3/8 日本経済新聞に「世界半導体、30か月ぶり減 GAFA向け足踏み 1月売上高、データ特需失速」という記事が掲載されました。しかしまぁ、長いタイトルですな。デジタル経済の成長をけん引してきたこの半導体の市場、現状と今後について整理してみたいと思います。
何が起きているのか
1月の半導体世界売上高(3か月移動平均)が前年同月比5.7%減となったと伝えています。このところ毎年20%以上成長してきた市場も、2018年後半に減速し、この1月のデータでマイナス圏に入ったということのようです。(ちなみに元データは確認できていません)
急減速の原因と今後の期待
① 米ネット大手がけん引してきたデータセンター投資の停滞
② 中国の景気減速で半導体需要の停滞
③ メモリー市場の4割を占めるスマホ販売の減少
④ 仮想通貨のマイニング用サーバ向け特需の終了
記事では以上4つの原因を上げていました。一方で、この記事のすぐ隣(紙面の)には、今後期待できそうな明るい話について触れていますが、なぜ、わざわざ別の記事にしたのか良く分かりません。スマホとかでテキストで読むユーザーは読み飛ばしちゃうかもって感じです。
その期待というのが次世代高速通信規格「5G」です。現在我々が使っているスマホの上部には「4G」で通信している旨の表示がされていますが、これの次世代技術になります。いまさらこれ以上の説明は要りませんよね。現在の4Gから通信速度が100倍になるというヤツです。
5Gが普及する過程では、データを演算処理するロジック半導体の需要が大幅に増えると書いてますが、ちょっと難しいですね。ロジックICとか論理素子ICとも呼ばれるこの半導体は、どちらかというとパソコンのCPU寄りの集積回路のようです。前半の記事が主に取り上げていた単純なメモリーとは違うんですね。ということで、今後の好材料として、
⑤ 5Gの立ち上がりで2019年のどの辺りから半導体市需要が喚起されるか
⑥ 他にも Iot や 、中でもEV(電気自動車)の立ち上がりでの需要喚起
という要因も加えて、今後の半導体市場を見ていく必要があるということです。この中でもやはり大きいのは②の中国の景気ですかね。また、これを大きく左右しうる米中貿易摩擦の行方も気になります。トランプ氏があえて米朝関係でビッグディールを取りにいかなかったのは、中国との交渉(これこそがビッグディール)を控えていたからだとkuniは思っているのですが。米中の関係、どうなっていくでしょう。
最後に、半導体の主戦場がPC→スマホと変化してきましたが、今後は⑤⑥の「5G」、「Iot」、「EV」に変化していくという基本線は押さえておいた方が良さそうです。