ガリバー グッドスピード 保険水増し疑いで金融庁が立ち入り検査

報道によると、金融庁が中古車販売店「ガリバー」を運営するIDOM(イドム)と、同業大手のグッドスピード(名古屋市)の2社に立ち入り検査に入ったとのこと。旧ビッグモーターによる保険金不正請求と同様、2社においても不正請求が行われていたとみているようです。

IDOM グッドスピード

グッドスピードは中古車販売店を東海4県(愛知、岐阜、三重、静岡)を中心に出店する企業。過去に何度も当ブログでも取り上げてきました、そちらもご参考に。IDOMも「ガリバー」ブランドを中心に日本全国に店舗を展開する中古車買取・販売大手です。

グッドスピードは昨年10月に、調査した1664件のうち91件で「不適切疑義案件」があったと発表していましたが、この結果に金融庁は満足していないようで再調査となります。同社では不正会計も出てきてましたね。ただこの会社、宇佐美鉱油がTOBを実施したことで今年8月に上場廃止となっています。

一方のIDOM(ガリバー)の方は保険金の不正請求だけではなく、自動車保険契約の見返りとして、車両の販売価格を割り引くといった保険業法上の違反行為(特別利益の提供)の疑いも浮上しているんだそう。

中古車販売業者になぜ金融庁が?と思われるかもしれませんが、彼らは保険会社の委託を受ける代理店でもあるため、保険の販売状況を管轄する金融庁としては、上記のような不正請求や販売時の不法行為を許さないんですね。これ、まだまだ他業者に拡大しそうですね。

株式会社サンウェルズ 特別調査委員会を設置

サンウェルズは9/20、「特別調査委員会設置に関するお知らせ」を公表しました。先日当ブログでも取り上げた、パーキンソン病専門の有料老人ホームで、入居者への訪問について実際とは異なる記録を作り、不正に診療報酬を請求していたという事案に関するもの。共同通信の報道でした。

特別調査委員会

報道において指摘された内容の事実関係及び問題の有無を明確にするため、徹底した業務実態の調査を実施すること、また、当調査を通じて改善点が確認された場合には、速やかに対処することが必要であると判断し、同社より独立した社外の専門家を委員とする特別調査委員会を設置して調査するということです。

かなりトーンダウン

前回9/3の開示では、「共同通信が報道した不正請求に関する記事を否定するとともに、記事の内容が同社の信用を毀損しているとして、訴訟を含めて法的措置を検討している」という強気の対応でしたが、今回はかなりトーンダウンした感じ。「訴訟を含めた法的措置」といった文言はありません。

おそらく、社内で調査してみたら報道の内容が事実であるとか、事実かもしれないといった従業員等の声なんかが出てきたんでしょうね。ちょっとカッコ悪いけど、そういう事実があるならしっかりと調査して謝罪する、返金に応じるという対応は適切なものだと思います。同業者でも同様の不正が出始めていますし、早期に結果を公表して膿を出し切りましょう。

ダイハツ工業 15車種、171万台リコール ボルトの締め付け不足で衝突時に座席が動く?

衝突試験や排出ガス、燃費に関する不正が発覚したダイハツ工業。今度は9/20、15車種、171万台のリコールを公表しました。タント、タフト、ミラ イース、ムーヴ キャンバス、ムーヴ、ロッキー、キャスト、ミラ トコットなどなど。トヨタ自動車とSUBARUにOEMで供給する車種も含まれています。

リコールの内容

不具合の内容は、「前部座席において、取付けボルトの締付けが不適切であったため、走行中の振動等により当該ボルトが緩むものがあります。そのため、取付け部から異音が発生し、そのまま使用を続けるとボルトが脱落し、最悪の場合、衝突時に座席が動き、本来の乗員保護性能を発揮できないおそれがある」というもの。

対象の車は171万台。2019年10月~23年10月製造されたもので、これまでに449件の不具合が確認されましたが、実際に事故が起きたという報告はないとのこと。持ち込まれた対象車両は、全車両当該ボルトを指示トルクで適切に締付ける対処をするそう。

リコールだけで済むの?

しかしまぁ、乗員のみならずシートまで外れて一緒に飛んで来たら、エアバッグもたまらんでしょうね。ちなみに、同社で最も多かった2022年の年間販売台数が約170万台(その後不正で生産は激減)といいますから、4年間で販売してきた車両の約1/4以上が不具合抱えてるってことになります。

これまでも数々の不正が発覚してきたダイハツ。そこへさらにこの大規模リコールの発生。リコールだけで済むものなんでしょうか。

東北新幹線 走行中に車両の連結外れる 中央線でも

9/19、JR東日本の東北新幹線上りのはやぶさ・こまち6号が、古川(宮城県大崎市)―仙台間で走行中、はやぶさとこまちの連結が外れ、それぞれの列車が分離した状態で緊急停車するという事故がありました。時速300kmで走る車両だけに超危険な事故です。

事故の概要

秋田駅を出発したこまち6号(7両)が盛岡駅で同駅始発のはやぶさ6号(10両)と連結。東京駅に向かって走行中に連結部分が外れたとのこと。非常ブレーキが作動し、古川駅を通過後約6キロ走行した地点で停止。いずれの車両も脱線などはなく、約320人の乗客にけが人等はありませんでした。

今回は幸い脱線や衝突といった事故にはつながりませんでしたが、分離した車両のブレーキのかかり方が違うと互いに衝突する恐れがあり、列車トラブルの中では非常に危険な事象という指摘もありました。いや、マジでこれ怖いと思います。

JR東日本 中央線でも

報道によると、JR東日本が運行する中央線大月駅(山梨県大月市)で8月、発車直後に列車の連結が分離し、運転士が手動で停止させるトラブルが起きていたそうです。列車は約1時間遅れましたが、報道向けの事故情報では「車両点検」と理由を説明していたそう。

これ、マズいよね。もし本当に連結が外れていたことが事実なら、それを正しく公表しないと。このことがJR東日本内で共有されていれば、新幹線の事故が発生しないように対策がとれていたかもしれません。

過剰な診療報酬の請求 関西の有料老人ホーム運営大手「スーパー・コート」でも

共同通信は9/3、「関西大手ホームでも不正、過剰か 入居者訪問看護「全て複数人に」、と報じました。昨日取り上げたサンウェルズの事例とほぼ一緒です。

スーパー・コート

スーパー・コートはホテルチェーン「スーパーホテル」と同一グループで、老人ホームやパーキンソン病専門住宅を約50カ所運営する企業。入居者向けの訪問看護ステーションも併設しています。この会社は上場企業ではありませんが、昨日の記事との関連で取り上げています。

過剰な請求

入居者への訪問看護について、必要性に関係なく100%複数人での訪問にするよう全社的に指示していたことが3日、共同通信が入手した社内文書で分かったとのこと。さらに、複数の現・元社員が「看護師1人で訪問した場合でも『複数人で訪問した』という虚偽の記録を作り、診療報酬を不正に請求している」との証言が。

これに対するスーパー・コートの反応は、「過剰な報酬請求には当たらないと考えている。不正請求の指摘については、会社の指示ではないことを明確に申し上げる」というもの。いやいや、会社の指示なしにこんなこと起きます?この業界の不正請求(もしくは過剰請求)って、どうやら業界標準になってるみたいですね。ひどい話です。