レンゴー 100%子会社の大興製紙で工場火災

静岡県富士市の大興製紙製紙工場で火災が発生しました。火は約3時間40分で消し止められましたが、鉄筋2階建ての工場の2階部分が半焼したほか、煙を吸った40代と30代の男性 計5人が病院に運ばれたということです。

大興製紙株式会社

大興製紙株式会社はクラフト紙・特殊紙の製造および販売、クラフトパルプの製造および販売、産業廃棄物・一般廃棄物中間処分業を行っています。2021年1月15日に東京地方裁判所へ会社更生法適用を申請し、その後同年8月に東証プライム上場のレンゴーに100%子会社化され、経営再建を進めていました。

火災の概要

3/21 午前8時40分頃、富士市上横割にある大興製紙で「工場の天井が燃えている」と従業員から消防に通報があったということで、鉄筋2階建ての工場の2階部分が半焼し、煙を吸った40代と30代の男性 計5人が病院に運ばれましたが、いずれも軽症とのこと。

翌日の3/22には大興製紙が、「火災発生のお詫び」をホームページで公表しており、「今回の火災は弊社に4台ある抄紙機のうち1台を設置してある建屋から出火し、同抄紙機の一部を類焼させる事態となりました。」とだけ説明されています。

ちなみに、親会社のレンゴーからはこの件に関するコメントは出てないようです。

中部電力 公取委の課徴金納付命令 出資するレタス栽培工場でも火災事故

公正取引委員会は3/4、独占禁止法違反(不当な取引制限)で中部電力と同社子会社に計約2,680万円の課徴金納付命令を発出しました。そして同じ3/4、中部電力など3社が出資する静岡県袋井市の世界最大規模のレタス工場で火災事故が発生しています。

課徴金納付命令

中部電力、中部電力ミライズと東邦ガスは、遅くとも2016年から、競合する大口の都市ガス契約の受注予定者を話し合って決めていました。顧客に提示する料金水準を伝えるなどして、受注予定者が受注できるようにしていたということです。

こうした取引に関し公正取引委員会が、独占禁止法違反(不当な取引制限)で中部電力と中部電力ミライズに計約2,680万円の課徴金納付を命令しました。なお、東邦ガスは課徴金減免(リーニエンシー)制度に基づき、調査開始前に違反を自主申告し、行政処分を免れています。

人工光によるレタス栽培工場の火災

同じ日に中部電力が出資(日本エスコンも出資)する、静岡県袋井市にある人工光(LED)でレタスを栽培する工場で火災事故が発生しています。いやぁ、まさに踏んだり蹴ったりですな。世界最大規模となる1日当たり10トンのレタスを生産できる、完全人工光型の自動化植物工場です。

先月に出荷を開始したばかりだそうですが、レタスの生産に使われるLED照明に関連する電気系統から火が出たとみられるとのこと。中部電力さん、、、悪いことは重なるというか、泣きっ面に蜂というか・・・。

株式会社JERA 愛知県武豊町の武豊火力発電所で爆発・火災事故

1/31、午後3時10分ごろ、愛知県武豊町の武豊火力発電所で爆発火災事故が発生しました。爆発は建物13階のボイラー施設内で起きたとみられ、燃料を運ぶためのコンベヤーなどからも出火したということです。

JERA

JERAはエネルギー事業を営む日本の株式会社。東京電力フュエル&パワーと中部電力との合弁企業で、日本国内の火力発電・ガス事業が中心です。液化天然ガス (LNG) の取扱量は世界最大級だそう。両社の出資比率は50%となっています。

事故の概要

この武豊発電所は石炭や木質バイオマスを燃料とし、最大出力は107万キロワット。爆発を受け、同3時半ごろ、発電機の運転を停止しました。バイオマス燃料の一時保管場所が火元とみられると公表しています。幸い人的被害はありませんでした。

この発電所は、設備が老朽化していたこともあり長期停止予定だったそうですが、東日本大震災で原子力発電が停止に追い込まれる中で、再起動させたものだったようです。かなり無理して運転してたんですね。

JERAは武豊火力発電所での事故をふまえ、同様の木質バイオマス燃料を使用する碧南火力発電所(愛知県碧南市)および常陸那珂火力発電所(茨城県那珂郡東海村)において、設備の安全性を確認する緊急点検を実施するとしています。

イートアンドホールディングス(大阪王将)ナメクジ事件に工場火災

イートアンドホールディングス(大阪王将)は1/10、「当社グループ関東第一工場における出火に関するお知らせ(第二報)および業績予想の修正に関するお知らせ」を公表しました。工場火災の影響で、2024年2月期の業績を下方修正するという内容です。

下方修正

関東第一工場の設備および関連費用等について、1,400 百万円の特別損失を計上する見込みとのこと。そのため、450百万円を予想していた純利益が700百万円の損失となるということです。もちろん、保険が適用されて2025年2月期には特別利益を計上するわけですが。

偶然じゃない事案の連鎖

大阪王将では1年半前にナメクジ事件(仙台のお店)が話題になり、保健所が調査した結果、「湿気の多い季節に外部からの侵入があった」と認める結果を出していました。他にも無断でネコを店舗の屋外で飼育していたなんて話も。これらを含め保健所は全12項目の改善点を指摘したとのこと。

そして今回の工場火災。現場に対するガバナンスが効いていないことが、次々と目に見える形となって発生してしまっている感じです。工場火災についてはこれまで第一報と第二報が公表されているんですが、いずれも発生原因が記載されていません。

消防当局や機械類の専門家の調査によりやっと原因が特定できるものでしょうから、発生から一か月経っても調査中というのはよくあること。しかし同社の開示では「発生原因」という項目すらありません。原因があるからこそ結果があるわけで、その原因こそが経営が対処するべき課題。こんなところにもガバナンスに関する同社の無関心さを感じますね。

株式会社NITTAN 堀山下工場(舶用部品工場)において火災事故

株式会社NITTANは1/4、「当社堀山下工場(舶用部品工場)における火災発生に関するお知らせ」を公表しました。12/31、8時ごろ神奈川県秦野市にある同工場で火災が発生し、約6時間後に鎮火したという火災事故です。

株式会社NITTAN

NITTANは、自動車や二輪車向けを中心としたエンジンバルブメーカー。トラックやバス、発電機・農機を含めた小型エンジン向けを中核に、船舶用など大型エンジン向け、精密歯車も手掛ける東証スタンダード上場企業です。一昨年に社名変更するまでは日鍛バルブという社名でした。

事故の概要

堀山下工場内の熱処理工程より出火し、現場に居合わせた従業員1名が煙を吸ったことにより病院に搬送されましたが、すでに回復しているとのこと。同工場熱処理工程の生産設備を一部焼損しており、工場建屋への一部延焼も確認しているということです。原因は現在調査中としています。

昨年末に中央発條で爆発・火災事故が発生した際、トヨタの工場がたくさん停止してしまいました。今回も自動車部品会社ということで心配されましたが、開示のタイトルにもあるように舶用部品の工場のようです(ホームページを見ると船舶用だけでもなさそうなことが書かれてましたが)。

それでもまぁ、とりあえず自動車部品の供給が止まってしまい、自動車メーカーが巻き込まれる事態というのはなさそうな感じです。