オープンハウス 三栄建築設計をTOB(その2)

金融、証券

一昨日取り上げたTOBの件。TOBにかかる重要事実の公表前の三栄建築設計の株価の動きが怪しいと書きました。今日はこの件についてもう少し詳しく掘り下げてみようかと。反社と繋がっているとして信用を失墜してしまった三栄建築をオープンハウスが買収します、という話です。

株価の推移

8/14(月):1,601円(+48円)、8/15(火):1,716円(+115円)、8/16(水):1,843円(+127円)というのがTOB公表前の同社株の株価推移です。先日も書いた通り、TOBに関する公表は8/16の取引終了後の18:15でした。

ここに書いた3日間の出来高を伴った急上昇はいったい何だったの?というのが問題点です。調べてみると8/14や15日に、今回の反社とのかかわりを調べていた調査委員会が調査結果を公表しており、これに反応して株価が反騰したという見方もあるかもしれませんね。

大きく下げた株価が少し戻ったというのであればともかく、同社株はここ1年1,700円台を付けたことがありません。いわゆる新高値のゾーンまで買い進まれたことに対しては違和感しかないという感じです。そのため、インサイダー取引の存在を感じさせるわけです。

投資家心理として

6月に反社とのつながりが初めて公表された際、同社株は1,300円割れまで売られました。反社会的勢力とのつながりなどけしからん。と、材料に反応して同社株を手放された株主は1,300円程度で売却されたと思われます。

その後、悪材料出尽くしという感じで8月上旬にはもともと付けていた1,500円台を回復。やれやれという形で多くの株主がギリギリ損切かチャラってところで売却したでしょう。今回の反社の話題で株主は振り回されたわけです。

そして、TOBの材料が出ました。株主の多くが損切りさせられた一方で、反社の創業者はTOBにより2,000円台で売り抜けられることが確定したわけです。多くの一般株主が振り回され、損してしまったなか、反社はここ1年以上付けたことのない高値で売れちゃうんですね。反社丸儲けというこの構図、許されていいもんでしょうか。

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