ユニチカ検査データ改ざん 最終報告

昨年8月、それまで隠していた検査不正の事実を公表したユニチカ。その後の外部調査委員会の調査により、新たな不正も見つかり、調査期間はかなり長期化しました。3/19付けでやっと調査報告書を受領したようです。ユニチカ、、、今回も腑に落ちないことが山盛りです。

外部調査委員会と公表物

前回当ブログで取り上げた際、日経の取り上げ方がおかしいなどと書きましたが、なんと今回は日経、電子版も含めて記事にもしてませんね。コロナの影響で紙面が割けないなんてこともあるかもしれませんが、、、ユニチカが公表のタイミングを上手く選んでいると捉えた方が良いのか。

外部調査委員会の設置は昨年2/12。で、今年の1/31まで調査してたんですね。ほぼ1年間です。しかし、1/31に調査終了していたのに、なぜ3/18の受領・公表なんでしょう。1カ月半は何に使われたんでしょう。

今回のお知らせのタイトル、「当社グループの製品の一部における品質管理上の不適切事案の調査結果と再発防止策に関する最終報告」です。調査委員会の最終報告ではなく、ユニチカからの最終報告なんですね。

添付資料という形で「調査委員会による【原因・背景】と【提言】」という資料もありますが、これも調査報告書の【原因・背景】と【提言】の部分だけが抜粋して載せられているだけです。事実関係についての詳細は全く不明、要するに、外部調査委員会の最終報告書は実質的に非開示ということですね。

昨年11月に途中報告

昨年11月1日にも、ポリエステル樹脂4銘柄やナイロン樹脂4銘柄で、新たな不正が見付かったことを公表しているんですが、調査委員会はこの後もしっかり調査するぞ、、、みたいな感じで、あくまで途中経過にしか見えませんでした(しかし、なぜかこの時点で役員の処分を公表している)。

ユニチカ的には昨年11月の報告が最終で、今回の調査委員会の調査報告書受領のお知らせは、この事案の全てを終わらせる(ケリをつける)ための公表でしかなかった感じです。

三菱電機 サイバー攻撃 防衛機微情報流出 パワー半導体

三菱電機の不祥事、まだまだ止まりません。一旦はなかったと宣言したはずの防衛省絡みの機微情報。一転してありましたとのこと。さすがに今回はマズイと感じたのか、8カ月間隠してきたパワー半導体の検査不正についても公表することとなりました。

機微情報

流出可能性のある情報として、防衛省の「注意情報」があることを 2 月 7 日に発見したとのこと。半年も前から対応してきて、つい最近見付けたとは。防衛省といろいろもめたんですかね、とにかく急展開です。

「流出した可能性のある当該情報の影響については、現在、防衛省がご確認されているところです。防衛省における全容解明に向け、ご指示に従ってまいります」。とニュースリリースの中で書いてますが、なんとも情けない一文です。ここまでのあらゆることをすべて防衛省に転嫁するかのようにも聞こえます。

防衛省も防衛省です。「漏洩したすべての情報は、取るに足らない情報でしかありません」、って言い切らないと。国を守るのが目的でしょうに。諸外国に対するハッタリも必要でしょう、一体何を考えてるんだか。

パワー半導体

こちらは8カ月間隠してきた検査不正。このタイミングで出てくるとねぇ。新人の自殺、パワハラ、サイバー攻撃に、機微情報の漏洩。これだけ重なってきて初めての公表です。ニュースリリースには、「本件の判明から公表までに約 8カ月もの時間を要し、深くお詫び申し上げます。」とあります。

起きてしまった不祥事に真摯に向き合うなら、まずは公表が優先されるはず。それをできない、腹をくくれない経営陣はいかがなものでしょう。ニュースリリースの処分の欄には、「本事案の関係者については、事実関係を踏まえ、当社規則に基づき、今後、厳正に処分いたします。」とあります。

本事案とは「公表せず隠ぺいを図った」という事実であると考えるべきで、、、であれば関係者とは経営陣でしかありません。