大東建託 不適切な会計処理 調査結果

大東建託は6/23、「調査チームの調査結果報告書の受領に関するお知らせ」を公表しました。同社の連結子会社において、不適切な会計処理が行われていた件でしたね。弁護士、公認会計士などの外部専門家を加えた調査チームによる約2カ月間にわたる調査結果です。

従業員による不正

不適切な会計処理が行われていたのは、大東建託リーシング株式会社と大東建託パートナーズ株式会社の2社ということです。処理を実行していたのは両社の経理責任者で、元公認会計士だそう。親会社である大東建託においては経理部次長という立場でした。

両子会社の経営陣や大東建託においても、この経理部次長に対して不適切な会計処理を指示していた、認識していたという事実は認められず、経理部次長の単独犯ということになっています。

不適切な会計処理が行われた動機として、子会社の予算と実績値を乖離させたくなかった、とか、実績値を予算に揃えたかったからと説明されています。全社的な増収増益を達成することに経理部として貢献する、期待に応えるという、自身の承認欲求を満たすため、だそうです。

様々な不適切な会計処理が行われていて、その金額も小さくないんですが、経理部次長が着服等を行っていたわけではありませんでした。承認欲求を満たすために・・・こんなことするんですかね。

発生原因の中から

こうした不正が発生してしまった原因として、経理部次長に全面的に頼ってしまっていたこと(属人化)が指摘されています。よくあるパターンですね。そしてもう一つ気になったのが、監査等の内部統制がもっぱら支店に向けられていて、本社部署への統制が効いていなかったことです。支店営業職等のコンプライアンスが気になる企業では、こういうこと、ありがちかも。

株式会社CAMPFIRE(キャンプファイヤー) 従業員の不正行為

6/10、ある報道でCAMPFIREの従業員が業務上横領の疑いで警視庁に逮捕されたという記事を読みました。同社は未上場企業ですので、日本経済新聞もこの事件を取り上げていません。ただ、上場に向けた準備をしている企業だと思われますので、当ブログでは備忘的に取り上げておきます。

CAMPFIRE

CAMPFIREはクラウドファンディング事業の企画・開発・運営を行っている企業です。最近人気のクラウドファンディングですので、当ブログの読者の中にも利用者いらっしゃいそうです。設立は2011年で、資本金67億8,345万円ということですから、もう十分上場できるサイズですね。

同社ホームページによると、「CAMPFIRE は、あらゆるファイナンスニーズに応えるべく、個人やクリエイター、企業、NPO、大学、地方自治体など、様々な挑戦を後押ししてきた国内最大のクラウドファンディング」。「これまでに6.6万件以上のプロジェクトが立ち上がり、770万人以上の人から600億円以上の支援が生まれました。」と説明されています。

不正行為

CAMPFIREは6/10、「当社元従業員による不正行為について」を公表しており、それによると、元従業員(2020年末退職)が、同社の銀行口座から自らの銀行口座に不正に送金を行っていたということです。外部の専門家等を交え調査を行った結果、被害総額は約2500万円とのこと。

この元従業員は同社の経理を担当していたということで、2019年8月~11月、4回にわたり同社の口座から、計約2,500万円を自分の口座に送金したということです。容疑を認めており、「競馬に使う金がほしかった」と供述しているそうで、すでに2020年末に退職してますね。

上場に向けた準備の最中でしょうが、上場後に多くの投資家を裏切ったりすることのないよう、これを機に社内における不正等を一掃しておいてほしいものです。

アルテリア・ネットワークス 特別調査委員会を設置

アルテリア・ネットワークスは6/13、「調査委員会の設置及び第7回定時株主総会の継続会の開催方針に関するお知らせ」を公表しました。6/9に開示していた同社従業員の逮捕を受け、事実関係や類似事案の有無等を調査する目的で設置したということです。

接続料金を不正に取得

6/9、TDnetで丸紅、アルテリア・ネットワークス、ソフィアHDの3社が一斉に、逮捕者が出たことを開示しています。丸紅はアルテリア・ネットワークスの親会社としての開示ですから、実質的にはアルテリア・ネットワークス、ソフィアHDの2社ですね。

通信事業者の間で通話時間に応じて接続料金が支払われる「アクセスチャージ」の仕組みを悪用して、意図的な機械発信を生成し、NTTドコモから当該着信にかかる接続料金を不正に取得していたとのこと。通信事業者や通信機器販売会社の役職員等、計14人が逮捕されています。

通信事業者間では、電話をかけた側の業者が受けた側の業者に対し、通話時間に応じて「アクセスチャージ」と呼ばれる回線接続料を支払うんだそうです。この仕組みを悪用し、「かけ放題」プランで契約したドコモの回線からアルテリア・ネットワークス社の回線に大量の電話をかけ、アクセスチャージを不正取得していたということらしいです。

説明を聞いてもいまいちよく分かりませんが、昔のダイヤルQ2でよく起きていた事件に似てますね。ドコモに不正に支払わせたアクセスチャージは、大量の受信をしていたアルテリア・ネットワークスに支払われたということですかね。そのお金が共犯者等にどう配分されたんでしょう。

何社もの事業者が寄ってたかって、って感じの事件ですが、事件の中心にいるのはアルテリア・ネットワークスっぽく見えます。さらに親会社が丸紅ということもあり、特別調査委員会を設置して調査ということに。確かに同社的には会社としての組織的関与が気になるところです。

三菱UFJ信託 社員が顧客金銭着服 社長ら報酬返納

日本経済新聞は6/11、「三菱UFJ信託、社長ら報酬返納 元社員が顧客金銭着服」と報じました。昨年12月に社員2人が顧客の金銭を着服していた問題が発覚した件について、会長、社長、当時の常務執行役員の役員報酬を自主返納するというお話です。

昨年12月に発覚

いやぁ、知りませんでしたねぇ、この事件。再発防止策に役員報酬の返納という今回のお話もホームページで公表しただけで、TDnetでは開示されていません。おそらく昨年12月の発覚時もそうだったんでしょうね。日経は報道してたのかなぁ。見事に見落としていました。

日経の過去記事を検索してみると、確かに出てきました。社員2人がそれぞれ別の顧客から預かった現金を、総額約5,800万円着服したという内容。1人は50代女性で吉祥寺支店(東京)や中野支店(同)に勤務した2007~20年に顧客9人の口座から計5,370万円を着服。

もう一人は30代男性で18~20年に中野支店で、顧客2人の口座から計442万円を着服していたとのこと。行為の最後の辺りの期間は二人とも中野支店ですねぇ。50代女性の手口を模倣した行為でしょうか。

被害額が拡大

その後調査を進めていった結果、今回公表された被害額は、50代女性の方が4,380万円増えて、総額9,750万円になっています(被害顧客数は14名)。30代男性の方は442万円のままみたい。いずれも被害の全額について同行が補償を実施したということです。

2人が協力していた形跡は見つかっていないそうですが、いずれも着服した金は生活費などに充てたということです。この件の横展開の調査も行われていて、結果、2人の社員以外の社員による着服等の事案は確認されていないということです。

株式会社レスターホールディングス 特別調査委員会を設置

レスターホールディングスは6/6、「特別調査委員会の設置及び第 13 期定時株主総会の継続会の開催方針に関するお知らせ」を公表しました。同社の海外子会社において、コンプライアンス違反の疑いのある取引が行われていたことが判明したためということです。

レスターホールディングス

レスターホールディングスは、半導体・電子部品などを扱うエレクトロニクス商社。ソニーなどの半導体製品の販売、開発からサポートまでのトータルソリューションを提供しています。このほか、調達事業、電子機器事業、環境エネルギー事業も展開してますね。

2009年、ユーエスシー(1973年設立)と共信テクノソニック(1961年設立)が株式移転による共同持株会社としてUKCホールディングスを設立。19年、バイテックホールディングス(1987年設立)との経営統合に伴い、現商号に変更しています。

コンプライアンス違反の疑い

海外子会社における取引の一部にコンプライアンス違反の疑いが生じたため、社内調査を実施したところ、従業員の親族が営む現地企業との取引において、逸失利益の可能性があることが判明したということです。よく見るパターンですね。今回の開示では説明はここまでです。

逸失利益とは、本来得られるべきであるにもかかわらず、債務不履行や不法行為が生じたことによって得られなくなった利益を指します。他社でも見られたのは、親族企業に不法に儲けさせるパターン。そこには架空取引やらなんやらが出てくることが多いです。

逸失利益の算定では、はたしてどこまでが本来得られるべきであった利益か、その確定は容易でなく、訴訟などでもよく争点となるそうです。そうしたこともあって、今月末の株主総会も事業報告や決算報告が見送られることに。