株式会社モバイルファクトリー 買収した子会社CEOに6億円の損害賠償を提起

モバイルファクトリーは3/19、「訴訟提起に関するお知らせ」を公表しました。同社 100%子会社である Suishow 株式会社の元株主である現代表取締役に対して、6億円の損害賠償を求める訴訟を起こしたということです。

モバイルファクトリー

モバイルファクトリーはスマートフォン(スマホ)向けのゲームアプリ開発会社。スマホに搭載されたGPSなどの位置情報を活用し、全国に所在する鉄道駅のスタンプラリー・陣取りゲームを提供する東証スタンダード上場企業です。

訴訟提起の概要

同社は昨年6月、Suishow 株式会社の株式を取得し、100%子会社化しました。その後昨年10月に「ユーザーの位置情報やチャットなどが外部から閲覧可能な状態が生じていた」とする報道が行われ、サービスを急遽停止する事態に発展。現在もサービス再開には至っていません。

Suishowの元株主である現代表取締役は、子会社化における株式譲渡契約において「Suishowに関する事項が真実かつ正確であることを表明保証していましたが、今年1月に、表明保証に重大な違反があったと、モバイルファクトリーが認識したとのこと。

モバイルファクトリーが支払った約3.9億円の譲渡対価の返金を求め、交渉を続けてきたようですが、度重なる交渉・協議においても進展がなく、やむを得ずの訴訟提起に至ったということです。

Suishow は意図して不正を働いたわけではなく、元株主であり現代表取締役にしても、表明補償における虚偽等はなかったと思われます。あくまで主要製品のセキュリティが甘かっただけのよう。この訴訟は難しそうやね。

バリュエンスホールディングス株式会社 従業員の不正行為

バリュエンスホールディングスは3/21、「当社連結子会社の従業員による不正行為について」を公表しました。同社連結子会社であるバリュエンスジャパン株式会社において、従業員による不正行為が判明したとのこと。

バリュエンスホールディングス

バリュエンスホールディングスは、ブランド品や貴金属、時計などの買取・販売を手掛ける企業。「なんぼや」をはじめとする買取店舗などを通じて一般消費者から商品を買い取り、買い取った商品は自社開催の事業者向けオークションで販売するほか、卸売や小売販売も行っています。東証グロース上場企業です。

不正の概要

連結子会社であるバリュエンスジャパンにおける不動産仲介サービスにおいて、同社従業員が不動産売却意向のないお客様が保有する不動産に関し、不動産売却の仲介依頼を受けたように捏造し、当該不動産を購入希望の取引先との間で当該不動産に関する不動産売買契約を偽造し不正に締結した可能性があることが発覚したということです。

ちょっと珍しい事案ですね。既に社内調査を終えているようで、社内処分の手続きや、警察相談も行っているといいます。不正による被害金額等は明らかにされていませんし、調査委員会の設置等に関する言及もありません。現時点で判明している不正だけで終わらせてしまうのかな?

それにしても不動産の偽装売買なんて、すぐに足が付きそうな手口なのにね。同社における実害や背景について、もう少し説明が必要なのでは?

王子ホールディングスグループ会社 元従業員の会社資金私的流用

王子ホールディングスのグループ会社の鳥取森紙業の口座から、現金8億円余りをだまし取ったとして、3/6、詐欺の罪に問われている元従業員に、検察は懲役10年を求刑しました。この事件、第一報は昨年の6月。適時開示はされていなかったため、完全に見落としていました。

不正の概要

舞台となったのは王子ホールディングスのグループ会社の森紙業の子会社の鳥取森紙業という会社です。元従業員は長らく経理業務を担当。金庫の鍵や会社の通帳などを持ち出せる立場にあったようです。親会社の森紙業が昨年3月期決算の過程で不審な伝票に気づき、会計データなどを精査したところ発覚しました。

2014年ごろから23年にかけて、社内の金庫から現金を持ち出したり、会社の口座から預金を引き出したりするなどして、総額8億750万円を私的に流用していました。架空の伝票を作成して社内の会計システムに登録するなどして、残高のつじつまを合わせていたといいます。

元従業員はだまし取った現金を使って競馬を繰り返したほか、趣味や女性との交際費などに消費したということです。長期間経理担当を固定してしまい、子会社のみならず親会社からの管理も行き届かない状況。子会社従業員による横領の典型的なパターンですね。

元従業員にまとまった資産はなく、返済のめどは立っていないと昨年時点でも伝えられていました。裁判は6日で結審し、判決は3月27日に言い渡されるそうです。

日東製網株式会社 ランサムウェア被害からの復旧のプロセス

日東製網は3/18、「2024年4月期第3四半期報告書の提出期限延長に係る承認申請書提出のお知らせ」を公表しました。このランサムウェア感染被害、初報段階では被害状況が不明でしたが、今回の開示では被害状況から復旧へのプロセスがかなり詳細に書かれています。

被害の状況

1/16、午前8時ごろに外部から不正アクセスを受け、サーバーに保存している各種ファイルが暗号化されていること等を確認。一部のサーバーでランサムウェアが実行され、サーバーに保存していた各種業務データ、業務用ソフトウェアが暗号化され、一切、アクセス不能に。

生産・販売システムへの入出力、会計伝票の入出力及び連結子会社4社の伝票入出力等を行うことができなくなり、経理業務や製商品の受発注、製造などの主要業務及び連結子会社の第3四半期の決算資料作成を行うことができなくなる支障が発生。パソコンを使用不可にしたことからメールの授受ができず、FAX や電話でのやり取りとなり、業務全般の事務に多大な影響が。

復旧

1/19からパソコンの使用を再開。1/31に会計システム、販売、仕入・在庫管理システムを稼働。2/6には生産・販売管理システムが稼働。2/13には各種業務データを保存している共有ファイルサーバーが使用可能に。といった具合に復旧の状況が説明されています。そして同日をもってこれまで滞っていた業務を全面的に再開できたということです。

ランサムウェアの感染被害は他人ごとではありません。自社としてどのような対策をとり、被害に遭った場合はどう対処するのか、、、この日東製網の開示はかなり参考になると思います。

鴻池運輸株式会社 従業員の不正行為 中間報告書を公表

鴻池運輸は3/14、「内部統制調査委員会の中間報告書受領に関するお知らせ」を公表しました。従業員が同社取引業者と共謀して架空の外注費用等の計上を行い、キックバックを受けていた事案の調査結果です(中間となっていますが、これに再発防止策を追加して完了する模様)。

調査結果

内部統制調査委員会による調査の結果、2020年度から 2023年度までの期間において判明した不正金額の合計額は 549百万円だということです。2月の委員会設置時点より1億円以上増加してますね。

取引業者計 7社の協力を得て、業務にかかる虚偽の請求書等を作成 ・交付させ、当該書類を用いて同社から当該取引業者に対して代金を支払わせる手法により、同社の資金を不正に流出させていました。従業員はキックバックを受けるなどして、不正に流出させた同社の資金を私的に着服していたということです。

行為を行っていたのは、ある支店の課長とのこと。7社ごとに不正流出額は特定されているんですが、キックバックの金額については今一つはっきりしていません。他社で見てきたキックバック(着服金額)は、流出した金額の8割とか9割なんですが、この事案では5割にも届いてない感じです(つまり協力した業者の取り分の方がかなりデカい)。

これって何を意味してるんでしょうかね。業者側の儲け話であって、同社の課長は使いっぱしりみたいな感じだったんでしょうか。報告書ではこの辺りがほとんど語られてないようです。何だかスッキリしないなぁ。