第一カッター興業 連結子会社で役職員の不正行為

第一カッター興業は8/5、「当社連結子会社における不正資金流用疑惑につきまして」を公表しました。さらに翌日には「第三者委員会設置に関するお知らせ」を公表。この事案を受けて、2021年6月期の決算発表を延期することも決めています。

第一カッター興業

第一カッター興業は、舗装道路やコンクリート構造物の解体、撤去に必要な切断工事、穿孔(せんこう)工事などを行う。「切る」「はつる」「洗う」「剥がす」「削る」に、特化した技術を様々な現場に提供する、東証1部上場企業です。

「はつる」って一般の人には分からないですよね。アスファルトやコンクリート部分を、削ったり、切ったり、穴をあけたりする作業のことです。工事現場ではよく聞く用語です。

不正資金流用疑惑

同社連結子会社の従業員からの内部通報により、一部の役職員等が本来の使途とは異なる経費精算等を行い、不正に資金を流用していたと疑われる事象が発覚したといいます。内部通報により発見できたというのは評価できますね。

同社から開示されている情報はここまで。「従業員が」ではなく、「役職員等が」としているところが気になりますね。多くの場合、役職員とは「役員及び従業員」という意味で使われます。最近増加している役員の不正行為が含まれていそうです。

一連の開示から見て取れること。一つには内部通報が機能していたことですね。そしてもう一つは社外監査役が機能したことでしょうか。後者について開示では、「同社外監査役は、本件を認識した後、最初に、独自の調査を行い、公正な調査を求めてきた者である」としています。

監査役が一言、経営に対して「本当にそれでいいのか」と、釘を刺せるかどうか。これってめちゃくちゃ重要なんです。