ITbookホールディングス 今度は会計不正とな?

ITbookホールディングスは6/16、「特別調査委員会設置に関するお知らせ」を公表しました。ほんの1か月前に主要子会社の経理担当マネジャーによる約67百万円(公表時点での推計)におよぶ横領が発覚したばかりです。この件に関する調査委員会が閉じられる前に・・・。

会計不正の概要

同社および連結子会社の ITbook テクノロジー株式会社における 2021年3月期および 2022年3月期の会計処理において、一部に疑義があるとの指摘を、外部機関より受けたということです。こういう事案で「外部機関」と表現する場合、圧倒的に税務機関であることが多いです。

同社の連結上の投資有価証券に関する会計処理、および ITbook テクノロジーの売上高の前倒し計上に関する指摘を受けているようですね。これを受け、特別調査委員会を設置して調査を開始するとのこと(横領に関する調査委員会のメンバーとは全く別の委員で構成)。

不正や不祥事を受けて、複数の調査委員会が同時進行で調査を行うケース。以前、大和ハウスとかでもありましたね。まぁ、とにかくブサイクな話です。

ちょっと気になるのは

開示されているのはここまでなんですが、今回設置する特別調査委員会の委員等について、彼らの実績や能力などについて、やたらとアピールしてます。なんだろうこれ。今回指摘を受けている疑義の中に、「過年度において内部監査室による社内調査及び監査法人の求めに応じて実施した弁護士による調査が含まれている」んだそう。

過去に弁護士まで入れて判断した事案だけに、これを調査するためにはより高度な機能を有する弁護士等で委員会を構成した、、、ってことなんですかね。

株式会社ラックランド さらなる不正が発覚

株式会社ラックランドは6/6、「特別調査委員会の構成の一部変更に関するお知らせ」を公表しました。PwC 京都監査法人が発見した不正でしたね。5/12付けで調査を開始した特別調査委員会でしたが、当初事案とは別の案件を見付けたようです。

新事案の概要

同社から協力会社に対して、ある案件に係る施工代金の請求額の一部を他の案件に係る施工代金の一部として計上して請求する方法。ある案件に係る施工代金の請求額の一部の減額を要請し、将来の他の案件において減額分を支払うことを約束する等の方法により、原価の付け替えに係る不適切な要請が行われた可能性が指摘されているということです。

「同社の複数の部署の職員が本追加事案への関与が窺われるメールデータ・チャットデータが複数発見された」などという書きぶりもあり、当初発見された不正が一気に拡大している様子です。

このことを受け、本追加事案に関しても徹底した調査を実施すべく、本調査委員会の委嘱事項に本追加事案の調査を含めるとともに、より客観的かつ高い独立性を担保した実効性のある調査を実施するため、外部専門家の追加選任を行い、かつ、本調査委員会の委員長を外部専門家としたうえで、当社から独立した中立・公正な外部専門家のみを委員とする構成に変更する。というのが今回開示の趣旨です。

取引先を巻き込んでの原価の付け替え。これまでにも多くのケースで見てきたように、原価の付け替えにとどまらず、取引先にプールした資金の還流(キックバック)などへ発展していくのかもしれません。

日糧製パン 特別調査委員会を設置

日糧製パンは5/18、「特別調査委員会の設置に関するお知らせ」を公表しました。これより前、5/10には、「2023 年3月期決算発表の延期に関するお知らせ」を公表しており、その開示では、「決算発表を行うべく準備を進めてまいりましたが、一部に誤りが発見され、その確認作業に時間を要している」と説明されていました。

日糧製パン

日糧製パンは、「北の国のベーカリー」シリーズ、「ラブラブサンド」シリーズなど、パン・菓子、米飯などを製造販売する食品メーカー。札幌市に本社を置き、保有する工場はいずれも北海道にあり、営業地域も北海道が中心。札幌証券取引所に上場する山崎製パンの持分法適用関連会社です。

特別調査委員会設置の理由

会計処理の誤りを決算発表の延期の理由にしていましたが、「確認作業を進めていく中で、不適切な処理が含まれている疑いが明らかになった」ということです。「不適切な処理」ってなに?って聞きたいところですが、今のところ開示されているのはここまでです。これだけネタを出し渋ってる開示も珍しい。

しかしまぁ、「本事案の実態解明を行い、再発防止策の策定を含め、株主はじめステークホルダーの皆様に対する説明責任を果たすために、外部有識者を委員に含めた特別調査委員会を本日付けで設置する」っていうくらいですから、それなりの不正は出てくると思われます。

文面からは不適切な会計処理というふうに見えますが、もちろん、会計のみではなく取引そのものの不正があったりもするのかもしれません。

株式会社ジオコード 調査委員会を設置 決算発表も延期

株式会社ジオコードは4/10、「調査委員会の設置及び 2023 年2月期決算発表の延期に関するお知らせ」を公表しました。不適切な会計処理を調査するとともに、4/14に予定していた2023年2月期決算(本決算)の発表を延期することとしたということです。

株式会社ジオコード

ジオコードは、主に中堅・中小の企業ユーザーを対象に、Webマーケティング全般にわたる課題を解決するための各種サービスを手掛ける企業。SEO(検索エンジン最適化)対策やら、Web広告全般の運用代行サービスなんかをやってるみたい。ほかにクラウド型業務支援ツールの提供なども。従業員117名の東証スタンダード上場企業。上場からまだ3年も経ってない企業ですね。

事案の概要

決算作業の過程で、売上債権の延滞管理対象である一部の取引について、取引が未完了であるにもかかわらず、売上を不適切に前倒し計上している可能性を認識したということです。

売上の期間帰属の適正性に疑義が生じるものであり、事実関係の把握、取引状況の詳細及び財務諸表等に与える影響額の確認等を直ちに行いましたが、公正かつ透明性が担保された形で事実関係の実態を正確に調査・把握すべきであると判断し、調査委員会を設置したとのこと。

昨日取り上げたパスコは利益の先送りでしたが、こちらは売り上げの先行計上。こういう先行計上とか架空売上やらが常態化、みたいなことになってくると、同社の場合上場審査時はどうだったの?(そもそも上場して良かったの?)なんてことにもなりかねませんね。

今回設置された調査委員会は社外監査役を委員長とした社内調査委員会。大事に至らず、この面子で最後まで調査を完了できればいいけど。

パスコ 不正会計 特別調査委員会が調査結果を公表

パスコは4/7、「特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」を公表しました。利益の繰り越しに関する不正が行われていた可能性があり、調査委員会を設置して調査を進めてきました。その公表が2/7でしたから、調査期間は約2ヶ月でしたね。

調査結果

前の期に完了した業務の収益を次の期に繰り越して計上するなどの不正な会計操作が、2019年3月期から4年間で合計11億円行われていたということです。委員会からの報告を受け、22年3月期通期決算などの業績発表を訂正しています。

当初公表されていた金額からはかなり増加しましたね。4年間で11億円。どの期に計上するかということだけで、4年間全体で見れば間違っているわけではありません。不正によって利益が社外に流出したわけでもなく、大きな問題ではない、、、なんて思ってないですよね、経営陣は。

再発防止に関する提言

調査報告書の再発防止に関する提言の冒頭には、「経営陣の意識改革」というのが出てきます。「本件の真因は、公共部門での不適切な会計処理の発生リスクについて真剣に考えていたとはいえない経営陣の意識、それが作用して経営陣と事業部の認識に乖離が生じていたことにある」としています。

そしてもう一つ、「仮に、経営陣において、今回の事案が一部の事業部の幹部のコンプライアンス意識の欠如により生じたものと認識しているようであれば、新たな不適切な会計処理の発生を防ぐことはできない」と、指摘しています。まったくその通りですね。

特別調査委員会は見事に的を射た提言をされてますが、問題は経営陣がどう受け止め、今後どう行動していくかにかかっています。同社にとっての転機になればよいのですが。