11/16 日本経済新聞の記事です。RIZAPがおかしなことになってますね。今一つ納得感のないM&Aを続けていましたが、やはりこういうことになっちゃうんですね。負ののれんでPLをかさ上げする手法に関しても、一気にネガティブな評価になってきました。
ベンチャー企業にはありがち
ベンチャーと書いてちょっと違和感。最近聞かなくなりましたねベンチャーという言葉。もっぱらスタートアップ企業でしょうか、最近は。多少意味合いは違うんでしょうが、ここでは同列に扱います。いずれにしてもこの手の若い企業、一気に成長する企業にはありがちな展開です。これだけ成長するわけですから、経営者の推進力というか突破力というのは、すごいものがあると思います。ただ単にアイデアだけで会社が伸びるもんではありません。
ところが、推進力が強い企業にありがちなバランスの悪さ。つまり攻撃はすごいけど、守りが弱い。っていうか、そこまで考えていないんですね。守りをしっかり考えるタイプの人は、リスクを顧みずに突進するなんてことが苦手です。まさにRIZAPは攻めの経営の転換点にきてしまったということでしょう。
松本 晃 氏
今年6月に取締役として招聘された方で、伊藤忠でスタートし、ジョンソン・エンド・ジョンソンやカルビーの社長、会長を務められた方ですね。入社歴からすると既に御年70歳くらいでしょうか。この方のコメントがなかなかいけてます。「会社に入った時は、おもちゃ箱のような面白そうな会社だと思ったが、壊れたおもちゃもあった。修繕しないと今後困ることになる」。
「さらなる成長のため、ここは一度M&Aを凍結しよう」という松本氏の進言を瀬戸社長が受け入れ、拡大路線からの転換を発表するに至ったとのこと。「この決断は松本さんがいなかったらできなかった。100%感謝している」とも言ってるようです。
ここまで強気で突っ走ってきた社長が、自分の父親ほどの先輩経営者にバトンを渡すというのはどんな感じなんでしょうかね。ガバナンスを強化するにあたっての単なるキャスティングでしかないのか。やる気をなくして丸投げしてしまうのか。これほどの立場に上り詰めた人にしかわからない感覚です。
しかし、松本氏を招聘する前から、それなりにキャリアのある取締役や監査役揃っているように見えるんですが、これまでこうした守りの見直しについてアドバイスできる人っていなかったんでしょうかね。松本氏とほかの取締役等との関係性も含め、今後のRIZAP、壊れたおもちゃをどう片付けていくのか、注目です。