OKM(6229) 従業員の不正行為 調査委員会調査報告書を公表

中国の連結子会社で、一部営業部員が関与している不明朗な取引があることが判明したとして、調査委員会を設置していたOKM。6/15に調査を終了。調査報告書を開示しました。

OKM

いきなり脱線するんですが、OKMという会社、日本では「株式会社オーケーエム」なんですが、英語社名は「OKUMURA ENGINEERING corp.」なんですね。確かに会長さんが奥村さんだし、副社長にも奥村さん(ご子息かな)がいらっしゃいます。なんで日米で違いを?

調査結果

話を戻して調査委員会の調査報告書です。結論からいうと、「中国子会社の当該営業部員による就業規則違反に関する事実は認められたものの、法令違反と断定できる事実は認められませんでした。」だそうです。最近このパターン多いですね。

「しかしながら、調査の結果、中国子会社の営業部門における経費使用に関して実態を伴わないと疑われる事象やコンプライアンス体制の不備等、当社グループの内部管理体制に不十分な点があったとの指摘がされております。」ということで、これもよく見るパターン。

まぁ、不正がなかったわけですから良かったんですけどね。そういえば前回当ブログで取り上げた際、「現地従業員が自分の親族が経営する会社に会社の金を不正に支出させていた」という事例を紹介しましたが、今回の調査でも似たような状況があったようです。

中国って親族の結束が強いイメージがありますが、現地従業員が親族とつるんで悪さ、というのはいただけません。中国に進出している企業は要注意ですね。

結果的に大事には至りませんでしたが、この件で決算発表が遅延しました。このことを重く受け止め、経営責任を明確にするため、代表取締役社長と海外子会社を管掌していた取締役専務執行役員が役員報酬を一部自主返納するそうです。

ネットワンシステムズ 元従業員2名が警視庁に逮捕

ネットワンシステムズは6/7、「当社元従業員の逮捕について」を公表しました。当ブログでも散々取り上げてきた従業員の不正取引。2名がそれぞれ警視庁に逮捕されています。この件は同日の日本経済新聞の朝刊で取り上げられていました。ネットワンの公表はこれより遅れて10:30でした。

日経の記事

日経によると、事業と無関係な業務の外注費約2億円を支払わせたとして、警視庁捜査2課は6日、元社員のS容疑者(50)を背任の疑いで逮捕しました。また、同社に対する詐欺罪で起訴されていた元社員、M被告(42)が約4億7千万円を詐取した疑いも新たに判明し、M被告を詐欺容疑で再逮捕したとのこと。

同じ会社で二人の犯罪者が出てしまうのもビックリですが、職場まで同じ人たちですからね、この二人。S容疑者は「(会社のために)リスク費を積み立てていた」などと、自らの利得を否定する趣旨の供述をしているそうで、M容疑者は容疑について黙秘しているんだとか。

彼らがどんなことをしてきたかの詳細についてはもう書きません。過去記事をご覧になっていただければと思います。「ネットワン」で検索していただけば、沢山出てくると思います。

日経の記事では、「M容疑者が20年に公表された不正経理にも関与していたとみて捜査を進めている。」となっていましたから、例の架空循環取引に関してはまだ捜査中ということのようです。

架空循環取引

調査報告書やこの取引に加担した各企業が、揃って「ネットワンに巻き込まれただけ」としていたわけですが、ここにも警察が。本当にみんな被害者だったのか、警察はどういう結論を出すんでしょうかね。東芝ITサービス、日鉄ソリューションズ、富士電機ITソリューション、みずほ東芝リース、ダイワボウ情報システムなどなど、もう捜査の手は及んでるんでしょうか。

建設技術研究所 従業員の不正行為

建設技術研究所は5/28、「当社社員の不正行為について」を公表しました。同社東京本社の社員が、その担当する業務の一部を外部へ発注し、自らに還流させた不正取引で、別の社員からの相談を端緒とする調査により発見されたといいます。

不正の概要

「自らに還流させた」とのことですから、いわゆるキックバックのようですね。「これまでの調査で不正は2015年の年末から昨年まで続いており、その額は118百万円にのぼることを確認しております。」と説明されています。

お知らせの文章では、上記のように「その額」と表現されているんですが、これが不正に発注した金額のことを指しているのか、自らに還流させた金額を指しているのか、ビミョーです。場合によっては架空取引の発注ということもありですかね。その場合は発注金額=還流金額ということもありえそうです。

同社の対応

社内調査でここまでの結果を得ており、このあと特別調査委員会で引き継ぐようです。外部への発注行為自体には複数の社員も関与しているとのこと。類似案件の有無等の調査を行う予定だそうです。

不正行為を行った社員を懲戒解雇とする手続きを進めているということで、つまりまだ解雇されていません。なので「元社員」という扱いにせず、「社員の不正」と表現している辺り、好感が持てますね。全容が判明した時点で、取締役を含む社内関係者についても厳正な処分を行い公表する、、、としているところも。

冒頭に書いたように、「別の社員からの相談」が不正発見のきっかけになっているのも良いです。本来のレポートラインで不正等の耳の痛い情報が経営に上がってくる。内部通報も重要ですが、このレポートラインが機能しているというのが一番ですね。

西華産業 従業員の不正行為 (その4)ー 調査委員会調査結果

西華産業は5/21、「当社連結子会社元社員による不正行為に係る社内調査結果等に関するお知らせ」を公表しました。が、調査委員会の調査報告書は非開示のようです。調査結果をもとに、同社がまとめた文書だけですね。ん~、やっぱりそういうことですか。

不正行為の概要

従業員による金銭騙取事件が起きたのは、連結子会社である日本ダイヤバルブ株式会社でした。同従業員が管理を担当する外注工事を対象に、外注先からの請求金額を不正に増額し、かつ、支払先銀行預金口座を自身の支配する口座に変更する等した偽造請求書を用いて、不正増額分を領取し、同子会社に損害を与えました。

この不正行為は2008年3月から2019年3月にかけて行われ、その被害金額は3億3,200万円に上るものであることが判明したそうです。調査報告書が公開されていないため、各期ごとの被害金額や決算への影響は分かりません。

親会社としての対応

この事件、第1報は昨年末でした。当時、「約1億円に及ぶ金銭騙取の事実が確認された」という話でしたが、被害額は3億円超に。おまけに金銭騙取の行為期間は11年間にもなります。これだけの規模の不正を見抜けず、放置してきた経営って何なんでしょう。

関係者の処分の欄に、「子会社及び当社の関係役員から報酬の一部につき自主返納の申し出がありました」と説明されています。関係者の処分、これでお終いなんですかね。金額も公表されていませんし、なんともスッキリしません。

再発防止策や今後の対応についても、具体性がありません。意図してそうしているみたい。親会社は子会社経営陣をきっちり締めていきます。子会社経営陣は従業員をきっちり締めていきます。やっぱり痛むのは末端の従業員だけ。そんなふうに読めてしまうのはkuniだけでしょうか。

OKM(6229) 従業員の不正行為 調査委員会を設置

OKMは4/30、「調査委員会設置に関するお知らせ」を公表しました。中国の連結子会社で一部営業部員が関与している不明朗な取引があることが判明したといいます。この取引に関し、事実関係解明のため調査委員会を設置したということです。

OKM

OKMは滋賀県野洲市に本社を置く、バタフライバルブを中心とした流体制御機器の製造・販売を手掛ける企業です。創業1902年と、かなり歴史のある企業ですが、東証2部への上場は昨年12月です。上場早々の試練ということになりましたね。

不明朗な取引

舞台となったのは連結子会社である蘇州奥村閥門有限公司。例によって中国の子会社ですね。発覚の端緒となったのは外部からの通報です。「同社の営業部門に所属する中国籍営業部員1名が関与する不明朗な取引があることが発覚」しました。

同営業部員が、実態のないコンサルティング契約に伴う費用の支払い等をしていた可能性があることが判明しているとのこと。難しい表現ですねぇ。実体のない契約に伴う費用を同社に支払わせていたということでしょうか。しかし、これって一営業員だけでできることなんだろうか。

費用の支払いに係る決裁権限を持つ者の関与等も、当然疑われるところです。以前、中国の子会社で、現地従業員が自分の親族が経営する会社に会社の金を不正に支出させていた、ってのがありましたね。今回もそんな類でしょうか。

業績への影響は現時点で、2,500万円程度と見込んでいて、本件によるOKM連結業績への影響は軽微と考えているそうです。また、2021年3月期の決算発表を5/14に予定しているようですが、これも延期せざるを得ないでしょうね。近く延期のお知らせが出るでしょう。