西華産業 従業員の不正行為 (その4)ー 調査委員会調査結果

西華産業は5/21、「当社連結子会社元社員による不正行為に係る社内調査結果等に関するお知らせ」を公表しました。が、調査委員会の調査報告書は非開示のようです。調査結果をもとに、同社がまとめた文書だけですね。ん~、やっぱりそういうことですか。

不正行為の概要

従業員による金銭騙取事件が起きたのは、連結子会社である日本ダイヤバルブ株式会社でした。同従業員が管理を担当する外注工事を対象に、外注先からの請求金額を不正に増額し、かつ、支払先銀行預金口座を自身の支配する口座に変更する等した偽造請求書を用いて、不正増額分を領取し、同子会社に損害を与えました。

この不正行為は2008年3月から2019年3月にかけて行われ、その被害金額は3億3,200万円に上るものであることが判明したそうです。調査報告書が公開されていないため、各期ごとの被害金額や決算への影響は分かりません。

親会社としての対応

この事件、第1報は昨年末でした。当時、「約1億円に及ぶ金銭騙取の事実が確認された」という話でしたが、被害額は3億円超に。おまけに金銭騙取の行為期間は11年間にもなります。これだけの規模の不正を見抜けず、放置してきた経営って何なんでしょう。

関係者の処分の欄に、「子会社及び当社の関係役員から報酬の一部につき自主返納の申し出がありました」と説明されています。関係者の処分、これでお終いなんですかね。金額も公表されていませんし、なんともスッキリしません。

再発防止策や今後の対応についても、具体性がありません。意図してそうしているみたい。親会社は子会社経営陣をきっちり締めていきます。子会社経営陣は従業員をきっちり締めていきます。やっぱり痛むのは末端の従業員だけ。そんなふうに読めてしまうのはkuniだけでしょうか。

OKM(6229) 従業員の不正行為 調査委員会を設置

OKMは4/30、「調査委員会設置に関するお知らせ」を公表しました。中国の連結子会社で一部営業部員が関与している不明朗な取引があることが判明したといいます。この取引に関し、事実関係解明のため調査委員会を設置したということです。

OKM

OKMは滋賀県野洲市に本社を置く、バタフライバルブを中心とした流体制御機器の製造・販売を手掛ける企業です。創業1902年と、かなり歴史のある企業ですが、東証2部への上場は昨年12月です。上場早々の試練ということになりましたね。

不明朗な取引

舞台となったのは連結子会社である蘇州奥村閥門有限公司。例によって中国の子会社ですね。発覚の端緒となったのは外部からの通報です。「同社の営業部門に所属する中国籍営業部員1名が関与する不明朗な取引があることが発覚」しました。

同営業部員が、実態のないコンサルティング契約に伴う費用の支払い等をしていた可能性があることが判明しているとのこと。難しい表現ですねぇ。実体のない契約に伴う費用を同社に支払わせていたということでしょうか。しかし、これって一営業員だけでできることなんだろうか。

費用の支払いに係る決裁権限を持つ者の関与等も、当然疑われるところです。以前、中国の子会社で、現地従業員が自分の親族が経営する会社に会社の金を不正に支出させていた、ってのがありましたね。今回もそんな類でしょうか。

業績への影響は現時点で、2,500万円程度と見込んでいて、本件によるOKM連結業績への影響は軽微と考えているそうです。また、2021年3月期の決算発表を5/14に予定しているようですが、これも延期せざるを得ないでしょうね。近く延期のお知らせが出るでしょう。

ショーエイコーポレーション 従業員の不正行為 外部調査委員会を設置

ショーエイコーポレーションは4/30、「外部調査委員会設置及び決算発表予定日の延期についてのお知らせ」を公表しました。同社営業部門の従業員の関与が疑われる、不適切な取引が発覚したとのこと。外部調査委員会を設置して調査を進めるということです。

ショーエイコーポレーション

ショーエイコーポレーションは東証一部上場、プラスチックフィルムを主材料とした包装資材を企画、製造、販売しています。主力製品のヘッダー付吊り下げ袋「ネオパック」は業界トップシェアだそうです。百均やスーパーとかでみる、陳列棚に掛けられたフックに吊り下げ可能な袋のことみたいです(ちょっと自信ないけど)。

発覚した不正行為

例によって第一報かつ調査委員会設置の段階ですので、詳細は不明です。この事案、2021年3月期決算作業を進めていた際に、不適切な取引ではないかとの疑いを認識したとのこと。

開示文によると、「当該従業員が関与した疑いのある、モノの手配や製作並びにプロモーション等のサービスを伴っていない取引であることが発覚した」と説明されています。また架空取引ですかぁ。

判明している範囲での本件取引の期間は2015年3月から2021年3月であり、会計期間毎の影響額は売上高 約1億円から約4億円、営業利益 約15百万円から約56百万円に及ぶとのこと。

「会計期間毎の」とありますから、売上高で1期平均2億円だとすると、掛けること7期分で14億円ということになるんですかね。平均3億円なら20億円を超えてきます。こういう表現の仕方珍しいですが、トータルでの不正金額、かなり大きくなりそうです。

決算発表

同社では、外部調査委員会の調査終了を6月中旬と見込んでおり、そのため、5/10に予定していた2021年3月期の決算発表も、6月中旬以降になる予定としています。ゴールデンウィークもあり、調査期間は実質的には1ヶ月ちょっとしかありません。間に合うんでしょうか。

NISSHA 元従業員に懲役2年

勤務先の会社の技術情報を不正に持ち出したとして、「NISSHA」の元社員の男が不正競争防止法違反の罪に問われた裁判で、京都地方裁判所は3/17、懲役2年、罰金200万円(求刑懲役3年、罰金300万円)の実刑判決を言い渡しました。

事件の概要

年初、ソフトバンクの高速大容量規格(5G)に関する情報を持ち出したとして、同社から楽天モバイルに転職した男が不正競争防止法違反容疑で警視庁に逮捕されました。いわゆる営業秘密の持ち出しですね。

今日取り上げるのはNISSHAの従業員。NISSHAは昔の日本写真印刷です。スマートフォンなどに用いられる同社のタッチセンサー技術の情報を、転職先の中国企業で使用する目的で、この元従業員が不正に持ち出しました。技術部門の管理職だったようです。

会社の内部調査で情報の持ち出しが発覚し、中国から一時帰国していたところを逮捕されています。犯行は2017年、逮捕が2019年6月のことです。冒頭に書いたように、実刑判決です。執行猶予がありません。そういう時代になってきたと。

退職者

この判決が出た2週間後の3/31には、大阪地検が、不正競争防止法違反罪で大阪市淀川区の男性元従業員を在宅起訴していました。積水化学工業のスマートフォン関連技術が中国企業に漏洩した事件ですね。

情報処理推進機構(IPA)が3月に発表した企業の営業秘密の管理に関する調査によると、秘密漏洩の原因は退職者による持ち出しが36.3%で最多となっていました。テレワークは当たり前になり、希望退職者の募集の話題も絶えません。営業秘密に関する情報管理は今後、ますます難しくなりそうです。

ホーチキ(6745) 従業員の不正行為

火災報知機メーカーのホーチキは3/24、「お詫びとお知らせ 弊社元従業員による不正行為について」を公表しました。ただしこの公表は同社のホームページで掲載したのみで、TDnetでの開示は行っていません。

不正行為の概要

2015年から2019年にかけて、神奈川県でこの従業員が担当した消防用設備等の設置工事(5物件、8工事)において、消防当局に提出すべき設置届が提出されず、消防検査が未受験のままにされていたそうです(うち1物件1工事は着工届も未提出)。

また、これらのうち2物件2工事において、同従業員は検収を行うため、印影を複製するなどして消防当局受付済みとした設置届の控えを作成し、顧客に提出していたとのこと。ただし、5物件とも定期的に行われる法令点検で設備の正常動作が確認されているとのこと。

消防検査を受けるのを回避するために不正行為を?その後の法令点検で正常なんだったら、消防検査も怖くないだろうに、、、。と、思うのですが。消防検査を受けるには時間がかかるので設置工事完了を急ぐために不正を?

公表されている「お詫びとお知らせ」ではその辺りが全く分かりません。で、従業員は既に懲戒解雇されています。例によってトカゲの尻尾切りです。

業績予想の上方修正

消防検査がどれほど重要なもので、それをすっ飛ばした従業員の行為の目的、原因は何だったのか。全然伝わってこない。とにかく雑な開示です。読んでいて従業員の悪質さよりも、この不祥事発生に関するホーチキの対応のまずさばかりが目立ってしまいます。

ホームページで「お詫びとお知らせ」をこっそり掲載した翌日の3/25、TDnetで「連結業績予想の修正に関するお知らせ」を開示しているんですね。連結業績予想の上方修正という誇らしいメッセージを汚したくなかったのか、、、と考えてしまいます。