証券会社の決算を振り返る

金融、証券

2/6 日本経済新聞 「戦意失う個人投資家 証券会社の減益決算に影」という記事に、主な証券会社の2018年4~12月期決算が出ていました。前年同期比で最終損益の減益がズラリと並んでいた中、SBI証券と楽天証券だけが増益になってましたね。

大手証券で見ても軒並み3割減って感じです。野村は特殊要因があって単純に比較できませんが、株式手数料が21%減、投信募集手数料収入がやはり32%減少しているということです。みずほ証券だけがなんとか前年同期比1%減と頑張っています。

2018年10月に業務改善を求めていた

記事では、昨年10月、準大手証券に対し、証券取引等監視委員会が業務改善を求めていたとありました。顧客の投資資金で回転売買を繰り返し、手数料を稼いでいたことに対する業務改善ということです。

読み方によりますが、あたかも準大手証券各社に業務の改善を求めたため、準大手証券各社の決算がボロボロになったかのような書きぶりになってます。が、証券取引等監視委員会が複数社に行政指導のようなことはやりません。これは金融庁の業務です。

監視委員会が行ったとすれば、検査を終えた指摘として、その証券会社に業務改善を求めるだけですので、これは1社に対して求めた業務改善のはずです。ちなみにこの話は読売新聞で1月20日に報道されていた、「株の回転売買が横行」とかいう記事のことだと思われます。

業務改善を求められた証券会社の手口として、高齢者が外国株式で6,400万円の手数料を取られた、そんな話も取り上げられていました。ところが、この読売の記事なんですが、今では削除されていて見れません。この読売の記事を取り上げた他のメディアも同じく削除してますね。読売の報道内容にも事実に反する何かがあったのかもしれません。

証券会社の現状

かなり脱線してしまいました。話を戻しましょう。大手証券が減益になった主な理由は、ラップと投資信託保有期間の長期化だと思われます。資産管理型営業なんて言い方しますが、富裕層顧客で預かり資産を増やしていけば、後から収益は付いてくるという考え方です。

で、各社ともにラップを大きく積み上げています。入口のところで販売手数料が入らず、その後の収益性も高くありません。これが収益を圧迫しているはずです。いつか来た道なんですけどね。投資信託も同様です。入口で手数料はいただくものの、長期保有を前提とし始めたものだから、次の収益が生まれない。

準大手証券は基本、米国株式と心中したような恰好でしょうか。おまけに日経リンク債やEBといった仕組債を、今でも派手に取り扱ってるようなので、引っかかりまくりのはず。そのため、7割減益とか9割減益とかという惨状です。

マーケットに大きな変化がなければ、半年くらいはダメでしょうね。年が明けて1月の方が収益は苦しいかもしれません。下げるのも辛いですが、凪の相場ももっとつらいのが証券界なんですね。

コメントを残す