SMBC日興証券  逆転勝訴 元役員インサイダー

SMBC日興証券元執行役員のインサイダー事件ついて、同社が元役員に6,000万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が3/25、東京高裁でありました。定塚裁判長は請求を棄却した一審判決を取り消し、元役員に1,500万円の賠償を命じました。

事件のおさらい

事件は2012年のこと。同社が担当したTOB(株式公開買付)などを巡り、インサイダー取引が行われたとして横浜地検は元執行役員ら4人を金商法違反で逮捕します。証券会社の役員がインサイダー情報を提供したとして逮捕されたのは初めてのこと。

この役員は当時、三井住友銀行から出向中でした。2009年以降、投資銀行本部の副本部長として、上場企業の増資やM&Aに関与する立場にあり、これを利用した犯行でした。2013年に横浜地裁で有罪判決を受け、最高裁で確定しています。

SMBC日興が役員を控訴

一方でSMBC日興は、元役員の逮捕で、社会的信用を失ったとしてこの役員を訴えます。が、昨年2月、東京地裁は同社の請求を棄却していました。そして同社は控訴し、冒頭の逆転勝訴となったというわけです。社債引き受けの共同幹事を取り消される損害を受けたと認定されています。

同社は事件後に金融庁から業務改善命令を受けており、再発防止策も策定・提出しています。改善策の中には「証券業務未経験者をTOBのような法人関係情報を扱う部門の役員に直接登用しない」なんてのもあったようです。

さらに、「インサイダー取引に関与した社員に対して、会社に生じた損害の賠償を請求する」というのもあるらしいです。ほ~、ちゃんと再発防止策実行されてますねぇ。