オカムラ 中井工場で火災(鎮圧と鎮火)

株式会社オカムラは10/25、「当社中井工場における火災発生に関するお知らせ(お詫び)」を公表しました。TDnetでもちゃんと開示されています。中井工場は神奈川県足柄上郡中井町境というところにあるそうで、、、かなり田舎みたいですね。

オカムラ

オカムラはオフィス家具業界のリーディングカンパニー。オフィス環境機器、商環境機器および物流システム機器の製造販売を手掛け、関連する物流・施工・サービス等も展開しています。本社は横浜ですね。

火災の概要

火災の発生は10/25、9:30頃。工場内のスチール什器・棚板等の塗装ラインより出火したとのこと。工場内にいた従業員は全員避難し、負傷者はいなかったようです。鎮火は15:35頃ということですから、結構時間かかってます。

この記事を書いている時点で第2報まで出てますが、設備や事業所外への影響、発生原因については調査中となっています。報道では、「粉体塗装の吹き付け作業を行っていた際、粉じんを回収するタンクから出火した可能性がある」としていました。

鎮圧と鎮火

13:11 消防により火災の鎮圧を確認
15:35 消防により鎮火宣言   ということなんですが、

工場火災でよく見る「鎮圧(ちんあつ)」と「鎮火(ちんか)」という表現。実は明確な違いがあります。鎮圧とは、火災の火勢が消防隊の制御下に入り、拡大や延焼の危険がなくなったと判断された状態。対して鎮火は、完全に火が消え、消火活動の必要がないと判断される状態なんですね。

全焼とは(おまけ)

消防署がその火災について全焼と判断するのは、次のどちらかを満たすときです。
1. 建物の焼けてしまった損害額が火災直前の建物評価額の70%以上の場合
2. 残存部分に補修を加えても再使用できない場合
すみません、今日はほぼ脱線しました。

シキボウ 今度は海外子会社で火災

8/27に連結子会社である株式会社シキボウ江南において火災が発生したばかりのシキボウ。今度はインドネシア子会社 マーメイド・テキスタイル・インダストリー・インドネシア で火災が発生しました。9/8のことです。9/10までに第2報までが公表されています。

事故の概要

9/8、午後3時15分頃(日本時間)に火災が発生。インドネシア共和国東ジャワ州モジョケルト県というところにある会社らしいです。前回のシキボウ江南における火災は、1時間半ほどで鎮火していましたが、今回の火災は鎮火まで5時間を要してます。最終鎮火の確認に至っては12時間以上かかってます。

消防の消火能力や鎮火の定義などが日本とインドネシアでは違うのかもしれませんが、今回の火災はそれなりに大きなもののようですね。工場の紡績部門の原材料倉庫付近から出火とだけ説明されています。

人的被害については今のところ確認されていないとのこと。物的被害については、今のところ建屋の一部に損傷が確認されているようです。周辺地域への影響については、現在調査中としており、発生原因についても同様。この会社の開示も非常にアッサリしたものですね。

まぁ、火災発生から二日目、第2報の段階ですからしょうがないですか。ただ、同社はTDnetでの開示をしっかりしています。これは評価できますね。

しかし、シキボウ江南の火災も発生の原因がよく分かりませんでしたが、今回の火災もなんで「紡績部門の原材料倉庫付近から出火」なんでしょうね。普通、火の気があるような場所ではなさそうですもんね。タバコ?、放火?

スガイ化学工業 福井事業所で火災事故

スガイ化学工業は9/3、「当社福井事業所における発火事故発生に関するお知らせ」を公表しました。9月3日(金) 13時頃、福井県福井市の福井事業所F2-B工場で発火事故が発生したとのこと。発火事故と火災事故ってどう違うんでしょうね。

スガイ化学工業

スガイ化学工業は、医薬・農薬・機能性化学品の3つの分野を柱に各種中間物(原料から染料・医薬・農薬・合成樹脂などの化学製品を作る過程で合成される化合物)や界面活性剤などを製造し、医薬品メーカー、農薬メーカー、日用品メーカーなどに販売する企業。本社を和歌山市に置く東証2部上場企業です。

事故の概要

「火災につきましては、既に消火済みであります。」と書かれているのでやはり火災事故なんですね。人的被害については、社員2名が負傷したとのこと。物的被害や発生原因については、現在精査中としています。

業績への影響についても、現在精査中。この開示ではほぼ何も分かりませんね。ちなみに同社のホームページで、福井事業所のF2工場というのは、医薬中間物専用工場と説明されていました。

和歌山事業所でも

この会社けっこう頻繁に事故起こしてるみたいです。2018年2月には和歌山事業所で、ベンゼンを貯蔵しているタンクから出火したという事故。2020年10月には同じく和歌山事業所でガス漏れ事故が発生していて、この時は社員4名が負傷しています。

この過去二回の事故に関しても、同社の開示は非常にアッサリしたもので、どのようにして事故が発生したのか、とか、原因の究明や改善対応なんかには一切触れていません。だから、事故、繰り返すのね。

シキボウ 子会社シキボウ江南で火災

シキボウは8/27、「当社子会社における火災について(お詫び)第1報」を公表しました。8月27日(金)午前6時頃、同社連結子会社である株式会社シキボウ江南において火災が発生したとのこと。同日のうちに第2報も公表されています。

シキボウ

シキボウは生地や原糸を製造する繊維事業を中核に、繊維の製造で培った技術を応用して産業資材や機能材料などを手掛ける企業。最近では航空機部材なんかにも展開してるようです。これらのほか、遊休土地を活用した不動産の賃貸も行っています。

1892年創業で、現社名は敷島紡績という社名から2002年に変更されたものです。kuniなんかは敷島紡績の方が馴染みがあります。

火災の概要

火災が発生したのは株式会社シキボウ江南(愛知県江南市)という会社。午前6時頃、染色工程で使用している薬剤(次亜硫酸ナトリウム)から出火したといいます。機械容器に次亜硫酸ナトリウムを入れる作業中に、水が混入して出火した、と説明されています。

第2報で人的被害はなかったことが確認されていますが、この火災によって、二酸化硫黄ガスの発生が消防により計測されているとのこと。ただ、人体へ影響を及ぼす濃度ではないということです。また、物的被害についても、出火元である薬剤の計量器が破損した程度で、建物への被害はないようです。

次亜硫酸ナトリウムってのはどうやら漂白剤のようなんですけど、水が混ざって出火したりするものなんですかね。ってことで調べてみると、「空気中で粉末の状態で少量の水と接すると、分解によって生じる熱によって引火することがある。」なんて解説が出てきました。こういうことも説明するべきだと思います。水の管理はどうなってたんだ、、、ってことですよ。

コニカミノルタ 辰野工場における2度の爆発事故

少し前になりますが、コニカミノルタは8/16、「コニカミノルタサプライズ辰野工場における爆発について(第2報)」を公表しました。⻑野県上伊那郡⾠野町の同工場で発生した爆発事故の第2報です。この事故の情報、たまたま見付けたんですが、なんと二度目の爆発だったんですね。

辰野工場における火災について

株式会社コニカミノルタサプライズは、「複合機」「プリンター」「デジタル印刷システム」等に使用される、「トナー」「現像剤」「有機感光体」「機能材料」など、化製品の生産を行う会社です。山梨県甲府市に本社を置く、コニカミノルタの100%子会社ですね。

1度目は、7月6日18時頃、グループ会社である株式会社コニカミノルタサプライズ辰野工場にて「火災が発生しました。」という表現で、同社ホームページで公表されました。適時開示の方には公表されていないようです。タイトルも「コニカミノルタサプライズ辰野工場における火災について(お詫び)」となっています。

しかし、公表内容まで読むと、「爆発音があり、生産ラインからの出火を確認」とあります。この時点では「爆発」という言葉を前面に出さず、「火災」としていたんですね。

⾠野⼯場における爆発について

続いては、8⽉12⽇17時15分頃、同じ株式会社コニカミノルタサプライズ⾠野⼯場にて再度爆発事故が発⽣しました。という公表。さすがに今度は「爆発」となっていて、「再度」とも書かれています。しかし、これも適時開示はなし。

一度目の爆発は生産設備内での静電気が原因としています。静電気が原因とみられる粉塵爆発で乾燥機などが焼ける火事だったようです。操業を停止し、安全を確認。火災が発生した生産設備と同タイプの生産装置全てに対策を実施。と、宣言。今月7日に再稼働させたばかりでした。