株式会社サンウェルズ 老人ホームで28億円超の不正な報酬請求

株式会社サンウェルズは2/7、「特別調査委員会の調査報告書の受領に関するお知らせ」を公表しました。昨年9月に共同通信の報道で、パーキンソン病専門の有料老人ホームで、入居者への訪問について実際とは異なる記録を作り、不正に診療報酬を請求していたと報道された件に関する続報になります。

おさらい

報道を受け当初は、共同通信が報道した不正請求に関する記事を否定するとともに、記事の内容が同社の信用を毀損しているとして、訴訟を含めて法的措置を検討している」という強気の対応でしたが、その後特別調査委員会を設置して調査を開始していました。

そして今回の調査結果の公表。なんと、「ほぼ全てのホームで入居者への訪問看護を巡る診療報酬の不正請求(訪問時間を実際よりも長くするなど虚偽の記録で)や、必要がないのに訪問する過剰な請求があり、試算では総額約28億4700万円に上る」という酷い結果が出てきました。

経営陣の責任

気になる経営陣の関与について調査報告書は、「現経営陣による従業員に対する指示等の積極的な関与の事実は確認されなかった」としていますが、「不正の個別事案が少数存在していることを認識していた者は居た」としています。認識していたならなぜそれを経営陣で問題視してこなかったの?って話。

積極的な関与がなくても、実態を見過ごしてきたこと自体が取締役の善管注意義務違反。取締役の責任は重いよ。再発防止策ではその責任に対する処分等が注目されます。まさに今業界全体に類似事案が拡大していってるさなかだけに、世間は許さないでしょう。2/10の同社株はストップ安となっています。

コメントを残す