日糧製パン 不正の概要が少しづつ見えてきた

日糧製パンは6/22、「特別調査委員会による調査進捗状況に関するお知らせ」を公表しました。会計処理の一部に誤りを発見した。とか言ってたら、特別調査委員会が設置され、不適切な処理が含まれている疑いが明らかになったと展開。今回の開示で不正の概要がやっと見えてきました。

発覚の端緒

なんだか知らんけど、小出しにしてきますねぇ。そもそも発覚の端緒は、代表取締役社長に対して、社内関係者とみられる匿名人物から「製菓工場の棚卸金額が物凄い金額粉飾されている。」などと記載された電子メールによる通報がなされたんだそう。

不正の概要

少なくとも一部の部門において、特定の部門長の指示のもとで、自部門の業績を良く見せるため、現場在庫の棚卸数値を過大計上するという不正行為がなされていました。当該部門においては、最低でも過去2年間にわたって不正行為がなされており、2023年3月末時点で過大計上と見込まれる金額は最大で約6,000万円に及ぶことが想定されるとのこと。

当該部門においては、特定の部門長の指示のもとで、実地棚卸すらせず、生産管理指標の目標数値から逆算する形で棚卸数値を任意に決定し、現場在庫の棚卸数値を過大に報告・計上していたということです。

「製菓工場」、「特定の部門長」と表現されています。製菓部門というのは、和菓子、洋菓子を指してるのかなぁ。そうであれば、売上の3割以上を占めていますし、その部門長ということだと、場合によっては取締役の不正行為に発展してしまうかもしれません。あと、「少なくとも一部の部門において」という書きぶりも気になります。

株式会社ヤマウラ 不適切な支出 さらに拡大 25億円?

株式会社ヤマウラは6/22、「社内調査及び第三者委員会による調査の進捗状況に関するお知らせ」を公表しました。連結子会社から、少なくとも334百万円の不適切な支出が行われていたことを公表していましたが、その後の調査でその金額がさらに拡大しているようです。

不適切な支出

前回の開示では、「不適切な支出」と表現されていたんですが、その概要が明らかにされました。ヤマウラの経理責任者で東京の子会社の経理担当を兼務していた者が、当該子会社の資金を自身の子どもが経営している会社に不正送金していたということです。

不正に送金した先は少なくとも4カ所で、自分の子どもが代表を務める会社には3億3,400万円を、また、子ども名義の個人口座や子会社とは取引関係のない会社にも送金していたといいます。

さらに拡大

前回の開示では、銀行預金残高と帳簿残高の差異が10億円ということで、最大10億円の不正支出か?という感じでしたが、この金額も増えそうな感じです。期を遡るほど不正支出のデータが見つかっているようで、銀行から取り寄せた不正支出先への振込票の合計額は25億円であることが判明しているそうです。

さらにこれら以外にも疑義のある支出があるようで、25億円で済むのかどうか、ビミョーな書きぶりになっています。ヤマウラの経理責任者ってことで、かなりの経理処理等を任されていたようなんですが、どういう職位の人なんでしょう。しかし、まぁ、凄いことになってきました。

ITbookホールディングス 今度は会計不正とな?

ITbookホールディングスは6/16、「特別調査委員会設置に関するお知らせ」を公表しました。ほんの1か月前に主要子会社の経理担当マネジャーによる約67百万円(公表時点での推計)におよぶ横領が発覚したばかりです。この件に関する調査委員会が閉じられる前に・・・。

会計不正の概要

同社および連結子会社の ITbook テクノロジー株式会社における 2021年3月期および 2022年3月期の会計処理において、一部に疑義があるとの指摘を、外部機関より受けたということです。こういう事案で「外部機関」と表現する場合、圧倒的に税務機関であることが多いです。

同社の連結上の投資有価証券に関する会計処理、および ITbook テクノロジーの売上高の前倒し計上に関する指摘を受けているようですね。これを受け、特別調査委員会を設置して調査を開始するとのこと(横領に関する調査委員会のメンバーとは全く別の委員で構成)。

不正や不祥事を受けて、複数の調査委員会が同時進行で調査を行うケース。以前、大和ハウスとかでもありましたね。まぁ、とにかくブサイクな話です。

ちょっと気になるのは

開示されているのはここまでなんですが、今回設置する特別調査委員会の委員等について、彼らの実績や能力などについて、やたらとアピールしてます。なんだろうこれ。今回指摘を受けている疑義の中に、「過年度において内部監査室による社内調査及び監査法人の求めに応じて実施した弁護士による調査が含まれている」んだそう。

過去に弁護士まで入れて判断した事案だけに、これを調査するためにはより高度な機能を有する弁護士等で委員会を構成した、、、ってことなんですかね。

株式会社ラックランド さらなる不正が発覚

株式会社ラックランドは6/6、「特別調査委員会の構成の一部変更に関するお知らせ」を公表しました。PwC 京都監査法人が発見した不正でしたね。5/12付けで調査を開始した特別調査委員会でしたが、当初事案とは別の案件を見付けたようです。

新事案の概要

同社から協力会社に対して、ある案件に係る施工代金の請求額の一部を他の案件に係る施工代金の一部として計上して請求する方法。ある案件に係る施工代金の請求額の一部の減額を要請し、将来の他の案件において減額分を支払うことを約束する等の方法により、原価の付け替えに係る不適切な要請が行われた可能性が指摘されているということです。

「同社の複数の部署の職員が本追加事案への関与が窺われるメールデータ・チャットデータが複数発見された」などという書きぶりもあり、当初発見された不正が一気に拡大している様子です。

このことを受け、本追加事案に関しても徹底した調査を実施すべく、本調査委員会の委嘱事項に本追加事案の調査を含めるとともに、より客観的かつ高い独立性を担保した実効性のある調査を実施するため、外部専門家の追加選任を行い、かつ、本調査委員会の委員長を外部専門家としたうえで、当社から独立した中立・公正な外部専門家のみを委員とする構成に変更する。というのが今回開示の趣旨です。

取引先を巻き込んでの原価の付け替え。これまでにも多くのケースで見てきたように、原価の付け替えにとどまらず、取引先にプールした資金の還流(キックバック)などへ発展していくのかもしれません。

日糧製パン 特別調査委員会を設置

日糧製パンは5/18、「特別調査委員会の設置に関するお知らせ」を公表しました。これより前、5/10には、「2023 年3月期決算発表の延期に関するお知らせ」を公表しており、その開示では、「決算発表を行うべく準備を進めてまいりましたが、一部に誤りが発見され、その確認作業に時間を要している」と説明されていました。

日糧製パン

日糧製パンは、「北の国のベーカリー」シリーズ、「ラブラブサンド」シリーズなど、パン・菓子、米飯などを製造販売する食品メーカー。札幌市に本社を置き、保有する工場はいずれも北海道にあり、営業地域も北海道が中心。札幌証券取引所に上場する山崎製パンの持分法適用関連会社です。

特別調査委員会設置の理由

会計処理の誤りを決算発表の延期の理由にしていましたが、「確認作業を進めていく中で、不適切な処理が含まれている疑いが明らかになった」ということです。「不適切な処理」ってなに?って聞きたいところですが、今のところ開示されているのはここまでです。これだけネタを出し渋ってる開示も珍しい。

しかしまぁ、「本事案の実態解明を行い、再発防止策の策定を含め、株主はじめステークホルダーの皆様に対する説明責任を果たすために、外部有識者を委員に含めた特別調査委員会を本日付けで設置する」っていうくらいですから、それなりの不正は出てくると思われます。

文面からは不適切な会計処理というふうに見えますが、もちろん、会計のみではなく取引そのものの不正があったりもするのかもしれません。