西武ホールディングス 施工管理技士等で実務経験虚偽 第三者調査委員会設置

西武ホールディングスは6/12、同社の子会社において、役職員が事実と異なる実務経験により施工管理技士等の資格を取得していたことが判明したと公表しました。子会社は、西武建設株式会社、西武造園株式会社、横浜緑地株式会社、西武緑化管理株式会社の4社です。

今分かっていること

社内データが残っている2009年度以降を調査した結果だそうです。実務経験が虚偽とみられる資格は、西武建設で34個、27名。西武造園で56個、35名。横浜緑地で1個、1名。西武緑化管理で2個、2名となっています。ほぼ建設と造園が占めてますね。

資格の方はというと、(1級、2級)土木施工管理技士、(1級、2級)建築施工管理技士、(1級、2級)造園施工管理技士、1級管工事施工管理技士、1級電気工事施工管理技士、1級建設機械施工技士の9種類です。

在籍および退職した役員・社員でこれらの資格者929名を調査したところ、約7%にあたる65名(資格数では93個)が事実と異なる実務経験で資格を取得していたようです。

6/12に第三者調査委員会を設置し、さらなる調査を行い原因を究明、再発防止に全力を尽くすとしています。新型コロナ対応も考慮し、調査の期間は3か月ないし4カ月程度を想定しているようです。

やっぱり拡大してきた

施工管理技士の実務経験問題、大和ハウス、東レ子会社の水道機工、水機テクノスと続いてきました。予想していた通り、やはり次が出てきました。自己申告(所属する企業が証明)でOKという国家試験のルールに問題もあるわけですが。。。

それでも、やはり所属する企業の体質、ガバナンスの問題ですよね。まだまだ続きそうです。そういえば、水道機工の調査報告書まだ出てきてないね。

東レ子会社 水道機工 土木施工管理技士資格で実務経験虚偽申告

3/18の朝日新聞のスクープです。東レの子会社である水道機工株式会社で、実務経験を偽って国家資格である土木施工管理技士を不正に取得していた疑いがあるとのこと。あと、同社の子会社である水機テクノスでも。当ブログで以前取り上げた「大和ハウスの施工管理技士」の件とよく似た不正ですね。

1級土木施工管理技士

こちらもやはり国家資格で、1級と2級があるそうです。1級は学歴に応じて3~15年以上の実務経験がなければ受験できません。この資格の合格率は30~40%台ということです。

大和ハウスが実務経験を偽っていたのは、1級、2級両方、かつ、建築、土木、電気など広範囲で、合計10種の資格でした。そのため、総称として「施工管理技士」と呼んでましたが、水道機工の場合は今のところ1種類のようです。同社が報道を受けて公表した文書においても、「1級土木施工管理技術検定試験」としています。

問題の試験マニュアル

1種類だけだからマシという問題でもなさそうです。「経験がない方でもやり方次第」などと書かれた社内の試験マニュアルの存在も報道されています。同社のプレスリリースでも、「当社グループ内にて不適切な受験指導があったこと」を認めていますので、現時点で既に会社の関与が明らかということです。

同社は外部からの指摘を受けて、社内調査委員会を設置して調査を開始しており、3/10に関係省庁への報告もしているとのこと。とはいえ、朝日に報道されて後追いとなった公表。カッコ悪すぎです。今後は第三者委員会を設置して深掘りするようです。

このあとも続きそう

大和ハウスの不正が世に出たことで、水道機工の不正も・・・。そんな関係もありそうですよね。2017年から2018年に次から次へと検査不正が明らかになったように、国家試験に関する実務経験虚偽申告、この後も続きそうな予感が、、、。