株式会社And Doホールディングス 子会社ハウスドゥで 従業員の不正行為

And Doホールディングスは1/18、「当社子会社の元従業員の不正行為について」を公表しました。同社子会社の元従業員が不正競争防止法違反の容疑で愛知県警に逮捕されました、という内容です。その子会社はハウスドゥという会社みたいです。

And Doホールディングス

And Doホールディングスは、不動産売買仲介店舗「ハウスドゥ!」の全国フランチャイズ(FC)展開および直営店舗の運営を軸に、個人住宅のセールスアンドリースバック商品や、土地などの不動産売買を手掛ける東証1部上場企業です。

ハウスドゥが2019年に持株会社化して上場社名がAnd Doホールディングスになりましたが、子会社と言っているハウスドゥが実質的な中核企業のようですね。

事件の概要

元従業員が2021年1月に同社を退職するに際し、所属部門にて保管されていた同社情報を不正に持ち出したことが、退職後の社内調査により発覚。同社では、社内調査を実施するとともに、不正競争防止法違反で元従業員に対して刑事告訴を行ったそうです。

その後、元従業員に対し愛知県警による捜査が行われ、同社の管理する情報が元従業員によって不正に持ち出されていたことが判明したということです。

逮捕されたのは不動産販売大手「ハウスドゥ住宅販売」の元支店長。支店長を務めていた愛知県一宮市の店舗で、64件の顧客情報を3回にわたり、転職を予定していた不動産会社のパソコンにメールで無断送信した疑いだそうです。

流出したのは顧客の住所や職業、売買した不動産などの情報で、「転職後、成績を上げて期待に応えたかった」と供述しているそうです。

今回の元支店長逮捕については同社ホームページで公表したのみ。刑事告発の段階から終結まで、一切適時開示はされてないようです。これってどうなんだかね。

TOKAIホールディングス 従業員の不正行為 調査結果

子会社2社における従業員による不正行為について、顧問弁護士を委員長とする社内調査委員会を立ち上げ、不正行為について詳細な調査を行っていたTOKAIホールディングス。12/24、調査結果を公表しました。

株式会社ザ・トーカイ

行為者自身が受注した大型太陽光発電設備工事・空調設備工事において、TOKAIの下請業者に指示し、実体のない工事代を TOKAI に請求させ、自身の親族が代表を務める事業者を経由して不正な利益を得ていたといいます。この不正行為は、2014年2月から 2021年7月まで行われ、被害総額は173百万円となっています。

入社12年目から大型太陽光発電設備工事・空調設備工事を担当し、懲戒解雇時は管理職になっていたという行為者。太陽光発電設備工事に専門知識をもった行為者だったため、業務が属人化、牽制機能が働かなかったことが発生原因とされています。

東海ガス株式会社

東海ガスの従業員は、会計システムから出力される支払いデータの中に、行為者自身の銀行口座に対する振込データを追加し、送金することで不正な利益を得ていたというものでした。この不正行為も、2014年3月から2020年6月まで行われ、被害総額は368百万円となりました。

不正行為の動機

同時進行していた2件の不正行為。前者の動機については、「生活費・自家用車購入・遊興費等に使用するため、同様の不正行為を繰り返していた」と。そして後者についても、「ギャンブル(競馬)、FX 投資等に使用していたが、損失が嵩み同様な不正行為を繰り返していた」と説明されています。遊興費、ギャンブル、、、不正行為の動機、だいたいこれですね。

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大和証券 元従業員が顧客リストの窃盗容疑で逮捕

大和証券グループ本社は12/1、「当社元社員の逮捕について」を公表しました。適時開示をしていないため、気が付きませんでした。大和証券元社員(2019年7月退職)がお客様情報を社外へ不正に持ち出したとして、窃盗の容疑で福岡県警察に逮捕されています。

逮捕の容疑

2020年4月に同社姫路支店に、顧客リストを持っているとの連絡があり、情報流出が発覚したもの。同社では事態を公表するとともに警察へ被害届を提出、捜査に協力してきたといいます。12/1に1年半かかって窃盗の疑いで元従業員が逮捕されました。

大和証券福岡支店の顧客約170人分のリストを盗んだとして逮捕されたわけですが、他にも255人分の情報があるとのことで、合計426人分の顧客情報を持ち出していました。顧客リストには、氏名、性別、年齢、住所、電話番号、職業、口座番号、お預かり資産額、金融資産等が記載されているそうです。

同社によると、現在のところ、具体的な被害が発生しているという顧客からの申し出はないとのこと。しかし、金融機関でこれだけの情報が揃っているとねぇ。顧客にとってはたまったもんじゃありません。

再発防止策に、「印刷の制御、書類管理状況の点検強化、印刷履歴に関するシステムの高度化及び点検体制の強化」といったことが書かれているんですが、顧客管理システムにおける「印刷の制御」、すらできてなかったの?いまどき。って感じです。

ちなみにこの容疑者、逮捕された時の現住所は東京都港区六本木2丁目となっています。また、ずいぶんとド派手な場所に住んでますねぇ。容疑者は黙秘しているということですが、426人の顧客名簿でこんな派手な生活ができるとは思えませんし、、、他にも余罪があったりします?

元旦ビューティ工業 従業員の不正行為 調査報告書を公表

元旦ビューティ工業は11/15、「不正取引調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」を公表しました。8/23に同社元従業員による架空取引及び詐欺の疑いについて調査を開始。調査期間は約3ヶ月でしたね。

不正の概要

当初の開示同様、あくまでこの従業員一個人としての不正だったようです。盛岡営業所の営業所長という人物。2004年に中途入社後、2017年に同営業所で営業所長となり、不正が発覚するまでずっと同じ職場です。これ大きな発生原因の一つですね。

多額の個人的な借金をかかえていたようです。借金の一括返済を目論み、高額な当選金を謳った宝くじなどの購入に充てたいとの動機から、取引先に対して度重なる借金を重ねていたようです。

不正の手口は架空取引によるものと経費の付替。個人的な借り入れを架空取引により会社に支払わせる(返済する)などしていたようです。架空取引は取引先計5社との間で1,233万円。不正な経費付替は473万円だそうです。

報告書には、同従業員が取引先に借金を申し入れる際の口実がいくつも記されているんですが、まぁよくこんなことを思いつくもんだという口実だらけです。借金にあたり、同社代表取締役の名前の入ったゴム判と社印(角印)を悪用して、あたかも会社の「お墨付き」を得たかのような借用書を偽造していたとも。

悲しい事件ですね

しかしまぁ、両方合わせて約1,700万円。営業所長にまで出世したんだったら、まじめに働いて返済できない金額じゃないだろうに、と思いますよね。たくさん嘘ついて、借金さらに増やして、高額な当選金を謳う宝くじを購入です。情けないというか、非常に悲しい不正行為でした。

日本光電 従業員の不正行為

脳波計、心電計、生体情報モニタ、AED(自動体外式除細動器)などの総合医用電子機器メーカーである日本光電は11/4、「当社元社員による不正行為について」を公表しました。以前取り上げたことのある日本光電ですが、今度は従業員一人による着服です。

贈賄の疑いにより逮捕

日本光電といえば、今年1月。社員3名が三重大学医学部附属病院の生体情報モニタ商談に関連した贈賄の疑いにより逮捕されました。調査委員会を設置して約3ヶ月、事実関係の解明、原因分析等の調査を実施しました。なんだかんだで片付いたのが4月です。

不正行為の概要

そして今度は従業員が携わっていた商取引において、不正行為を行っていたことが発覚しました。その手口は、必要以上のネットワーク機器等の物品を調達した上で、お客様には正規の数量を納品する一方、余った物品を個人的に転売することにより不正に金銭を取得していたというもの。

総額約40百万円相当の物品を不正に転売し、金銭を取得していたことが確認されているようです。その被害の大半は同社に発生しているわけですが、「一部のお客様にも被害が及んでいる」とのこと(どういう被害なのか、この部分の意味はよく分かりません)。

今のところ開示されたのはここまで。不正行為の期間など、詳細は不明です。しかし、行為の手口があまりにもシンプル過ぎますよね。なんでこんな取引が看過されていたのか。調達先の従業員など、ある程度協力者がいないと成り立たないような気がします。

社内調査委員会を立ち上げ、全容解明に向けて調査を進めてきたようで、今後、詳細な事実関係の確認と原因究明を行うとしていますが、ガバナンスが効いている感じのない同社、詳細を公表する気があるのかどうか、も不明です。