765台が認定不適合 三菱電機のエレベーター

3/5 日本経済新聞の記事です。また、三菱電機のエレベーターで国の認定に適合していないブレーキアームが使用されていたとして、国土交通省が原因の究明と再発防止策の報告を求めたというニュースです。同社は今夏をめどに全てを認定適合品と交換するとしています。

国交省によると、三菱電機自身も適合しない材料を使用したブレーキアームに関して、再度強度計算をしており、必要な強度を有していることが確認されているとしてます。また、指定性能評価機関である「日本建築設備・昇降機センター」からも、このエレベーターについて安全性に問題はない旨の見解を得ているそうです。

エレベーター巻上機のブレーキアーム

ここまで読んでいただいた方には、かなり危険なお話のように見えたかもしれません。ただ、今回問題になっているブレーキというのは、巻上機の主たるブレーキではなく、各階にある扉が開いたまま動き出そうとした場合に自動でブレーキをかける。そのためだけのブレーキのようです。

おそらく通常は作動することがないブレーキなんでしょうね。資料上では「主たるブレーキと機械的に独立させた補助ブレーキを設ける」と書かれています。しかし、問題の本質は非常に危険なもので、主たるブレーキの方にも強度が足りないブレーキアームが使われていた可能性だってありそうです。

不適合は、エレベーター巻上機のブレーキアームを製造する鋳物メーカー(三菱電機の子会社)が生産システムに材料情報を登録する際に入力を誤ったことにより、強度の低い材料が使われてしまったとあります。三菱電機のチェックはどうやら効いていないようです。

戸開走行保護装置の義務化は平成21年9月から

戸開走行保護装置というのは、かご及び昇降路の全ての出入口の戸が閉じる前にかごが昇降した場合に、自動的にかごを制止し、人が挟まれるのを防ぐ装置のことだそうです。建築基準法施行令の改正により、この装置が21年9月から義務付けられています。

一方で今回三菱電機が製造・設置したエレベーターで、この装置の認定仕様に適合しない765台のエレベーターは、平成21年10月から平成30年12月までの間に出荷されたエレベーターであるとのこと。この辺りのことについては、日経は報道していません。

ひょっとすると、法改正後に製造したエレベーター全部ということかもしれません。今回三菱電機が届け出たのは大臣認定番号で見て5種類のエレベーターのようですので、少なくともこの5種類のエレベーターは全滅ということですね。 

三菱電機では、昨年も別の子会社でゴム部品の検査データ不正が発覚しています。この事件を受けて、品質管理態勢の見直しを進める中でこの事案を自ら発見できたというところが、唯一救われる点です。

ネット版スキミング急増 フォームジャッキング

2/28 日経産業新聞の記事です。クレジットカードの情報を盗み取ることをスキミングと言いますよね。これと同様に小売業等のウェブサイトに専用プログラムを仕込んでおき、利用者がクレジットカード情報を入力すると、その情報を仕掛けた犯罪者に転送するんだそうです。

2018年、ウェブサイトを狙ったサイバー攻撃が前年比56%増加していて、増加の要因がこのネット版スキミングであるフォームジャッキングという手口らしいです。攻撃を受けたサイトは月平均4,800件にのぼり、シマンテックがパソコンやスマートフォン向けのセキュリティソフトでブロッキングした件数は1年間で370万件だそうです。

もの凄い宣伝効果ですよね

いやぁ、この数字には驚きますよね。フォームジャッキングでカード情報を盗まれても、普通は利用者は気付かないと言いますから、そりゃみんなビビりますわ。で、370万件もブロックしてるんだったら、自分もセキュリティソフト導入した方が良さそうだ。って、なります、普通。

kuniは幸い別の会社のセキュリティソフトを既に導入済みなので、あまり焦りませんでしたが、それでもそのソフトがちゃんとフォームジャッキングに対応していることは同社のサイトで確認しました。

マッチポンプ

最近聞かなくなりましたが、マッチポンプみたいな業界ですよね。マッチポンプというのは、自らマッチで火を付けておいて、それを自らポンプで水をかけて火を消すという意味です。ネット上に仕掛けられたウィルスや悪意のあるスクリプトですが、作成した奴らが対策商品を販売する側に回ったりしてないのかなぁ。なんてよく思います。

そういう悪意を持った犯罪者が居なければ、セキュリティソフト等を手がける企業は必要ないわけですもんね。不謹慎だけど、ついそう考えてしまうのです。いや、きっと一部にはそういう輩がきっといるはず。

セキュリティは必ず破られる

サイバーセキュリティの世界にはkuniも興味を持っていて、本格的に勉強してみようかとも思っています。ところが、その手の話題の本を読むと「どんなセキュリティでも必ず破られる」みたいな、開き直りというか、あきらめというか、ひょっとしたら保険なのかもしれないけど、、、最初から弱気なことが書かれているんですよね。

まぁ、確かにそうなのかもしれませんが、入り口からそんなことはあまり言ったり書いたりしない方が良いんじゃないですかね。やる気が萎えてしまいます。ドアの鍵だって、「必ず開けられてしまいます」なんて言わないでしょ。。。と思うんですが。

以上二つの業界批判みたいなことを書いてしまいましたが、いずれもkuniが本格的にサイバーセキュリティの勉強を始められないでいる言い訳でした。

タカタ元社員に課徴金 監視委が勧告 インサイダー取引

3/2 日本経済新聞で、証券取引等監視委員会が経営破綻したエアバッグ大手タカタの元社員9人がインサイダー取引に関わったとして、元社員に計773万円の課徴金を納付させるよう金融庁に勧告したことを伝えています。

記事では、「①事業の譲渡」という重要事実と、「②民事再生手続き開始の申し立て」という重要事実をチャンポンに書いているので非常に分かりにくかったんじゃないでしょうか。ここで少し整理しておきましょう。

重要事実①:キー・セイフティ・システムズ社への事業譲渡

平成29年6月26日にタカタはキー・セイフティ・システムズ社への事業譲渡という重要事実を公表します。それより前、業務執行を決定する機関が事業を譲渡することを決定したことを知りながら、5/11~6/6の間に6名が株式を売り抜けています。日経はこちらの重要事実である「事業譲渡」のケースを初めてだと書いてるわけですね。

重要事実②:民事再生手続開始の申し立て

同じ6月26日にタカタは民事再生手続開始の申し立てという重要事実を公表します。それより前、業務執行を決定する機関が事業を譲渡することを決定したことを知りながら、5/19~6/13の間に3名が株式を売り抜けています。このように合わせて9名の社員が重要事実を会社が公表する前に売り抜けたわけです。

課徴金の額の計算方法

9名はいずれも株価が400円~500円の間で売却しています。その後株価は下げ続け、公表日の6/26には160円まで下げました。そして公表後は2営業日で125円下げ35円になっています。課徴金の計算は、この公表後の2週間の最安値15円を基準に計算されています。

482円で4,100株を売却した社員の場合は
(482円×4,100株)-(15円×4,100株)=1,914,700円
と計算され、1万円未満の端数を切り捨てて、191万円が課徴金として課されています。

要するに、本来重要事実を知り得てから2週間以内に、最も下手な売り方をしたのと同じことになりますね。

インサイダー取引は他人事じゃない

インサイダー取引なんて言うと他人事のように思ってらっしゃる方が多いと思います。そんな悪いことしないよと。しかし、この事例はどこのサラリーマンにでも起こり得る状況です。この9名が一生懸命会社のために働いてきた社員であったとしたら、彼らも被害者です。

会社に勧められて持ち株会でコツコツためてきたのに、ある日突然無価値になるかもしれない。おまけに職も失うことになるかもしれない。200万円くらいの価値があるうちに売れれば。。。この極限状態でこういう誘惑に勝てなかったんですね。いや、法令違反になり課徴金が、、、なんてこと全く知らなかった人もいたかもしれません。

データ規制 米加州が先陣 情報銀行

2/28付け日本経済新聞の FINANCIAL TIMES 欄で読んだ記事より。英国のフィナンシャル・タイムズの記事を翻訳して週2回掲載している記事です。グローバル・ビジネス・コメンテーターのラナ・フォルハーさんという方が書いてらっしゃるみたいです。

米フェイスブックやユーチューブの直面する問題

「フェイスブックの集団訴訟の資料が公開され、オンラインゲームを楽しむ子供たちにどんどん課金できるよう同社が仕向けていた疑いが明るみに出た」とか、「グーグル傘下のユーチューブでは、子供が出てくる動画のコメント欄にわいせつな動画へのリンク等が大量に書き込まれる事態が相次ぎ、大手企業が広告出稿を停止した」といった問題を提起しています。

残念ながらkuniはここに書かれていたような実態を詳しくは知りませんでした。ユーチューブについては彼ら自身が被害者のようにも思えますが、フェイスブックの方は良くないですね。以前日本でもゲームにはまる子供への課金が問題になったことがありました。

この記事の冒頭には「自分の子供に危害が及べば、親は本気で怒る。 これがプラットフォーマーと呼ばれるIT大手に対して、最近上がっている苦情が示していることだ」と書いており、子供をダシにするあたりは、どうなんだかなぁ、という感じもしますね。

カリフォルニア州の配当金を課す法案

記事ではカリフォルニア州の新知事が、FBやグーグルといったプラットフォーマーに対し、個人情報を利用する場合は「データ配当金」なるモノを支払うことを義務付ける法案を、議会に提案しようとしていることを伝えています。

プラットフォーマーにより個人情報が使われることに対して、同意を得させるとか、利用される情報を限定する、利用されることに対する対価を検討する、といった議論は様々なところで始まっています。ところが、この記事では「この法律が導入されれば、そのビジネスモデルに終止符を打つことになるのではとの期待を集めている。」としています。

集団訴訟に参加するような、被害にあっている子供の親たちに対する政治的なパフォーマンスという色合いもあるんでしょうが、かなり過激な対立を生んでいるようです。

情報銀行の構想

記事では、プラットフォーマーの権力に立ち向かう手立てとして、ネット利用者の権利の委託者となり得る新たなタイプの組織が必要だと指摘しています。また、すべてのモノがネットにつながる Iot 時代においては、立ち向かう相手は全ての企業に拡大するはずです。日本が政府主導で検討してきた情報銀行が、まさにその新たなタイプの組織なわけですね。

三菱UFJ信託銀行や電通、富士通、日立製作所などが、既に情報銀行参入を表明していますが、昨年12月から認定の申請を受け付けています。この3月には認定が下りるそうで、一般社団法人 日本IT団体連盟のウェブサイトなどで公表されるそうです。そろそろですね。

新素材 CNF(セルロースナノファイバー) 環境負荷軽減

2/24 日本経済新聞に「新素材 CNF 用途拡大」という記事で、植物由来の新素材である「セルロースナノファイバー」が紹介されていました。

CNFはナノメートルのレベルで細かく切断した木の繊維を、高速で衝突させ一体化させた素材と説明されていて、樹脂などの素材と組み合わせて使うことで、鉄よりも軽く、強度は5倍、耐衝撃性・耐熱性にも優れるとしています。既にカーボンとか存在しているので、今更鉄と比較してもしょうがないような気もしますが。

経済産業省が1兆円市場を期待する新素材

食べられる特性を生かして、そばや食パンなどに添加することで、もっちりした触感が生まれる、なんて用途もあるみたいです。他にも化粧品やアパレル、建築業界での用途を紹介していました。CNFの製造には、製紙会社の製造設備が使えるため、製紙各社が開発を競っているようです。

経済産業省はかなり強気の見通しを持っているようで、30年に関連市場を1兆円規模に育てる構想を掲げているとのこと。

注目度が高い理由

日経ではほとんど触れていませんでしたが、CNFが注目度が高い理由は、環境負荷の軽減に効くからということのようです。CNFは木材などから採れる、天然由来の材料であり、計画的に植林を行うことを前提に考えると、再生産が可能であり、枯渇の心配がないというわけです。

最近流行りの言い方をすれば「持続可能性がある」というやつですね。SDGsでいうサスティナブルです。持続可能性が高い素材は、いずれそうでない素材にとって代わることでしょうし、既に環境意識の高い企業はそのような動きを取り始めているようです。欧州ではガラス繊維強化樹脂(FRP)の使用を規制する動きがあるそうです。

経済産業省が1兆円と言っているのも、日本だけのことですし。世界の市場となるともっと期待できるはずです。CNFに関しては世界的権威のある研究者も日本に二人いるそうですし、実用化に向けた技術開発についても、日本が最も進んでいるらしいです。

現在商品化という点で最も期待されているのは樹脂の補強材としての用途で、製品としては構造材になるそうです。環境規制の追い風を受けて自動車の部品での実用化が市場としては最も期待されているとのこと。他に環境省のプロジェクトとして、家電製品や建設資材のプロジェクトもあるようです。

CNFは環境時代の追い風を受けた、カーボンと並ぶ重要な次世代材料とみられています。CNFには多彩な性能があり、かつ、未発見の性能もまだまだあるのではないかと言われているようです。とても将来が楽しみな素材ですね。