アイ・アールジャパンは3/7、「第三者委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」を公表しました。IRジャパンの副社長が投資会社に対して東京機械買収の提案を行い、その後に東京機械の買収防衛のアドバイザーを請け負っていたという事案でした。この時のフィーは5億円だったとか。
調査結果
報告書では、IRジャパンの経営陣にはこの利益相反(マッチポンプ)の意図は認められなかったとしています。副社長の暴走を把握できていなかったとの結論です。この方特別な存在だったようですが、まぁ、副社長の行動を把握、管理できていなかった時点でもうアウトですね。
報告書でも、「会社を代表する肩書きを与えておきながら、監査監督を適切にすることなく、単独での営業活動を許容していた」とし、「IRJの利益相反管理体制の問題点もあってこのような事態を招いたものであり、まさに起きるべくして起きた事案である」と指摘しています。
とんでもない事件
利益相反の意図はともかく、客観的にはIRジャパンの一連の行為により、マッチポンプと見られる外形が作られたわけで、間違いなく顧客の期待を完璧に裏切ってきたわけです。利益相反というと法律が定めることに違反したというドライな見え方ですが、このケースはもっと重大なことと考えるべきだと思います。
この事案のような敵対的な買収においては、当事者間の利害が激しく対立します。たとえは悪いかもしれませんが、セキュリティ会社が泥棒に、顧客宅のセキュリティの甘いドアを教えるようなもんです。この事件は単なる利益相反取引ではなく、とんでもない事件なんです。と、kuniは考えますが、みなさんはどう?