保育士3人逮捕 また静岡県で

静岡県裾野市の私立「さくら保育園」で保育士が園児の足をつかんで宙づりにするなどしていた問題で、静岡県警は12/4、以前園に勤務していた保育士の女3人=いずれも現在無職=を暴行の疑いで逮捕しました。虐待行為が常態化していた可能性があるとみているようです。

また静岡?

今年は何かと静岡で事件や事故が発生しています。熱海市での不適切な盛土による土砂崩れ、浜松市でも同様の事故が起きました。そして静岡県牧之原市の認定こども園で、送迎バスに置き去りにされた園児が死亡した事件が起きたかと思えば、今度は静岡県裾野市の保育園で保育士の女3人による虐待行為です。

この虐待事件に関しては、裾野市の役所が事前に実態を把握していながら、市長にまで情報が上がっていなかった、みたいな話も出ていて、行政の責任が問われるという展開にもなりそうです。

しかしまた、なんでこうした事件・事故が静岡県に集中してしまうんでしょうね。ネットなどでは県知事の責任というか適正までも問う書き込みが目立っていましたが、知事一人の問題でこれだけの問題が起きてしまうなんてことがありうるんでしょうか。

ガバナンス

民間企業では、トップが緩いと組織全体が緩んでしまうという症状をよく見ます。いわゆるガバナンスの問題ですね。静岡県の行政においても同じことが起きてるんでしょうか。行政が緩んでいると、当然それに関係する事業者においても、同様に緩んでしまうということはありうることなのかもしれません。

行政の世界に身を置いたことがありませんので、これはあくまで民間事業者(企業)との比較で言ってるだけです。しかし、ガバナンスって、おそらくそういうものなんですよね。トップがだらしないと、末端にまでその影響が出ちゃうんです。で、事件・事故はその末端で発生します。

株式会社バリューゴルフ 連結子会社 産経旅行 調査結果

バリューゴルフは12/2、「当社連結子会社における不適切な取引に係る調査結果のお知らせ」を公表しました。前回の開示通り、予定されていた約1ヶ月とちょっとという調査期間での公表です。産経旅行大阪支店の従業員が、架空の顧客及び取引先を用い、資金の不正取得を行っていたという事件でした。

不正行為の概要

当該従業員は、得意先から航空券の手配の注文を受けておらず、また、注文に係る航空券の発券依頼も行っていないにもかかわらず、産経旅行宛ての虚偽の請求書を作成・提出し、航空券代及び発券手数料の名目で当該旅行業者の預金口座に出金させていました。

また、得意先から航空券の手配の注文を受けた際に、取消しが行われないにもかかわらず、その一部の取消しに伴い航空券の発券枚数の取消しが行われた旨の内容の虚偽の書面を作成・提出し、当該取消しに伴うキャンセル料の名目で出金させていました。

こうした手口で、不正に出金させられた金額は合計12億7,830万円にのぼるそうです。ただし、直ちに不正が発覚しないように入金も12億3,951万円ほどなされており、出金から入金を差し引いた合計3,879万円が産経旅行の実質的な損害になるとのこと。当初の見込みだった約29百万円から少々増加しています。

原因と動機

過去に産経旅行と取引関係を有していた外部業者の預金口座の通帳と印鑑を、当該従業員が保管していたことが最大の原因だとしています。また犯行の動機は定番ですが、「競馬やパチンコといったギャンブルにのめり込み、その元手を得るため」だったようです。

同社が開示した調査結果、調査報告書はないんですが、非常に上手くまとめられていてイイ感じです。200ページの報告書を添付してこれを参照、って言われても一般人には荷が重いですからね。

日本マクドナルド 元支店長が店の売上を着服

マクドナルドの元支店長(36歳)が、売上金約900万円を着服したとして、兵庫県警に逮捕されたそうです。元支店長は容疑を認めているといいます。マクドナルド本社の担当者が同店から売上金が納金されていないことに気づき、内部調査で同容疑者の関与が浮上。その後、刑事告訴していたということです。

日本マクドナルド

今さら説明は不要かもしれませんが、マクドナルドは上場している持株会社日本マクドナルドホールディングスの子会社です。世界的ハンバーガーチェーン「マクドナルド」を日本で展開しており、チェーン全店売上高で外食業界トップの企業です。株式の時価総額でもやはりトップです。

不正の概要

逮捕容疑は2020年1月から2月にかけて、JR芦屋店内で保管していた売上金を、23回にわたり計約900万円を着服した疑いだそうです。マクドナルド側の内部調査では、元支店長が店長だった19年9月~20年2月、売上金のうち計約5,500万円が納金されていないといいます。

この2020年2月の時点で兵庫県警に告訴していたみたいですが、、、なんとも雑な不正ですねぇ。バレないとでも思ってたんだろうか。この事件に関しては、持株会社もマクドナルドも自ら開示する気はなさそうです。20年2月の時点でも開示は見つかりません。いかがなもんでしょう。

過去にも

ちょっと調べていたら、この会社、2019年にも従業員の不正行為が。こちらは支店ではなく本社のマネジャーですが、約7億円(逮捕時の推定額)を着服していたという事件もあったんですね。きちっと自社の不正やそれを許したガバナンスの状況を公表して、世の中の目線にこたえられるレベルで改善していく姿勢が必要なのでは?

錢高組 元所長ら特別背任容疑で逮捕

中堅ゼネコンの銭高組の元所長が、下請け会社に工事費を水増しして請求させ、会社に約9,450万円の損害を与えたとして、特別背任の疑いで逮捕されました。他に、共謀した下請けの建設会社松岩組の元専務も逮捕されています。同社からの適時開示はありません。

逮捕容疑

逮捕容疑は両者が共謀し、2018年2月~19年2月、銭高組が共同企業体の1社として受注した兵庫県内の鉄道高架化工事を巡り、自己の利益を図る目的で、松岩組に工事代金を水増し請求させ、銭高組に計約9,450万円の損害を与えた疑いということです。

なんだかブラックな感じが

冒頭で開示なしと書きましたが、錢高組のホームページを見ると載ってることは載ってます。11/17付けのお知らせ、「一部のマスコミ報道について」というやつです。報道内容を引用して最低限の情報だけを載せているというスタイル。報道をしっかり把握したうえで読まないと何のことやらって感じです。

おまけに、今年のお知らせを遡ってみると、「一部のマスコミ報道について」というのが今年一年間の間に6回も出てくるんですね。当然、メディアに報道された同社にとって不都合なというか残念な事件に関するもので、やはり同じように報道内容を受け、それを補足する程度のお知らせです。

防衛省関連の建設工事案件で、同社の共同企業体の社員や同社社員が、官製談合防止法違反の疑いで逮捕されたという話。同社の協力企業の会長と社長が、同社に対する恐喝未遂容疑で逮捕されました。なんて話も出てきます。物騒な・・・。

これらの「お知らせ」をつなぎ合わせてみると、今回逮捕に至った特別背任の件は、大阪国税局の税務調査で所得の申告漏れを指摘されたところから発覚したようです。もう少し自社の認識としてしっかり開示するべきでは?と思います。

名古屋大学教授が1,100万円不正受給 出張旅費など架空請求

名古屋大学は10/31、「公的研究費等の不適切な会計処理について」を公表しました。旅費の架空請求、過大請求及び還流行為が認められたということです。ずいぶんと工夫した表現になっていますが、要するに名古屋大学教授1人による公費の不正受給・私的流用なわけです。

名古屋大学

名古屋大学は旧帝国大学だった国立大学ですね。kuniが持っているイメージでは東京大学、京都大学、大阪大学に続くレベルの感じ。偏差値とかみると最近ではではもう少し下がってきてるみたいだけど。

不正の概要

昨年3月、同大学の通報窓口に研究費を不正使用しているとの通報があったことで発覚。調査委員会を設置して調査を行っています。その結果、平成26年から令和2年までの間で、未来材料・システム研究所の教授(56歳)が架空の出張旅費を請求するなどして、国や大学の研究費など1,131万円を不正に受け取り私的に流用していました。

自家用車で移動したのに新幹線代を請求したり、学生の出張同行を装ったりした事例など、合計292件の不正があったとのこと。同教授は不正を認めており、既に全額が返還されているそうです。

バカなことを

先日テレビで高収入の職種として大学教授が紹介されていました。それによると大学教授は、医者、パイロットに次ぐ第3位。平均で年収1,100万円くらいだったと思います。なんとバカなことをやってるんでしょうね。1年間で稼げる程度のお金を、一生を犠牲にしてしまうような不正で・・・。在学中の学生はもちろん、卒業生も気の毒です。