不適切な行為と不正行為

3/31だったかな。日本フェンオールという会社が、「当社の一部製品に関する不正行為について」という開示を行いました。当ブログでも取り上げた件です。実はこの開示、最近あまり見ない、ちょっと珍しい開示だったんですよね。

日本フェンオールの件

なんでこの開示が珍しいかというと、同社の会社行為として行っていた型式承認時における認証不正について、「不正行為」と言い切っているところなんです。多くの企業がこういったケースでは「不適切な対応」だったり「不適切な行為」と表現するんですね。

神東塗料の件

同じく直近で認証不正に関する開示を行った神東塗料。タイトルは「当社製の一部製品に係る不適切行為に関するお知らせ(第5報)」となっています。製品の認証を得る際の会社としての不正行為ですから、両社のやったことはほぼ同じ行為です。

不適切とは

辞書で調べてみると、「不適切」とは、「その場の状況や話題となっている事柄に対する配慮を欠いていること。また、そのさま。」とあります。企業が行ったルールを逸脱した行為のことを「不適切な行為」と表現するのはおかしいわけです。ちなみに「不正」は、「正しくないこと。また、その行為や、そのさま。」です。

不正行為を行っていた企業がそれを世の中に公表する際、少しでもイメージを良くしようと「不適切」という表現をしたがるんですね。そういう意味で日本フェンオールの開示は珍しいですし、潔い。ちゃんと自分たちが行ったことがどういうことなのか、経営陣も含め、しっかり認識できているのではないかと感じた次第です。