東京インキ株式会社 子会社荒川塗料工業で火災事故

東京インキは12/21、「当社連結子会社(荒川塗料工業株式会社)の火災に関するお知らせ」を公表しました。実はkuniも途中まで東洋インキの開示だと思っていたんですが、正しくは東京インキです。子会社の荒川塗料工業で火災事故が発生しています。12/22には第2報も公表されました。

東京インキ

東京インキは各種包装・自動車部品などの各種プラスチック製品向けの着色剤などを製造する化成品事業のほかに、商業印刷や包装向けのインキやコート剤を生産するインキ事業、各種包装用ネットなどを供給する加工品事業も手掛ける東証スタンダード上場企業です。

事故の概要

12/20午後4時ごろ、同社100%子会社である荒川塗料工業加須事業所 工場D棟(埼玉県加須市)塗料製造工場にて火災事故が発生し、午後9時頃鎮火したとのこと。人的被害は軽傷者 1 名とされています。物的被害については22日現在調査中としています。

火災が発生したD棟を除く、すべての生産設備について安全が確認され、関係当局からの許可を受け安全面に最大限配慮し、生産および出荷を再開できたようです。

ちなみに、2017年末に強烈な爆発・火災事故(15人が死傷)を起こした荒川化学工業は東証プライム上場企業で、荒川塗料工業とは全く別物です。「東京」と「東洋」、「塗料」と「化学」の違い、今日はかなりややこしい記事になってしまった。

イートアンドホールディングス(大阪王将) 関東第一工場で火災事故

イートアンドホールディングスは12/7、「当社グループ関東第一工場における火災発生に関するお知らせ」を公表しました。群馬県邑楽郡にある同社グループ 関東第一工場で12/6、16 時頃 工場内製造ラインより出火し、約5時間後に鎮火したということです。

イートアンドホールディングス

イートアンドホールディングスは「大阪王将」を主要ブランドに、大衆中華料理業態を中核とした外食チェーンの展開と、餃子を主軸とする冷凍中華総菜の製造・販売を行う東証プライム上場企業です。

同じく「王将」を冠し中華料理チェーン「餃子の王将」を展開・運営する、京都に本社を置く王将フードサービスから、のれん分けして創業者の親類が独立して創業したのが「大阪王将」。その後、両社ともチェーン展開を進めていますが、資本や事業上の関係は一切無いということです。

事故の概要

鎮火までに5時間半を要したこの火災、幸い人的被害はありませんでした。物的被害についても、製造ラインの損傷は一部に留まっており、復旧可能な製造ラインより順次稼働を開始する予定としています。 なお、隣接する関東第二工場および関東第三工場への延焼はなく、通常稼働しているとのこと。

調べてみると、大阪王将は店舗でまぁいろいろと火災事故起こしてますね。強い火力がウリの中華ですからまぁそういうリスクもあるんでしょうけど。ナメクジ事件なんてのも出てきましたよ。ちなみに、社長が工藤会のヒットマンに射殺されたのは「餃子の王将」の方です。

日産化学 名古屋工場で火災事故

日産化学は11/17、「名古屋工場における火災事故について(第 2 報)」を、同社ホームページで公表しました。第1報は11/7に出ており、火災事故発生日は11/6だったようです。いずれの公表も同社ホームページでのみ行われているだけで、適時開示はされていません。

日産化学

日産化学はファインケミカル分野を主力とする中堅化学メーカー。半導体、液晶ディスプレイ向けの電子材料や、除草剤を主力とする農薬、医薬品などに展開している企業です。最近ちょこちょこ話題になる除草剤のランドアップも、日本モンサントから買収していて、今では同社製品。東証プライム上場企業です。

事故の概要

11/9の夕方、硫酸製造工場の電気集塵機から出火したとのこと。2時間弱で鎮火しており、人的被害はなし。物的被害も電気集塵機の一部を焼損した程度ということです。一時的に煤が、工場敷地外へ飛散したものの、排水等への影響は確認されておらず、近隣への大きな影響はないとしています。

決算発表と重なって

火災発生のタイミングよりは少し遅れてですが、同社株は大きく下落しています。11/10の決算発表を受けての大幅下落だと思われます。悪化している業績を公表する直前に発生した工場火災。できれば悪材料をこれ以上見せたくなかったのかな?だとしても、いつも書いてるけど、事故に関して適時開示はするべきだと思うよ。

東ソー株式会社 子会社で爆発事故 従業員1名が死亡

11/2、午後2時ごろ、山口県周南市の東ソー・エスジーエム新南陽工場で爆発があり、同社社員の男性(47歳)が死亡し、50代の男性社員1人が軽傷を負いました。火災や有害物質の流出など、工場外への被害は起きていないということです。

東ソー株式会社 東ソー・エスジーエム

東ソーは総合化学メーカー大手の一角を占める企業。塩ビ樹脂や苛性ソーダではアジア最大級の生産規模を誇り、石油化学分野だけでなく、機能商品や水処理事業も展開する東証プライム上場企業です。もともとは東洋曹達工業という社名でした。

東ソー・エスジーエムは東ソーが50%、東ソー・クォーツ株式会社が50%出資している会社なので、実質的に東ソーの完全子会社みたいなものですね。合成石英ガラスなどを製造しています。事故があった新南陽工場は元々新南陽市にあったわけですが、2003年に2市2町が合併して周南市になったらしいです(知らなかった)。

事故の概要

爆発したのは可燃性のメタンか水素とみられるとのこと。作業員が、石英ガラスを作るための試作装置の運転準備のため、配管に残ったガスを追い出してそのガスを燃やす作業をしていたところ、何らかの原因で爆発が起こったといいます。

この東ソーの新南陽の拠点では過去にも事故を何度か起こしており、今年10/23には建物の壁面に設置された金属製の張り出しが落下。作業をしていた4人が転落し、重軽傷を負うという事故も発生しています。大丈夫かい?東ソーの子会社管理。

中央発條 第2報 生産再開

中央発條株式会社は10/20、「当社藤岡工場 第4工場事故に関するお知らせ(続報)」を公表しました。10/16に発生した同社爆発事故の第2報です。「生産設備の復旧が完了し、10 月 21 日(土)より生産再開し、今週から順次供給開始予定」だそうです。

開示の概要

相変らず詳細については一切触れない開示ですねぇ。事故発生当日より対策本部を立ち上げ建屋・設備の損傷状態を確認しながら関係者一同全力を尽くし、第4工場の生産ライン復旧に努めてきたと。で、10/21(土)から生産再開、翌週から順次供給開始。事故の概要すら説明されていません。

トヨタの方針

事故発生で即工場停止という状況に疑問を持ちましたが、日経ではその辺りが説明されていました。トヨタでは車用ばねは大半を中央発條に依存(市場は同社とニッパツ、三菱製鋼の3社で寡占状態)していたようです。

トヨタは在庫を極力持たず、異常が起きればすぐに工場を止めることなどを原則としているんだそう。後工程に不良品を回さない点を重視し、確認や復旧を優先することで、中長期的に歩留まりをよくできるという考え方をしているそうです。

ん~、まぁ、そういう考え方もありかもしれないけど。何かが起きればトヨタの工場を即停止させてしまうことになるから、、、という良い緊張感が下請けに生まれるのか、、、それとも強烈なプレッシャーになってしまうのか。微妙なところやね。