ひらまつ 四半期報告書提出完了 上場維持

高級フレンチのひらまつ、東証が上場廃止を判断する期限日の12日17:15、2021年3月期第2四半期報告書の提出完了を開示しました。二度の延長でも間に合いませんでしたが、なんとか上場廃止だけは免れました。監理銘柄(確認中)も指定解除です。

株価の動きをチェック

今年に入って1/6、「緊急対策本部の構成メンバーの決定に関するお知らせ」を公表しています。朝9時の開示でした。なぜだかよく分かりませんが、株価はこれに反応したようで、一時は前日比36円高の162円まで買われます。終値は138円でしたがそれでも12円高。10%の値上がりです。

その後は130円台の動きでしたが、四半期報告書が提出されることを期待した先回り買いで1/8は145円の高値引け。3連休を挿んで1/12の引け後提出完了の開示。これを受けて1/13は寄付直後に165円まで買われました。8日、12日に仕込んだ人は儲かりましたね。

しかし、まだまだこれから

12日に同時に公表された月次速報。月次業績に関してはまだ厳しそうですね。ホテル事業は149%と好調のようですが、主力のレストラン事業は前年同月比65.6%に低迷。ブライダル事業は52.2%となっています。まずは本業の再建が第一。

2つ目には、外部調査委員会の調査結果に基づく責任の所在の明確化と、適切な人事処分。必要であれば、当時の経営陣等に対する責任の追及。そして再発防止策の策定やガバナンスの再構築。

そして3つ目が、創業者との係争に関する対応ですね。これらのことに対処するために緊急対策本部が設置されています。上場廃止は免れましたが、、、ひらまつ、まだまだやることてんこ盛りです。とりあえず「具体的な再発防止策」については1/31までに公表するとしています。

ネットワンシステムズ 三菱マテリアル アマナ 小倉クラッチ など

12/14に、いち早く四半期報告書を提出したダイワボウホールディングス。で、12/16に四半期報告書の提出期限を迎える企業は、アマナ、ネットワンシステムズ、小倉クラッチ、ひらまつ、三菱マテリアルの5社でした。昨日の開示では3社が提出完了、2社が再延長ということに。

ネットワンシステムズ、小倉クラッチ、三菱マテリアル

この3社についてはいずれも、2021年3月期第2四半期報告書を関東財務局に提出したことを公表しました。ネットワンシステムズと小倉クラッチは特別調査委員会等の調査報告書を開示しましたが、三菱マテリアルだけは未公表。決算に与える影響等の概要だけを説明しています。

ネットワンと小倉については不正会計にとどまらず、従業員の不正行為(横領)が絡んでますからね。これらに比べると三菱マテリアルは軽症といえば軽症です。調査報告書の内容についてはまだ詳細まで読めてません。いずれまた個別に記事にしたいと思います。

アマナ、ひらまつ

一方でアマナとひらまつについては、12/16の提出期限に間に合わせることができず、四半期報告書の提出期限について再延長を申請し、承認されるという展開に。アマナに関しては前日に特別調査委員会から、調査報告書を受領したとして、同報告書を公表しました。

ひらまつに関しては、外部調査委員会の調査過程で、調査対象を拡大したといった説明がされています。「新経営陣が調査対象となる事案について、会計監査人に対して意図的に隠蔽したり、情報の提供を遅らせたりしている疑念が生じた」んだそうです。そのため、再延長の申請となったと。

両社とも再延長が認められ、アマナの再延長後の提出期限は12/23に。ひらまつの再延長後の提出期限は12/28になりました。

ダイワボウホールディングス 決算発表 ネットワンシステムズ等は

子会社での循環取引等が発覚したダイワボウホールディングス。11/13に四半期報告書の提出期限延長を申請し、同日のうちに承認されたことを公表しました。延期後の提出期限は12/16となっていましたが、12/11、無事第2四半期の決算を公表しました。

おさらい

11/27、子会社のダイワボウノイ社で発覚した架空循環取引に関して、特別調査委員会による調査結果を公表しました。2014年度~2020年度までの7年間で、架空の売上は6,447百万円に及んでおり、たった一人の犯行だったことも判明しています。

この調査結果を踏まえ、12/11に決算発表。開示した資料の中では見付けられませんでしたが、四半期報告書も提出できたんでしょう。期限の12/16よりも早く提出できましたね。不正が今期の業績に与えた影響は、売上高で640百万円、営業利益で1,994百万円だそうです。

12/16に期限が迫る企業

ダイワボウホールディングスと同じ11/13に、四半期報告書の提出期限延長を申請し、承認を受けていた三菱マテリアルは、まだ決算発表できていませんね。ということで、これまで見てきた不正・不祥事等により決算が締められず、12/16に向けてカウントダウンが始まるのは、次の5社となりました。

アマナ(2402):売上高の架空計上や外注原価の期間帰属の誤り
ネットワンシステムズ(7518):従業員による資金流用、原価付替など
小倉クラッチ(6408):棚卸資産の過大計上や従業員による横領など
ひらまつ(2764):創業者側への業務委託料の妥当性調査など
三菱マテリアル(5711):子会社経営幹部による利益相反取引

決算発表を延期した企業のその後 アマナ ネットワンシステムズ 小倉クラッチ など

昨日整理した、不祥事等により決算発表を延期した企業のその後でしたが、7~9月期の四半期報告書提出期限となった11/16当日になってその後の対応が判明しました。昨日の記事で漏らしていたアマナ、ひらまつ、についても同様の動きが、、、。もう少し早めの対応できないものか。

結局 最終日に提出期限延長を申請

結論から言うと、アマナ(2402)、ネットワンシステムズ(7518)、小倉クラッチ(6408)、ひらまつ(2764)4社とも2021年3月期第2四半期報告書の提出期限延長を申請し、同日のうちに承認されたことを公表しました(アマナのみ2021年12月期の第3四半期報告書)。延長後の提出期限は4社とも12/16です。

なんで期限の最終日まで引っ張っての延長申請なのでしょうか。株主はこの期限日への会社の対応を皆心配しているわけです。期限に間に合いそうにないということなら早め早めに延長申請する旨を開示するべき。だから適時開示でしょうに。と、、、kuniは思うのですが。

特にネットワンシステムズ

4社に同じく言えることなんですが、中でもネットワンは問題だと思います。同社は同じ11/16、「外部調査委員会への委嘱事項及び外部調査委員会委員の追加に関するお知らせ」も公表しています。

従業員による資金流用を調べていて、原価付替まで発覚したため、委員を追加して調査範囲を拡大することになったと。つまり、11/16の決算発表は全然間に合わない展開になっていたということ。だったら早めにそれを開示しろという話です。

さらに、11/10には「剰余金の配当(中間配当)に関するお知らせ」を公表しているんですが、その中で、「10/27開催の取締役会で決議していたにもかかわらず、ここまで開示を失念していた」旨お詫びしています。株主や投資家に対する開示の意義を再認識してもらう必要がありそうです。

不祥事等により決算発表を延期した企業のその後 ダイワボウホールディングス ネットワンシステムズ など

ベクトル(6058)、ネットワンシステムズ(7518)、小倉クラッチ(6408)、ダイワボウホールディングス(3107)、三菱マテリアル(5711)。不祥事が発覚したことにより決算発表を延期し、四半期報告書の期限と戦っている企業の現状確認など、、、。

ベクトル

子会社における売り上げの期間帰属の適正性に疑義があるとして決算発表を延期したベクトル。同社は2021年2月期第2四半期報告書の提出期限の延長を申請、承認された提出期限は11/13(金曜日)でした。何とか期限ぎりぎりで間に合わせてきましたので、監理銘柄(確認中)に指定されることもなく、、、。社内調査委員会の調査報告書も開示されました。

ネットワンシステムズ

昨年末の架空循環取引に続き、従業員による資金流用が発覚したネットワンシステムズ。10/26に2021年3月期第2四半期決算発表の延期を公表しましたが、11/16の期限に間に合うんでしょうか。11/13時点では四半期報告書の提出期限の延長を申請したという開示はされていません。

小倉クラッチ

11/11、2021年3月期第2四半期決算発表を延期することを公表しました。在外子会社で棚卸資産の過大計上や従業員による横領などが発覚していましたから、当然でしょう。11/16までに四半期報告書提出は難しそうですが、11/13時点では四半期報告書の提出期限の延長を申請したという開示はされていません。

ダイワボウホールディングス

子会社での循環取引等が発覚したダイワボウホールディングス。決算発表延期を公表した後、11/13には四半期報告書の提出期限延長を申請し、同日のうちに承認されたことを公表しました。延期後の提出期限は12/16です。

三菱マテリアル

米国の連結子会社における経営幹部による利益相反取引が問題となった三菱マテリアル。同社も決算発表を延期し、その後11/13には四半期報告書の提出期限延長を申請し、同日のうちに承認されたことを公表しました。こちらも延期後の提出期限は12/16です。