きらやか銀行 コロナ特例で公的資金注入へ

日本経済新聞は5/12、「山形・きらやか銀行に公的資金注入へ 初の『コロナ特例』」と伝えました。金融機能強化法に基づく公的資金注入を金融庁に申請する検討に入ったことが分かったとのこと。同日、きらやか銀行を傘下に持つじもとホールディングスも、報道されていることについて、「グループ内で検討していることは事実」と認めています。

きらやか銀行

昨日に続き地銀ネタになります。きらやか銀行は山形県を地盤とする地銀。宮城県を地盤とする「仙台銀行」との経営統合により地域金融グループとして発足した銀行持株会社が、じもとホールディングスです。店舗は宮城・山形を中心に、新潟や秋田、福島などに展開しています。地元ホールディングスは東証スタンダード市場上場企業です。

公的資金の注入

新型コロナウイルス禍で苦境に陥る中小企業の支援を目的とした特例制度を利用し、きらやか銀行への200億円規模の注入を求めるとのこと。金融庁もこれを認めるようですね。昨年9月、じもとホールディングスが金融機能強化法に基づいて策定した経営強化計画、金融庁もこれを承認しているだけに認めざるを得ないという格好ですかね。

「コロナ特例」の申請第1号となる見通しだそう。「コロナ特例」の公的資金とは、通常は15年の返済期限を実質的に撤廃し、経営責任なども問われないというもの。コロナ後の企業の再生を後押しする役割が金融機関に託されているからとはいうものの、ん~、いかがなもんでしょう。

きらやか銀行が公的資金注入を申請するに至った最大の理由は、外債投資の失敗が原因だといいます。その他有価証券の評価損が37億円に拡大しています。2009年にも200億円の注入を受けており、2012年にも。そして今回となれば3回目の公的資金です。公的資金に依存する状況が恒常化している同行。う~ん、いかがなもんでしょう。

山陰合同銀行 電力に銀行として初参入

日本経済新聞は5/7、「電力に銀行初参入 山陰合同銀、再エネ活用で収益多様化」と伝えました。2021年の銀行法改正で参入が可能になったわけですが、耕作放棄地などを利用した太陽光発電のほか、自然エネルギーの活用を進め、銀行の収益多様化と地域再生につなげるといいます。

山陰合同銀行

山陰合同銀行は、島根県松江市に本店を置く地方銀行です。島根・鳥取両県をはじめ、山陽・兵庫・大阪をカバーする広域なネットワークを持っています。島根県下の地方銀行、信用金庫、信用組合の中で預金量、貸出残高ともに最大の地域金融機関で、東証プライム市場上場企業です。

電力参入

銀行では初めての電力事業参入です。今夏にも新会社を設立し、再生可能エネルギーの発電施設を管理・運営。新会社はまず、鳥取県米子市と境港市が進めるゼロカーボンシティ構想に参加するとのこと。地元企業と協力し耕作放棄地などに太陽光発電の施設(計約1万4000キロワット)を整備し、約600の公共施設などに対して電力を供給できるようにするとしています。

人口の減少、高齢化が進む島根県や鳥取県。耕作放棄地の増加は非常に大きな問題です。そうした土地を有効利用して電力を発電し、銀行自身の収益を多様化しつつ、地域再生につなげていこうという試み。これってかなり納得感のある施策ですね。

今後行き詰っていくことが目に見えている地方金融機関。法律も緩和されてきていますし、このような地域再生につながる新事業にはどんどん攻めていくべきかと。以前松江市に住んでいたことのあるkuniとしては応援したいところです。地元では山陰合銀は超一流企業。マーケット自体は小さく、大手の参入もなさそうだし、この新事業は期待できるかも。

デジタル庁 昨日の続き

日本経済新聞は4/18、「もがくデジタル庁(1) 『誰が決めているのか』」という記事を掲載しました。やっぱりデジタル庁、上手くいってないというか、迷走してますね。行政ではよく見られる現象だけど、期待が高いだけに残念さも半端ないです。

マイナ保険証

政府が鳴り物入りで導入したマイナ保険証。健診データをマイナンバーと紐付けして、いつでも閲覧できるなどの利便性が売りだそう。ところが、4月からこれを使うと3割負担の患者の場合で初診時に21円、再診時は12円が上乗せとなる仕組みになっていたとのこと。

このことはマイナ保険証の利用を促す厚労省の特設サイトなどにはほとんど書かれていないそうです。この隠し玉を仕込んだのは厚労省。マイナ保険証の普及には病院などの設備投資を後押しする必要があるとして、患者の医療費負担よりも、マイナ保険証を使えるようにした病院が受け取る診療報酬の引き上げを優先したんだそうです。

医師の既得権を優先するあたり、いかにもお役人の考えそうなことですね。ユーザーのことを考えていません。もちろん、診療報酬に関する既得権益への配慮をしたのは厚労省であり、デジタル庁の仕業ではありません。が、省庁間の調整力はやはり求められるところです。

他にも

新型コロナウイルス禍で時短営業の協力金の支払いが遅れた反省から、デジタル庁が着手した飲食店など事業所のデータ整備事業に関しても、頓挫しているんだとか。日経では「ぶざまな展開」とこき下ろしています。

ガバナンスが迷走しつつあるデジタル庁から、民間も距離を置き始めたとも書いてますね。デジタル庁、マジで組織として機能してなさそうです。

豪裁判所 トヨタ車に欠陥があったと認める判決

日本経済新聞は4/7、豪裁判所がトヨタ自動車のピックアップトラック「ハイラックス」などのディーゼル車向けの粒子状物質低減装置(DPF)に欠陥があったと認める判決を出した、と報じました。

対象車種など

対象となった車種は、2015年10月から20年4月にかけて販売されたハイラックス、多目的スポーツ車(SUV)「フォーチュナー」、「プラド」とされており、DPFに欠陥があり、排ガスから悪臭が生じ燃費も低下したといいます。

判決で連邦裁は、約26万台について欠陥があると認定。消費者が支払った平均価格の17.5%の価値が毀損されたとしたそうです。対象車種を購入したすべての消費者がトヨタに支払いを求めた場合、トヨタの支払額は20億豪ドル(約1800億円)を超える可能性があるとのこと。

このニュースを受けてトヨタ自動車は一時4%近く下げる場面もありました。2兆円を超える最終利益を出す企業ですから、このままずるずる下げることはないでしょうが、やはり気になるニュースです。

日野自動車との関係は

このニュースを聞いて気になったのが連結対象子会社の日野自動車の不正との関係。直接的な関係はないんだろうけど、同じディーゼルエンジン絡みだけにねぇ。

日野の件を受けてトヨタの関係者がメディアに語っていたこと。「トヨタ自動車と比べて10年は遅れているという印象だ」。「トヨタでは起こり得ない」。「トヨタではエンジンの開発プロセスにおいて不正ができない仕組みを構築している」、、、など。

トヨタの件は認証不正ではなさそうですが、開発、製造の工程で何かしらの問題はあったのかもしれません。当のトヨタはこの件について、ホームページも含め一切の開示を行っていません。

社外取締役の責任と報酬

2/21の日本経済新聞に、「お飾り社外取 許されない 『不正知らなかった』 でも監督責任 企業統治へ要求強まる」という記事がありました。不祥事を起こした企業の社外取締役に対する目が厳しさを増している、といった内容の指摘です。まぁ、当然そうなってきますわなぁ。

社外取締役の責任

従来は「事情を知らなかった」などとして責任を問われないことが多かったが、最近は第三者委員会が責任を追及する例も目立ち始めた、とのこと。スルガ銀行辺りもそうでしたね。元巨大IT企業出身の社外取締役も、超有名な弁護士の監査役も、全く責任を追及されませんでした。

日経では、社外取の責任を追及され始めた企業として、三菱電機や東芝が例に上がっていました。まぁ両社は単発の不祥事ではありませんしね。何度も不正に気付く機会が会ったろうという見方。これくらいの名門、大企業になると、世間の目も厳しくなるといった一面もありそうです。

社外取締役の報酬

日経では経営からの独立性についても触れていました。そのため、社外取の選定方法にも問題があるという意見。書かれていることはまったくその通りだと思うんですが、そこには彼らの報酬の問題もあります。

三菱や東芝といった超大企業はともかく、上場企業の社外取締役って、実はその報酬って、数百万円(年間)ってレベルなんですよね。社外監査役に至っては2~300万円といったレベルだったりします。

下手すると若手従業員の年収とほぼ同じで、不祥事が起きたときには責任だけは取らされる。これでは社外取締役を引き受ける人はいません。その責任をしっかり追及するのであれば、改革すべきは、まず、報酬からだと思います。