年に設立されてます。第一種金融商品取引業の登録になってますね。日本証券業協会に提出された2020年3月期の事業報告書(当期の業務概要)には以下のようなことが書かれていました。
「営業専担者3名により往訪、架電等、親会社の日興アセットマネジメント株式会社の機関投資家事業本部との連携による積極的な営業活動を展開しております。」
役員及び使用人の状況を読むと、外務員は3人となっていますから、営業専担者3名と一致します。そして今回、顧客情報を不正に入手し共有したのもこの3人。この営業部が野村の顧客情報に基づき、積極的に営業活動していたわけです。
連携していた日興アセットマネジメントには、顧客情報が共有されていたと考えるのが普通だと思いますが、、、。