Sony オランダで従業員が不正行為?

ソニーのオランダ従業員がPS(プレイステーション)を転売して横領、、、なんていう記事をネットで見付けました。あくまでネットの記事ですので、信憑性のほどは何とも言えないんですが、もし本当ならなかなかの不正行為です。ソニーはこの件に関して開示等はしてなさそうです。

不正行為の概要

オランダの倉庫で在庫管理を任されていたソニー従業員(53)が2010年〜2018年の間に数千台のPlayStationを盗取。デパートや量販店から返品された新品も含んでおり、彼は組織的にこれらをゲーム屋に売り払う生活を送っていたということです。最新モデルのPS5は2020年の発売ですから、PS4までの時代のお話のようです。

オランダ税務調査局は推定6,500台のソニー製品が持ち出されたと見ているそうで、裁判所によれば、この男性従業員は累計120万〜140万ユーロの利益を得ていたことが判っているとのこと。現在の為替(1ユーロ=140円)で換算すると、16,800万円~19,600万円の利益。

ギャンブル依存症であるこの男性は、転売で得た利益をネットカジノに全額投じてしまっており、事件発覚時点では横領したお金は全て溶かしてしまっていたということです。まぁ、どこの国でも動機は似たようなものですね。異性への貢ぎ物、ギャンブル、遊興費・・・。検察官は懲役26ヶ月の刑罰を求めており、判決は今月21日に言い渡されるんだそう。

開示の件

既に裁判が進んでいる事案みたいですから、ソニーとしてのこの事件の開示は数年前に行われているのかもしれません。今月21日の判決をもって再度開示を行うんでしょうかね。現行機のPS5もかなり品薄が叫ばれてますし、こうした不正の動機(転売すりゃ必ず儲かる)はメチャ存在し続けてます。

東洋エンジニアリング 海外子会社での不正

東洋エンジニアリングは6/30、「当社インド子会社における不正の疑いのある事案の発生について」を公表しました。実態のない発注等の不適切な取引行為が行われている旨の内部通報が2022年6月12日付けで寄せられたということです。

東洋エンジニアリング

東洋エンジニアリングは三井系のエンジニアリング会社です。石油化学・石油精製・油田開発技術・ガス処理・発電など各種プラント、インフラのEPC(設計・調達・建設)事業を手がけています。特に石油化学、肥料分野に強みを持つ会社で、東証プライム市場上場企業です。

不正の概要

インド子会社というのは、Toyo Engineering India Private Limitedという会社のようです。今回の開示では、「プロジェクトサイトにおいて、過去の一部取引について疑義があること、実態のない発注等の不適切な取引行為が行われている旨の内部通報があった」ということまでしか分かりません。

プロジェクトサイトというのがどういう意味で使われているのかよく分かりませんが、とにかく実体のない発注等というのが問題でしょう。この表現の中では「不適切な取引行為」としているんですが、開示のタイトルでは「不正の疑いのある事案」となっているところが面白いですね。

インド子会社としては不適切な行為なんだけど、実際には特定の役職員が明らかな不正を働いていたということを言いたいんですかね。企業が「不正」というときは特定の従業員等の行為であって、組織としては「不適切」と言いたがるもんです。一度の開示で、不正と不適切を使い分けている開示は初めて見るかも。

三協フロンテア株式会社 会計不正等の調査結果を公表

三協フロンテアは6/27、「調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」を公表しました。第一報が5/17でしたから、わずか1ヶ月ちょっとで調査完了ということですね。2022年3月期の決算短信についても同日開示。大きな影響がないということで、過年度の有価証券報告書の訂正もありませんでした。

不正等の概要

そもそも今年1月の、東京国税局による原価の付け替え事案の指摘がきっかけだったようです。さらに水増し請求や架空請求によるキックバック等の不正(地域の営業担当者17名)についても指摘を受けています。国税局の調査により、ある程度不正が判明していたんですね。

「架空請求、上乗せ請求・現金および物品のキックバック」と整理されている事案だけでも、協力業者8社が登場し、同社の損害額は約4,700万円。「架空請求等および着服」と整理されている事案についても、少なくとも3社以上の協力業者とつるんでおこなっており、同社の損害額は約840万円。

「原価の付け替え案件」と整理されている事案については、まぁあちこちでやってたようですが、同社決算への影響額は(同社の原価総額に比して)極めて少額とされています。

「プール金設定案件」については、架空工事による仕入代金を上乗せし、水増しした請求書を同社に提出してもらい、水増し分を当該仕入先にプールするという手口。プール金の設定およびその取崩しは、営業担当者において、もっぱら現場ごとの粗利率の平準化を図るために実行されていたということです。

細かい話はこの辺りにしておきますが、結果的に巨額の不正には至らずという調査結果です。とにかくいろんな従業員が、多くの協力業者や仕入れ先と、昔ながらの「なあなあ」の関係で、今では不正と呼ばれる行為を継続してきていたということのようです。

最も問題なのは、こうしたカルチャーを自社で発見し、是正出来てこなかったということ。で、一番不細工な国税当局の指摘で初めて気が付いた、、、という点につきますかね。

大東建託 不適切な会計処理 調査結果

大東建託は6/23、「調査チームの調査結果報告書の受領に関するお知らせ」を公表しました。同社の連結子会社において、不適切な会計処理が行われていた件でしたね。弁護士、公認会計士などの外部専門家を加えた調査チームによる約2カ月間にわたる調査結果です。

従業員による不正

不適切な会計処理が行われていたのは、大東建託リーシング株式会社と大東建託パートナーズ株式会社の2社ということです。処理を実行していたのは両社の経理責任者で、元公認会計士だそう。親会社である大東建託においては経理部次長という立場でした。

両子会社の経営陣や大東建託においても、この経理部次長に対して不適切な会計処理を指示していた、認識していたという事実は認められず、経理部次長の単独犯ということになっています。

不適切な会計処理が行われた動機として、子会社の予算と実績値を乖離させたくなかった、とか、実績値を予算に揃えたかったからと説明されています。全社的な増収増益を達成することに経理部として貢献する、期待に応えるという、自身の承認欲求を満たすため、だそうです。

様々な不適切な会計処理が行われていて、その金額も小さくないんですが、経理部次長が着服等を行っていたわけではありませんでした。承認欲求を満たすために・・・こんなことするんですかね。

発生原因の中から

こうした不正が発生してしまった原因として、経理部次長に全面的に頼ってしまっていたこと(属人化)が指摘されています。よくあるパターンですね。そしてもう一つ気になったのが、監査等の内部統制がもっぱら支店に向けられていて、本社部署への統制が効いていなかったことです。支店営業職等のコンプライアンスが気になる企業では、こういうこと、ありがちかも。

株式会社CAMPFIRE(キャンプファイヤー) 従業員の不正行為

6/10、ある報道でCAMPFIREの従業員が業務上横領の疑いで警視庁に逮捕されたという記事を読みました。同社は未上場企業ですので、日本経済新聞もこの事件を取り上げていません。ただ、上場に向けた準備をしている企業だと思われますので、当ブログでは備忘的に取り上げておきます。

CAMPFIRE

CAMPFIREはクラウドファンディング事業の企画・開発・運営を行っている企業です。最近人気のクラウドファンディングですので、当ブログの読者の中にも利用者いらっしゃいそうです。設立は2011年で、資本金67億8,345万円ということですから、もう十分上場できるサイズですね。

同社ホームページによると、「CAMPFIRE は、あらゆるファイナンスニーズに応えるべく、個人やクリエイター、企業、NPO、大学、地方自治体など、様々な挑戦を後押ししてきた国内最大のクラウドファンディング」。「これまでに6.6万件以上のプロジェクトが立ち上がり、770万人以上の人から600億円以上の支援が生まれました。」と説明されています。

不正行為

CAMPFIREは6/10、「当社元従業員による不正行為について」を公表しており、それによると、元従業員(2020年末退職)が、同社の銀行口座から自らの銀行口座に不正に送金を行っていたということです。外部の専門家等を交え調査を行った結果、被害総額は約2500万円とのこと。

この元従業員は同社の経理を担当していたということで、2019年8月~11月、4回にわたり同社の口座から、計約2,500万円を自分の口座に送金したということです。容疑を認めており、「競馬に使う金がほしかった」と供述しているそうで、すでに2020年末に退職してますね。

上場に向けた準備の最中でしょうが、上場後に多くの投資家を裏切ったりすることのないよう、これを機に社内における不正等を一掃しておいてほしいものです。