公正取引委員会 かどや製油に約2000万円の課徴金納付命令

加工食品用ごま油などの販売価格でカルテルを結んだとして、公正取引委員会はごま油製造大手のかどや製油に独占禁止法違反(不当な取引制限)として約2000万円の課徴金納付命令を出す方針を固めたということです。

かどや製油

かどや製油はごま油のトップメーカー。ほかにも、子会社が食品ごまを手掛けています。主力のごま油は、家庭用、業務用途のほかアメリカなど海外にも輸出しています。東証スタンダード上場企業で、設立は1957年となっていますが、創業は江戸時代で今年で163年を迎えるんだそう。

カルテル

昨年から立ち入り検査を受けていたのは、業界トップのかどや製油、竹本油脂、日清オイリオグループと九鬼産業でしたが、日清オイリオと九鬼産業はカルテルには関与なしとの判定。竹本油脂は関与していたけど、調査開始前に自主申告したようで、課徴金減免(リーニエンシー)制度が適用されています。

よって、竹本油脂は再発防止を求める排除措置命令のみ受け、残ったかどや製油は同命令を受け、さらに約2000万円の課徴金納付命令も受けることになったようです。

※ 「カルテル」とは、競争を回避するために本来事業者が自主的に決めるべき、商品やサービス等に関する価格、販売数量、取引先を、複数の事業者が共同で決める行為。不当な取引制限として独占禁止法で禁止されています。コメを筆頭に物価高が続いていますが、こうした行為によって物価が吊り上げられているという一面もありそうですね。公取委頑張れ!

ジェット機エンジンの欠陥に、カルテルも IHIは踏んだり蹴ったり

公正取引委員会は9/12、独禁法違反(不当な取引制限)容疑で、機械式駐車設備のメーカー8社に対して立ち入り検査を実施したようです。メーカー8社がカルテルを結び、ゼネコンからの発注に対して受注調整していた疑いがあるということです。

メーカー8社

立ち入り検査を受けたのは、新明和工業やIHI子会社のIHI運搬機械、住友重機械工業子会社の住友重機械搬送システム、日精、日本コンベヤ、日本ケーブル、日成ビルド工業、フジパスクの計8社。各社一斉に立ち入り検査を受けたことを開示しています。

各社は担当者同士が電話やメールなどで、ゼネコンから発注される機械式駐車設備の見積価格を事前に相談。特定の企業が受注できるよう調整し、自由競争を制限した疑いが持たれているとのこと。

IHI株式が急落

こういうことがあると、上場企業の株価は売られるわけですが、この日はIHIの株価が大変なことになってました。同社の立ち入り検査に関する開示は14時に行われたんですが、まったく別の事案(悪材料)も出てましたね。同社が一部製造を担当するジェット機エンジンで欠陥がみつかったというもの。

週初3,800円ほどしていた株価が約600円安まで売られ、翌日も下げて3,088円です。エンジンの欠陥の方の話題がメインで売られたんだと思いますが、立ち入り検査という材料も当然悪材料なわけで・・・。いやぁ、IHIの株主には踏んだり蹴ったりの一日でした。

世紀東急工業 株主代表訴訟 当時の取締役4名に18億円

世紀東急は1/19、同社の株主1名(ファンド)が同社代表取締役等4名に対して、損害賠償を請求する株主代表訴訟を提起した旨の訴訟告知書を、1/12に受領したことを公表しました。

訴訟を提起した者(原告)

インタートラスト トラスティーズ(ケイマン)リミテッド ソールリー ・・・・(長いので省略)とかいうファンドが原告となっています。このファンドの運営会社はストラテジックキャピタルという会社ですね。同社のホームページで世紀東急を訴えたことが確認できます。

このストラテジックキャピタル、直近では京阪神ビルディングに対して1株1,900円でTOBを仕掛けていましたが、1/13にTOBが成立しなかったと公表した、、、あの会社ですね。物言う株主、次の狙いが世紀東急というわけです。

事件の概要

公正取引委員会は、道路舗装用のアスファルト合材の価格を不正に引き上げるカルテルを結んだとして、独占禁止法違反(不当な取引制限)で、道路舗装大手8社に過去最高となる総額399億円の課徴金納付を命じました。2019年7月30日のことです。詳細については「アスファルト合材 価格カルテル 課徴金399億円」を参照。

このうち、世紀東急は約28億円の課徴金(課徴金減免制度を適用後)を食らっています。その後、同社は東京地裁に10億円程度の取消訴訟を提起しているようで、これを除いた約18億円が訴えの対象となっています。

訴えの概要やら

当時の同社の代表取締役1名(現任)と取締役3名に対し、このカルテルを行っていたことに関する善管注意義務違反があったとして、先ほどの約18億円を世紀東急に賠償するよう求めている、、、という訴えですね。

カルテルのメンバーには前田道路(課徴金128億円)も入ってましたね。昨年、前田建設に敵対的TOBを仕掛けられ子会社化されちゃいましたが、ここにも物言う株主入ってませんでしたっけ。他人事ではないですよ。いやぁ、取締役は辛いっすね。