ビックカメラ 下請法違反で公取委が勧告 下請法違反への対応が急務

報道によると、公正取引委員会は家電量販大手のビックカメラに再発防止を勧告する方針を固めたということです。プライベートブランド(PB)商品の製造委託をしていた下請け企業への支払代金を不当に減額した(下請法違反)というのがその理由。

ビックカメラ

ビックカメラは、「都市型」×「駅前」×「大型」を中心とした「ビックカメラ」を展開する、いわゆる家電量販店の大手企業です。店舗が首都圏を中心とした関東地方に偏重しているため、地方の方には馴染みがないかもですね。もちろん東証プライム上場企業です。

下請法違反

同社は遅くとも2023年夏ごろから、家電製品などのPB商品の製造を委託している下請け企業約50社に対し、販売促進費などのリベートの名目で支払代金から不当に減額していたといいます。不当な減額は計5億円以上に上るとみられ、同社はすでに全額を下請け企業に支払っているとのこと。

今下請法がホット

このところ下請法違反に対する勧告が盛んに行われています。公取委かなり頑張ってますね。今企業におけるガバナンスで最も急務なのは、自社における下請法違反行為の有無の調査。そのうえで問題があれば公取委に自主的に報告すること。そうすることで会社名の公表は避けられる可能性があります。

これだけ違反行為が公表されていくと、御社の取引先も「うちも公取委に相談してみようか」なんてことになっていきますよ。

フクシマガリレイ 公正取引委員会から下請法違反で勧告

公正取引委員会は2/19、「フクシマガリレイ株式会社に対する勧告について」を公表しました。これを受け同日、フクシマガリレイも同社ホームページでひっそりと、「公正取引委員会からの勧告について」を公表しています。適時開示はありません。

フクシマガリレイ

フクシマガリレイは飲食店の厨房などで利用される業務用冷凍冷蔵庫をはじめとするフード機器の専門メーカー。このほか、冷凍・冷蔵ショーケース、大型食品加工機械などを手掛け、流通業界や外食産業などに販売する東証プライム上場企業です。

下請法違反

「価格協力」と称して下請代金の額を減じていた行為(下請け企業34社に対して減じた額は約2176万円)。

「事務手数料」と称して下請代金の額を減じていた行為(下請け企業154社に対して減じた額は約1623万円)。

「価格協力」による不当な経済上の利益の提供の要請と判断された行為(下請け企業10社に対して提供させた額は255万円)。  となっています。

これらすべて合計すると約4000万円。なかなかエグイことやってますね。行為が行われた期間はいずれも約1年間ということですが、違反認定させるために1年としたもの(お互いに手を打った)と思われ、、、実際にはもっと長期に渡って行われてきた行為じゃないかという気がします。

日産の完全子会社「愛知機械工業」 下請法違反

報道によると、自動車部品の製造に必要な金型を下請け企業に無償で保管させたとして、公正取引委員会は日産自動車子会社の愛知機械工業(名古屋市)に対し、近く下請法違反で再発防止を勧告する方針を固めたということです。

愛知機械工業

愛知機械工業はエンジン・トランスミッションを生産する企業。もともとは上場企業でしたが、2012年に日産自動車が完全子会社化し、上場廃止となっています。会長は日産の副社長が務めているそうな。ホンダとの統合に失敗した日産。悪いことが続きますね。まぁよくあるパターンだけど。

下請法違反

遅くとも2023年8月から24年12月までの間、新たな発注の見込みがないにもかかわらず、金型など約400個を下請け企業5社に無償で保管させていたということです。最近よくある下請法違反ですね。自主申告すれば企業名の公表は免れることができるのに、なんで放置してたんでしょう。まさにこういうのがガバナンスに関する経営陣のセンスです。

日産は昨年3月に下請け企業への支払代金を不当に減額したとして同法違反で勧告されました。認定された不当な減額は約30億円に上り、全額を下請け企業に支払っています。この会社こうした経験で何を学んだんでしょう。他社に何かを求めるのではなく、自社に何が足らないのかをまず考えるべきですね。

公正取引委員会 下請法違反の摘発に力を入れているわけ

先日も取り上げたように、公正取引委員会による下請法違反としての勧告が増加しています。昨年からだけでも12の企業が勧告を受けているという状況。ではなぜ公取委が下請法違反を重視してきているのか、、、という考察です。

下請け企業の現状

下請け企業は中小企業であることが多いですよね。中小企業は現在、「賃上げ」や「金利上昇による債務負担」、「価格転嫁」という“三重苦”の状況だと言われています。賃上げしないと人が獲れない → 賃上げするためには納品先に商品の価格引き上げを認めてもらわないと無理。という構図があります。

大企業は為替の円安などで潤っているのに、中小企業では人件費は上るし、原材料費も上るけど、納品先(大企業)に値上げを認めてもらえない。ほかにも理不尽に金型の保管などを強いられていて、不要なコストを負担せざるを得ない。みたいなことが起きているわけですね。

要するに下請法違反に取り組む公取委としては、大企業が下請け先に不当な条件を押し付けている状況を解消しないと、中小企業が今後生き残れないという現実を解消しようとしているということなんですね。

大企業では新卒初任給を〇%引き上げ、みたいな景気のいい話が連日報道されていますが、下請け企業への対応・ガバナンスは大丈夫ですか?が問われているということです。

公正取引委員会 パルシステム生活協同組合連合会に勧告

公正取引委員会は9/4、「パルシステム生活協同組合連合会に対する勧告について」を公表しました。プライベートブランド(PB)商品の製造委託をしていた下請け企業への支払代金を不当に減額したのは下請法違反にあたるという判断で、再発防止を勧告しました。

下請法違反の概要

問題視したのは、PB商品の製造委託先で下請け企業にあたる食品メーカーとの取引で、5社に対して計約2,770万円の支払代金を不当に減額していたというもの。

セール時に下請け企業4社に対して値引き分の一部を負担させたり、契約上支払う必要がないにもかかわらず、物流センターの利用料名目として約1430万円を支払代金から差し引いていました。下請法は下請け企業に責任がある場合を除き、当事者間の合意があっても発注後の代金から減額することを禁じています。

意外と不正は多い

生協というと消費者のための協同組合ということで、不正とは縁遠いイメージですが、これが意外に多いようです。2012年には日本生活協同組合連合会がPB商品の製造委託をする下請け企業への支払代金を不当に減額するなど総額約39億円の下請法違反の行為をしたとして、勧告や指導を受けています。

最近では今年5月、生活協同組合コープさっぽろが、総額約2,537万円の不当減額で再発防止の勧告を受けています。消費者に害を及ぼす不正ではないため見過ごしがちですが、これも立派な不正です。