ALBERT(アルベルト:3906) 売上高計上の妥当性 外部調査委員会設置

データサイエンティスト育成事業に係る取引に関する売上高計上の妥当性などについて、監査法人から指摘され、決算発表を延期すると公表したのが2/14。続いて、より独立性を高めた調査を、ということで外部調査委員会の設置を2/27に決定、公表しています。

ALBERT

2005年設立で2015年、東証マザーズに上場。ビッグデータ分析、アルゴリズム開発、AI(人工知能)のシステム実装などを手掛ける。データサイエンティストの育成支援なども展開している。という会社らしいです。今時のというか、メチャ重宝されそうな会社ですね。

実は公表時のこの会社の開示情報、見逃していました。ちょっとタイミング外してしまいましたが、気になるところなどを備忘的に、、。

会社を設立したのは、山川義介氏。シリアルアントレプレナー(連続起業家)だそうです。もともとはTDKでVHSテープの開発をしていた人のようです。マザーズ上場後の2016年、同社の業績悪化という重要事実公表前に、親族等にインサイダー情報を伝えて売り抜けさせたとして地検に告発された人物です。地裁判決は懲役2年、執行猶予3年、罰金200万円。この時会社は退いてます。

株価は大きく下落

過去に傷のある同社ですが、AI関連、データサイエンティストだの、、、でここ最近は相当注目度高かったようですね。2018年5月にはトヨタと業務資本提携、10月には東京海上日動と資本業務提携、12月にはKDDIと資本業務提携しています。一流どころですね。

そして2019年7月には三井住友FGとも業務提携しています。このあたりが人気のピークですかね。メガバンクはこの手のピーク外しませんから。で、年が明けたら監査法人から指摘を受けたと。

まだ会計不正の内容については全く情報がありませんが、株価は酷いことになっています。もともと高すぎましたし、マーケット全体の下げもありますが、公表した2/14終値は8,590円。ちょうど一か月後にあたる3/13の終値は3,395円です。60%の値下がりはきついです。さて、何が出てくるんでしょう。

ネットワンシステムズ 新たに発覚した原価付替取引

2/13に公表された、「特別調査委員会の中間報告書受領及び公表に関するお知らせ」では、調査期間を1カ月延長し、3/12を目途に最終報告書を受領する旨の説明がありました。その中では、調査の過程で、「原価付替取引」が存在することが発覚したため、、、という話もありました。

原価付替取引(ゲンカツケカエトリヒキ)

今では全部で9社が関与したといわれ、注目を集めていますので、ついつい架空循環取引の方に目が向いてしまいますが、新たに原価付替取引も発覚したようです。公表文の中では次のような表現になってました。

「特別調査委員会による調査の過程で、本不正行為に類似する不正(原価付替取引)が存在することが発覚し、当該不正の疑いに係る会社との平成20年以降の直接取引を対象として追加調査を実施することが必要になったことから・・・」

原価 付け替え

原価とは、商品を提供するために必要とした費用といっていいでしょうか。かなり雑な説明ですが。材料費に加え、労務費や光熱費などすべての費用を足し込んだものです。例えば、売上げ1000万円のシステム開発に800万円の原価が計上されていれば、200万円の利益ということになります。

逆に800万円の売上しかないのに、原価が1000万円かかってしまうと、200万円の赤字ということになります。この時、会計上原価として認識していた1000万円のうち、300万円分を他のプロジェクトに掛かった費用として不正に計上すると、100万円の利益が出せるわけです。この行為を原価の付け替えと言います。

昨年6月に電気興業(6706)という会社が、この原価付替取引の発生に関する調査結果を公表していました。コンプライアンス意識の欠如や原価計上ルールの不徹底など、発生原因が分析されていましたが、最も大きな原因は「赤字案件を発生させないというプレッシャー」でした。

赤字案件を戒める過度な手続き(経営への赤字上申書など)がプレッシャーとなり、原価の付け替えという不正の動機になっています。おそらくネットワンでも同じ状況があるんでしょう。ここでも見積書の案件名の書き換えなど、協力している業者が出てきそうですね。

2/13 ネットワン、ダイワボウ情報システム 2/14 東芝の公表 を受けて アップデート

2/13にネットワンシステムズが「納品実体のない取引に関する調査 中間報告書」を公表したところまでは、当ブログでもお伝えしました。その後、日本経済新聞が、ダイワボウ情報システムも絡んでいたことを伝え、ダイワボウは日経の記事の誤りを指摘。また、東芝も調査結果を公表しました。

6社目はダイワボウ情報システム

ネットワンシステムズが主導した一連の架空循環取引に、ダイワボウ情報システムも関与していたことを日経が伝えました。2014年度から2016年度に合計50億円の売上高を架空計上していたという内容です。

ネットワンの中間報告書では関係する企業名は一切伏せられていたんですが、、、これ誰がリークしたんでしょう。ネットワンの上層部だとしたら酷い話です。報告書の上ではきれいごとを並べて、甲社、乙社なんて書いておいて、裏では他社の社名平気で出してるわけですからね。

で、翌日の適時開示ではダイワボウHDが、架空の売上は50億円ではなく、約7億円であると公表しています。金額はまぁともかく、日経が書いたら翌日すぐに調査結果を公表って、、ここまで知ってて隠してきたわけで、、、これまた残念な話です。

東芝も決算発表に合わせて公表

東芝も調査委員会を設置して調査していたようで、2/14、決算短信と一緒に調査結果を公表しました。2015年11月から2019年7月までの間に24案件、435億円の架空売上を計上していたとのこと。架空のエンドユーザーはやはり官公庁です。

担当者等の取引への主体的な関与や、主導してきたネットワンの某氏との共謀についても否定しています。また、報告書では見つからないんですが、新聞等が伝える会見の記事では、「一連の取引には東芝ITを含め、9社が関与していた」とされています。芋づる式公表はまだまだ続きそうです。

日鉄ソリューションズ 調査報告書(その2)

昨日書きました調査報告書の中から、気になるところをいくつか追記します。13日にはネットワンシステムズの決算発表が控えています。おそらくそこで架空循環取引の詳細が明らかになるんでしょうが、、、ちょっと先走ってみましょう。

最初の架空循環取引

日鉄ソリューションズの調査報告書では、最初に行われた架空循環取引は2014年6月に受注しています。売上への計上は同年12月です。今メディアで書かれているように、ネットワンシステムズが主導していたということであれば、この取引相手はネットワンシステムズでしょう。

以前当ブログでも書きましたが、ネットワンシステムズは同社社員の不正行為により8億円の被害を被る事件が起きています。循環取引ではありませんが、架空取引に対する架空外注費を払わせ、これを騙し取るという手口でした。この事件が発覚したのが2013年3月です。

3月8日に第三者委員会の報告書を受理して、適時開示も行っています。ということは2013年4月以降は、こうした不正行為をいかに未然防止していくのかといった、いわゆる再発防止策の実行時期になっていたはず。しかし、そこからわずか1年3か月後には新たな不正が始まっていたことになります。まったく酷いことになってますね。

ちょっと腑に落ちないこと

ネットワンシステムズの1回目の不正行為の際、「強い支配力を持つ行為者の行動については、治外法権として聖域化していた」と調査報告書に書かれていました。聖域化することで他のものを近づけないわけです。不正を働く者の常套手段と言っていいでしょう。

話を戻して今回の日鉄ソリューションズ。調査報告書の発生原因の中に、「秘匿性の高い取引先向けの案件であると説明されていたため」というのがあります。このように聖域化する必要があったのは、行為者が架空循環取引を認識して関与していたからでは?と思うんですが。

ネットワンなど、決算発表延期 → ネットワン・東芝ITサービス・日鉄ソリューションズの循環取引

ネットワンシステムズは1/21、30日に予定していた2019年4~12月期決算の発表を2月13日に延期すると発表しました。「特別調査委員会の調査結果受領までにいましばらくの時間を要する見込みであるため」と説明されています。

ネットワンなど、、、

このタイトル、昨日の日経の記事のタイトルそのまんまです。ネットワンなど、という表現が目を引きました。たしかに21日にネットワンシステムズは延期を発表しているんですが、日鉄ソリューションズについても並べて伝えていて、そのため「など」と書いたわけですね。

しかし、一方の日鉄ソリューションズは延期の公表をしたわけではありません。自社のホームページ、IRカレンダーのコーナーで2月4日決算発表予定と表示しただけです(いつ表示したのかは確認できず)。にもかかわらず、「など」としたあたり、やはり日経も両社に関連ありとみてるんでしょうか。

ちなみに、日鉄ソリューションズの前年度の第3四半期決算短信の日付は2月1日。もう一年度前は1月30日となっているので、たしかに少し延期した感はありますが。

やっぱり3社で循環取引

とまぁ、ここまで書いたところへニュースが。ネットワンシステムズ→東芝ITサービス→日鉄ソリューションズ、という循環取引があったことが確認されたようです。22日11:13の日経デジタルのニュースです。複数の関係者が明らかにしたとのこと。やれやれ、やっぱりですかぁ。

こうなると、いまさらですが、東芝も誠意のあるお詫びと、第三者委員会の設置が必要ですね。いかにも、「子会社の子会社のことだし、東芝本体の知ったことじゃない。。。」みたいな姿勢が透けて見えるあのプレスリリースだけではいかんでしょうし、グループの膿を出し切るためには第三者による調査を徹底しないと。これが最後のチャンスじゃないでしょうか。