ラックランド 今度は代表取締役社長の接待費等に関する不正?

ラックランドは2/14、「特別調査委員会の設置に関するお知らせ」を公表しました。昨年二度の不正が発覚したラックランド。東京国税局による税務調査の過程において、同社代表取締役社長の接待交際費等について、不適切な会計処理の疑いが生じたとのこと。

これまでのおさらい

ラックランドは店舗施設の制作会社。商業施設や小売・飲食店舗をはじめ、各種施設などの企画開発、デザイン、設計、施工、メンテナンスサービスなど一貫対応する企業でしたね。

昨年5月、同社が手掛ける制作案件において、工事原価に関する下請け工事業者からの見積書の電子ファイルが変造されていたという不正が持ち上がりました。そしてさらに、この事案を調査している最中の6月、協力会社との間で原価の付け替えに係る不適切な要請などが行われたという会計不正も出てきました。

3度目は社長?

そして今回の開示では、東京国税局の指摘により、同社代表取締役社長が接待交際費等として精算申請を行った費用の一部について、科目処理の誤り等の不適切な会計処理の疑いが生じたとしています。

社内調査により、接待交際費等の一部について、同社代表取締役社長が精算申請時に申告した情報に、事実と異なる内容が含まれていたこと等が判明したということです。社長が相手だもんねぇ、本格的な調査委員会が必要になりました。しかしまぁ、次から次へと、、、大丈夫かいな、この会社。

菊水化学工業 調査委員会の設置

菊水化学工業は10/10、「調査委員会の設置に関するお知らせ」を公表しました。2023年3月下旬に下請業者の申し出により、2019 年3月期において一部不適切な会計処理が行われていたことが判明したということです。23年3月になって19年3月期のことですかぁ。

菊水化学工業

菊水化学工業は建築塗料のメーカー。建築仕上材、建築下地調整材、タイル接着材、建築土木資材の製造、販売およびその関連商品の販売、建築物の改修改装工事(ビルリフレッシュ)を手掛けています。名古屋市に本社を構える東証スタンダード上場企業です。

不適切な会計処理

開示によると、下請業者の申し出により2019年3月期において一部不適切な会計処理が行われていたことが判明したとしており、同社担当者が赤字工事の発覚を免れるために、請負代金の支払いを遅らせていたといいます。社内調査を行い、当該担当者及び下請業者へ事実確認をしたところ、約 3,000万円が未払いだったとのこと。

はぁ?、何それ。2019年3月期の工事ですから、すでに3年半のあいだ未払いってことですよ。まぁ、これから外部の有識者で構成する調査委員会を設置して実態を把握するんでしょうが。3年半も下請けが我慢した理由や、今頃になって表面化させた理由。そこらはまず知りたいところですね。

オリエンタルコンサルタンツホールディングス 調査結果を公表

オリエンタルコンサルタンツは10/10、「特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」を公表しました。税務調査(東京国税局)から原価の付け替えを指摘されていた事案で、8月から特別調査委員会を設置して調査を行ってきました。

原価付け替えの蔓延

調査報告書では、「全社的に原価付け替えが行われていたと認めることができる」とし、原価付替えが社内に蔓延していたことを指摘しています。

2021年10月~2023年6月において予算管理者を務めたことがある者 406 名を対象にアンケートを実施したところ、196名(約 48%)から原価付け替えを行ったことがあるとの回答があり付け替えの件数は2,357件で、その金額は原価合計7億3,889万7,401円だったそう。

部長やチームリーダーも認識しているケースもあったようで、支社長の一部においても、原価付け替えが行われていたことを認識していたものと認められる。としています。

売上の先行計上

ほかに売上の先行計上なども指摘されているんですが、こちらは、現場において実態を伴わない売上計上が一部発生していることを認識していた支社及び本部の幹部職員並びに経営陣は認められなかったとしています。

まぁ、結局のところ、幹部職員や経営陣が関与したとまでは言えないという、玉虫色の調査結果となっています。これだけ蔓延しているんだから、何かしら関与があったんじゃないかと思いますけどね。

株式会社グッドスピード(その2) 第三者調査委員会の委員選任

9/29に「調査委員会設置のお知らせ」を公表し、監査法人から「公表済みの決算に関して不適切な会計処理がある旨の疑義が生じている」との指摘を受けたことをあかしていた株式会社グッドスピード。10/6に「第三者調査委員会の委員選任に関するお知らせ」を公表しました。

おさらい

グッドスピードは中古車販売店を東海4県(愛知、岐阜、三重、静岡)を中心に出店しており、ビッグモーターの騒動を受け、過去約4カ月間の保険金請求を自主調査し、30件で不適切な事案が見つかったと発表していました。

9/29の開示では、不適切な会計処理の詳細等については、調査委員会が設置された後、直接、調査委員会へその内容を伝えると監査法人から言われていましたし、保険金請求に関する事案と、監査法人が指摘する不適切な会計処理の関係についても触れていませんでした。

第三者調査委員会

今回の開示では、監査法人の指摘は保険金請求に関する事案ではなさそうで、「主に売上計上の時期に関する内容であることが委員会へ伝えられた」とのこと。そのため、「過去の保険金請求に関する調査は、今回の調査委員会の調査対象には含まれない」としています。

監査法人から事前にビシッと言われていたためでしょう。第三者調査委員会の態勢も委員の面々もかなり立派なものになっています。

オリエンタルコンサルタンツホールディングス 特別調査委員会を設置

オリエンタルコンサルタンツは8/4、「特別調査委員会の設置及び2023 年9月期第3四半期決算短信開示の延期に関するお知らせ」を公表しました。主力子会社である株式会社オリエンタルコンサルタンツにおいて、会計不正が発覚したようです。

オリエンタルコンサルタンツホールディングス

オリエンタルコンサルタンツは、国内外で展開する建設コンサルタント。インフラ整備に関する調査・計画から設計、維持管理、運営における技術やサービスを提供する企業です。橋梁や道路、交通、トンネルの分野に強みを持ち、海外売上高比率が4割弱を占める東証スタンダード上場企業です。証券取引所等ではオリコンHDと表記されますが、芸能関係で人気度やらを公表しているオリコンとは全く別の企業です。

会計不正の概要

主力子会社である株式会社オリエンタルコンサルタンツにたいして、今年2月末から行われた定期税務調査において、原価付け替えが指摘されたということです。同社が行った実態調査でも、複数の拠点において原価付け替えが行われていたこと、売上の前倒し計上の疑義もあること、そしてこれらが過年度においても行われていた疑義があることが判明したといいます。

そのため、特別調査委員会を設置し、これらを調査。そのため、第3四半期決算の公表を延期することとなりました。会計不正の場合、誰が主導したか(組織的に行われたのか)が焦点になりますが、さてさて・・・。