巴川コーポレーション 静岡工場における火災事故

巴川コーポレーションは9/20、「当社静岡工場における火災発生について(第 1 報)」を公表しました。同社の静岡市駿河区所在の静岡工場にて、9/17の19 時 15 分頃出火し、約5時間後の深夜 0 時 21 分 に鎮火を確認したということです。

巴川コーポレーション

巴川コーポレーションは、トナーや半導体材料などの高機能性材料の製造販売を主力に、機能性シートなどを展開する企業。リードフレーム固定用テープやトナーなどの世界シェアの高い製品を有し、海外売上高比率が4割を占める東証スタンダード上場企業です。昔の巴川製紙ですね。

事故の概要

火災が起きたのは、株式会社巴川コーポレーション 静岡事業所の、ファイバーマテリアル事業部 機能性不織布の小型製造設備付近。鎮火までに約5時間を要しましたが、人的被害はなく、物的被害は上記設備の付帯設備である排気用ダクト及び建屋天井の一部が被災したとのこと。

この火災、ちゃんと適時開示されているんですが、17日(火)発生で18日(水)未明に鎮火しているのに、開示は20日(金)の12時というのはどうしたんでしょう。この第1報では詳細なことは公表していないので、この空白の2日間はちょっと気になります。

まぁ、関係ないだろうけど、昨年辺り、静岡市消防局では職員の殉職や放火などの不祥事が続いてるっていうニュースもあったね。

日産自動車 日産横浜工場で作業員の死亡事故

産経新聞によると8/28午前4時半ごろ、横浜市鶴見区大黒町の日産自動車横浜工場で、クレーンで作業していた59歳の男性が、重さ約2トンの鉄棒の束とフェンスの間に挟まれた状態で見つかり、搬送先の病院で死亡しました。鶴見署は詳しい状況を調べているとのこと。

日産自動車

日産自動車は、日系自動車メーカーの中でトヨタ、ホンダに次ぐ第3位の規模を誇る自動車メーカーです。ルノーと三菱自を加えたアライアンスを形成。中国では、東風汽車との合弁会社で事業を展開している東証プライム上場企業です。過去にはゴーン氏の問題や検査不正、下請け法違反などが起きている会社。

事故の概要と過去

直径4・6センチ、長さ6メートルほどの鉄棒26本をまとめた束を、クレーンで移動する作業中だったということで、工場の警備員が発見しました。発見の時間が午前4時半ごろということで、実際に事故が起きた時間はまだ分かりません。こんな時間から作業はしてないでしょうから、おそらく事故発生は前日の夜ですかね。

この会社もいろいろとで出てきますね。今年4月にはグループ会社の日産自動車九州工場の敷地内で1名の死亡事故。2017年には日産追浜工場でも死亡事故が起きてます。不正が横行する企業では、現場で働く労働者の安全も守られていないってことか。

JFE 子会社JFEスチール東日本製鉄所(千葉市)で工場火災

千葉日報によると、24日午前10時10分ごろ、千葉市中央区川崎町のJFEスチール東日本製鉄所千葉地区東工場のコークス工場で、集塵機設備が火元となり火災が発生したということです。この工場火災、不思議なほどメディアでは全然取り上げられていません。

JFEホールディングス

JFEホールディングスは、鉄鉱石を原料として鉄鋼製品を生産する大手高炉メーカー。2002年、日本鋼管(NKK)と川崎製鉄の経営統合により発足。粗鋼生産量は日本製鉄に次ぐ国内第2位。自動車用鋼板など高級鋼材に強みを持っています。もちろん東証プライム上場企業です。JFEスチールは同社の子会社。

火災の概要

残念ながら火災については冒頭に書いたことしかわかりません。千葉日報が唯一報道していますが、記事の途中から会員しか閲覧できないので。

この会社ヤバい

今回起きた火災以外にもかなりたくさんの事故を起こしている企業ですね。主なものだけでも
2024年3月 同工場で火災発生
2024年2月 従業員が高所から転落死亡する事故が発生
2023年9月 工場内で溶けた鉄が漏出する事故。

これらはいずれも同じ工場です。さらに、他のグループ企業まで入れて時代を遡ると、バンバン出てきます。2012年には事故が多すぎるとして、千葉県と市による立ち入り調査も受けています。残念ながら、その後もまるで改善してないってことですね。

日立製作所 茨城県日立市の国分工場で火災事故

8月17日午後0時57分ごろ、茨城県日立市国分町の日立製作所国分工場にて火災が発生。変圧器組み立て建屋から出火し、鉄骨スレート建て工場(約2万9000平方メートル)のうち、鉄筋2階建て測定室約144平方メートルと変圧器約84平方メートルを全焼しました。

日立製作所

日立製作所は多種多様な業態のグループ企業を傘下に擁する、わが国最大の産業用エレクトロニクス企業。インフラビジネス全般に強みを持ち、長年培ったOT(制御・運用技術)、IT、高品質の製品を組み合わせたソリューションを提供する東証プライム上場企業です。日本を代表する企業ですね。

火災の概要

8月17日午後0時57分ごろ、変圧器組み立て建屋から出火し、約5時間後の同日午後6時2分に鎮火しました。別の棟にいた男性従業員(37)が工場内から黒煙が上がっているのを発見し、工場責任者が119番通報したということです。けが人はありませんでした。県警日立署で出火原因を調べているそう。

まぁ、普通の工場火災なんですが、不思議なのが、同工場が9~18日は夏休みで稼働していなかったというところ。稼働していない変圧器組み立て建屋から火が出たりするものなんでしょうか。日立からは何も公表されてませんが、やはり、放火の線も捨てきれませんね。

住友大阪セメント 赤穂工場で粉塵爆発と見られる火災事故

8月10日午前7時ごろ、兵庫県赤穂市の住友大阪セメント赤穂工場で火災事故が発生しました。高さ約30メートルの石炭ミル設備建屋から炎が上がっていたといい、消防による消火活動により、約4時間後の午前10時48分に鎮火しました。

住友大阪セメント

住友大阪セメントは、セメントの製造・販売を中心に、生コンクリートの製造・販売を主力事業とする企業です。販売量では、太平洋セメント、UBE三菱セメントに次ぐ国内第3位の東証プライム上場企業です。1994年に住友セメントと大阪セメントが合併し、住友大阪セメントとなりました。

火災事故の概要

高さ約30メートルの石炭ミル設備(セメント製造の燃料となる石炭を細かく砕くための設備)から出火したとのこと。設備の粉塵計で濃度上昇を示す警報が作動し、作業員が遠隔操作で設備を停止しましたが、その直後に火災が発生したということです。建屋の天井部分が破損しているといい、消防は粉塵爆発が発生したものとみて原因を調べています。

度重なる事故

同社ではこの事故に関してお知らせやお詫びを公表していません。なんとも無責任な、と思いつつざっと調べたところ、この工場では2019年にも、リサイクル燃料を炉に運ぶベルトコンベアーで火災を発生させていました(同年他にもう1件)。さらに、2011年にも2か月連続で火災を発生させています。これマジで現場コントロール効いてません。