株式会社 タムラ製作所 外部調査チームの設置

タムラ製作所は9/13、「外部調査チームの設置に関するお知らせ」を公表しました。同社の中国における連結子会社 2 社において、購入部品在庫の会計処理が、社内ルールに照らし適切に行われていなかった疑義が判明したということです。

タムラ製作所

タムラ製作所は、家電や産業機械などでエネルギー変換を担う各種電子部品を基幹に、部品の製造で使用する電子化学材料や装置などの製造・販売を手掛ける企業。アジアを中心とした海外売上高比率が6割強を占める東証プライム上場企業です。

何が起きてるのか

開示では、「中国における連結子会社 2 社において、購入部品在庫の会計処理が、社内ルールに照らし適切に行われていなかった疑義」としか説明されていません。この疑義について客観性・独立性ある調査を行うため、同社と利害関係を有しない外部専門家 3 名による外部調査チームを設置し、調査を行うことを決定したということです。

購入部品在庫の会計処理ということですから、棚卸資産の過大計上、架空計上などが考えられそうですね。棚卸資産を過大に計上し、あるいは架空計上することによって、当期の売上原価を減少させ、そのことにより売上総利益を増加させるといった不正が行われていなかったか。さらに、それが組織的に行われていなかったか、などを検証するということになりそうです。

ファインシンター (その2) 不適切な会計処理のその後

トヨタ自動車の持分法適用会社(20%保有で筆頭株主)であるファインシンター。連結子会社であるファインシンターインドネシア株式会社において、不適切な会計処理が行われていた可能性があることが判明し、調査を進めていましたが、新たな展開も・・・。

おさらい

同社の海外連結子会社であるファインシンターインドネシア株式会社において、2021 年3月期頃から 2024 年3月期までの期末棚卸資産の不適切な会計処理により、実態と相違がある資産計上が行われている疑いがあることが判明。特別調査委員会を設置して調査を開始しました。

新たな展開

特別調査委員会の調査の過程で、同社国内工場において製造されていた部品の一部について、販売予定が無くなったにもかかわらず、複数年にわたって棚卸資産として資産計上されたままとなっている事実が新たに確認されたということです。

これにより、当初は想定していなかった追加調査が必要となる状況が生じており、有価証券報告書の提出期限延長(再延長)を申請するという事態になっています(同日付で当局が承認済み)。

インドネシア子会社、本社のいずれのケースも、今のところ何かしらの不正等が原因となっているとの認識はないようですが、どうなんでしょうね。再延長の承認により、本来7/1だった提出期限は9/30となっています。

Shinwa Wise Holdings 株式会社 子会社で不適切な会計処理

Shinwa Wise Holdings(以下シンワワイズ)は9/2、「2024 年 5 月期有価証券報告書の提出期限延長申請に係る承認のお知らせ」を公表しました。見落としていたんですが、7月に連結子会社で不適切な会計処理の疑いが判明し、第三者委員会を設置していたんですね。

シンワワイズ

シンワワイズは、近代美術をはじめワイン・リカー、ジュエリー&ウォッチなどのオークションの開催と、美術品やダイヤモンド(NFTアートなども)などのプライベートセールを主に手掛ける、東証スタンダード上場企業です。

不適切な会計処理

7/4の開示、「子会社における不適切な会計処理の疑いの判明及び第三者委員会設置に関するお知らせ」によると、連結子会社である Shinwa Prive 株式会社において、同社が実施したプライベートセールに関して不適切な会計処理の疑義がある旨、外部機関からの指摘を受けたということです。

指摘事項だけでなく、当該子会社における会計処理に関する事実関係の調査、業績への影響の把握、原因の究明、適切な会計処理に関する提言等が必要であると判断し、第三者委員会を設置して調査を開始しました。

調査委員会の結果やその後の監査手続きにより決算がしめられず、延長申請となったという経緯。発覚の経緯である、「外部機関からの指摘を受けた」っていうのが気になりますね。おそらく税務当局だと思われますが、こういうのって結構派手な不正等につながること多いので。

西川ゴム工業 海外連結子会社における棚卸資産の不適切計上

西川ゴム工業は8/16、「当社連結子会社における棚卸資産の計算等に関する調査結果及び再発防止策の策定に関するお知らせ」を公表しました。メキシコの連結子会社において、棚卸資産の計算等に関して疑義のある事象が存することが判明したことを受け、社内調査を行っていました。

西川ゴム工業

西川ゴムは自動車のドア周りに装着する部品(ウェザーストリップ)を中核とするシール材メーカー。国内すべての自動車メーカーと取引実績を有し高いシェアを誇っています。海外売上高比率が5割を占める東証スタンダード上場企業です。ウェザーストリップとは、自動車の車内に侵入する風雨やホコリ、騒音を防ぐための部材です。

棚卸資産の過大計上

メキシコ子会社の 2021年 12 月期以降の棚卸資産について、1,352 百万円の残高の過大計上(2023 年 12 月末時点)があったことが判明したとのこと。ただ、調査の過程で不正の兆候は検出されておらず、誤謬による過大計上であると結論付けています。

原因は大きく4つ挙げられてるんですが、その中の一つに、「試算表と在庫明細の差異に係る手入力仕訳の査閲・承認が適切に行われていなかった」というのがあります。つまり、不適切に処理されていたということなんですが、総論としては「誤謬による過大計上」なんですね。

やはり、上場企業が開示等で「不適切」と表現する際は、実は「不正(行為)」を意味するということなんですね。「不正」は「不適切」に、「不適切」は「誤謬」に化けちゃいます。

レーザーテック 特別調査委員会の調査結果を公表

レーザーテックは8/5、「一部報道についての補足説明 特別調査委員会による調査報告のお知らせ」を公表しました。Scorpion Capital LLCから不正会計等のいちゃもんをつけられていた件について、特別調査委員会を設置して1か月半にわたり調査してきました。

調査結果の概要

同社製品のACTIS および MATRICS の仕掛品に係る、実在性の確認や残高に含まれる項目の適切性、回収可能性(資産性)などを検証したとのこと。その結果は「当委員会は、本調査の調査目的に照らして必要な調査手続は十分に実施できたとの心証を得ており、実施したすべての検証手続において、調査目的に関連する不正は認められなかった。」ということです。

今回開示された調査報告書は要約版で、4ページだけというもの。プライバシーおよび機密情報等の保護の観点から要約版を公表したとしています。先に不正を指摘したスコーピオンが300ページに及ぶレポートを出してきたことを考えるとやや貧弱、というか、不正はなかったという結論しか書かれていません。

マーケットの反応

調査結果公表を受けた株式市場では、同社株は猛烈に反発・急騰してるんですが、市場全体が暴落・急反発したり、その後に同社が好決算を発表したりといった材料が交錯しましたので、今回の調査結果がどれほど影響を与えたのかは何とも言えません。しかし、いずれにしてもスコーピオンの空売りは大成功、独り勝ちってことですね。