スカパーJSATホールディングス 子会社のエンルートで公的資金の不適切な受給

スカパーJSATは11/13、連結子会社が農林水産省等から処分を受けたことを公表しました。連結子会社のエンルートが、コンソーシアムの一員として参加していた農林水産省等からの委託事業において、委託費の一部を不適切に受給していたということです。

委託事業

参加していた委託事業というのは、ドローンやセンシング技術を活用した「栽培管理効率化」や「病害虫防除管理効率化」といった技術を開発する案件。もう一つは「革新的技術開発・緊急展開事業」というもので、よく分かりませんが、AIを活用した農業創造にかかる案件。

この二つの委託研究事業に関して、本来計上するべきではない人件費を計上していたり、その他の費用(機械・備品費、消耗品費、)についても本来計上するべきではない費用が計上されていたというもの。ドローン機体の販売における過大請求なんてのもありました。

農林水産省等による処分の概要

農水省は委託研究費の返還命令、委託研究事業等の指名停止措置(9か月間)などの処分を行ったようです。エンルートの説明では、農水省に約700万円、農業・食品産業技術総合研究機構に約2400万円を返還するということです。

ちなみにこのエンルート、今年3月にも新エネルギー・産業技術総合開発機構からの助成事業案件・委託業務案件に関して、助成金・委託費の不適切な受給をお詫びしていました。この事案を受けて調査した結果、今回の事案が発覚したという訳です。

高齢化により従事者が減少しているという日本の農業の課題。その課題を解決していくためのドローンを活用した農業分野の新技術開発。事業としても今後魅力ある分野なのにねぇ。もったいない話です。しかし、スカパーって、こんな子会社持ってるんですね。

なぜキーエンスはドローンに傾注しなかったのか

日曜日の日本経済新聞に「国産ドローン 政府が支援」という記事がありました。政府が国産ドローン(小型無人機)の普及に向けた支援を拡大するそうです。製品開発を後押しするため、資金調達を優遇する法案を2月にも国会に提出します。

キーエンス ジャイロソーサー

日本の超優良企業キーエンス。この会社が以前「ジャイロソーサー」というドローンの祖先とも呼べるような商品を作っていたのをご存じの方も多いのではないでしょうか。今から30年以上前にジャイロ搭載の国産クアッドコプターが作られていたんです。kuniも一時期欲しいなぁ、と思ってました。

なぜ、キーエンスはドローン業界に打って出ないんだろう、、、と思ってもいました。どうやら当時ジャイロソーサーを作っていたホビー事業部は、2013年4月にキーエンスから離れ、株式会社アキュバンスという会社として独立してしまったようです。そして、そのアキュバンスでもジャイロソーサーの生産は既に打ち切られています。

なぜ?

その後まもなくドローンがブレークします。2015年に日本で航空法が改正され、ドローンに関する規制が始まっていますので、まさにキーエンスがドローンを見切った直後にこのビジネスが開花したことになります。なぜ、キーエンスはドローンを見切ってしまったんでしょう。

ホビー事業部ではなく、本業としてドローンを手掛けていれば、今頃になって政府が慌てて資金支援なんてことにならなかったのに。きっとキーエンス製ドローンが世界を席巻していたことでしょう。非常に残念です。

ソニーのEVみたいなもの?

先日当ブログでもソニーがEVを作った件をお伝えしました。ソニーとしてはEVを販売するつもりはないらしく、EVに搭載されるセンサーを研究する上で必要になる知見を積み上げるためにEVを作ったという話でした。

キーエンスのジャイロソーサーも、あくまで姿勢制御等のセンサー技術を極めていくためのジャイロソーサーでしかなかったのかもしれませんね。と、理解しつつも、やはり惜しまれます。どういう事情があって、ドローンが事業化されなかったのか、事業化を申し入れる別のメーカーが出てこなかったのか、、、メディアの皆さん、この辺りのストーリー取り上げてくれませんかね。

空飛ぶクルマ

先日、日本経済新聞に「空飛ぶクルマ、年内に有人実験 スカイドライブ」という記事がありました。最近よく聞くようになったこの「空飛ぶクルマ」という表現に、kuniは違和感を覚えるのです。kuniが若いころから、SFやアニメにも登場する、人類の夢であったわけですが、、、。

クルマじゃなくね?

まだまだ開発中であったり、企画段階だったりするので、あくまでイメージ写真みたいなものしかないんですが、どれもこれもクルマには見えないんですよね。垂直上昇して飛び立つタイプはどう見てもヘリコプターを小型化したイメージ。もしくは今流行っているドローンを大型化して人が乗れるようにしたもの。

そんなふうにしか見えません。滑走路を必要とするタイプにいたっては、それ飛行機でしょ。って感じです。見た目のスタイルもそうだし、滑走路を必要とすること自体が飛行機。にもかかわらず、やたらと空飛ぶクルマという表現にこだわるんですよね。これって、なんなんでしょ。

空飛ぶクルマとは、時速100km以上で一般道から高速道路まで走ることが可能で、当然家族4人が乗ることができる。動力がエンジンか電動かは問わないけども、自動車として走行中に必要な時はそのままサクッと飛びたてる。kuniの空飛ぶクルマのイメージです。

そんな中でも日本のスカイドライブは空飛ぶクルマに一番近いかもしれません。コンセプトは世界最小サイズ、公道から離陸可能で、直感的に操縦可能。仕様も公開されていて、全長3,600mm、全幅1,700mm(飛行時3,100mm)、全高1,100mm。飛行速度100km/h、走行速度60km/h、電動で二人乗りだそうです。

新たな都市交通の覇権争い

なんていう華々しいタイトルまで記事では踊っていましたが、日本の都市の上空をホントにこんなもん飛ばすつもりなんだろうか。どこへ行くのにも困らないほどに公共交通は発達しているし、日本ではどれほど需要があるんでしょう。離島や交通の便が悪い山間部への交通手段としては、魅力的だと思いますが。